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糸から始まる ジャパン・ヤーン・フェア(2)
高度な“機能”で新たな用途開拓へ
2010年02月09日(Tue曜日)
昨年2月のテキスタイルの総合見本市「プルミエール・ヴィジョン」では、「婦人服へも機能素材を」という趣旨の展示があったが、機能素材を充実させる動きは今回の「ジャパン・ヤーン・フェア(JY)」でも健在だった。機能肌着が全盛を迎えるなか、やはり「保温発熱」「接触冷感」といったキーワードが目立つ。
東邦テキスタイルは発熱・保温素材「ソリストサーモ」シリーズに新たなラインアップを追加。「ソリストサーモ・アルファ」は、マイクロアクリル「ソリスト」と長方形断面レーヨン「バイロフト」を組み合わせることで吸湿発熱性と保温効果を実現、「ソリストサーモP」はソリストと光触媒レーヨンを混紡することで、高い抗菌防臭性を付与した。
機能レーヨンに強みを持つオーミケンシは、スクワラン配合のレーヨン「パポリス」とアクリル・ウールの3者混素材「パポリス・ウール」や、ポリエステルを芯にキシリトール練り込みレーヨン「リフレール」の二層構造糸「リフレール・クール」など、機能素材を前面に展示。JYの会期中、ブースはずっと来場者で込み合っていた。
第一紡績の「センターアイランド」はW断面ポリエステルにレーヨンでカバーリングする独自紡績技術「IPX」によるコアヤーンの特殊構造糸。さらにその技術を生かし、コアに特殊扁平ナイロン「コクーンアイシス」、カバーリングが「マイクロモダール」の特殊糸「ハートロール」を打ち出した。通常、コアにナイロンを使うのは「極めて難しい」だけに、技術力の高さの一端を見せた。
「工場発信のモノ作り」に力を入れる龍田紡績は、ポリエステル短繊維とレーヨン、マイクロタイプのキュプラ繊維「ベンベルグ」を組み合わせた特殊糸「ペアクールクイック」を来春夏向けに投入。熱伝導性の高いキュプラが肌の熱を奪って清涼感をもたらすとともに、吸水速乾性にも優れる。売れ筋となっている消臭綿糸「タツロン・アルファ」とともに肌着用途への拡大を進める。
調達力で強さを見せる伊藤忠商事は、スイスのスポエリー社の特殊紡績技術による「アイスコットン」が注目を集めた。紡績技術だけでシャリ感、ひんやり感を持たせた強燃の超長綿糸で、化学的な加工を施していないことから、肌への安心感もある。
これまで生地でしか加工できなかった素材も糸段階で加工することで、用途を広げる動きも強まっている。シキボウは今回初めて抗ウイルス加工「フルテクト」の糸を展示した。これまで生地での加工しかできず、用途開拓が難しかった手袋、靴下などへも今後は積極的な販促活動を進める。また、業界で初めて「抗かび加工SEKマーク」の認証を受けた「ノーサム」も紹介。水虫の原因となる白癬菌にも効果があり、靴下用途への広がりを期待する。
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