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2010年06月30日(Wed曜日)
カーテン編 モノ作り×売る仕組み 問われる時代 コントラクトが比較的堅調 専門店 全国へ展開拡大
インテリア専業メーカーのカーテン事業は今年に入り、コントラクトが比較的堅調に推移している。スミノエのカーテン事業は、2~4月と学校需要が増加。5月はやや落ち込んだが、6月に入り回復基調で進み、春夏全体で前年並みの手応えを得る。
東リも病院、学校などのコントラクトが堅調。素材メーカーでも学校の耐震補強工事に伴うカーテン需要があり、「とくにエコ関連の素材の動きが安定」(帝人ファイバー)してきた。川島織物セルコンは高級オーダーカーテン「フィーロ」が苦戦するが、個性的で販売時に語れる“スミコホンダ”や“ウィリアム・モリス”は前年並みを維持するなど健闘する。高級品のなかでは値ごろ感があり個性的なアイテム、中級品の中では安いだけでなく付加価値のあるワンランク上の価値を求める志向が表れている。
アスワンは10春夏、ビル、ホテルなど内装工事ルートで苦戦するが、主力の専門店向け販売が回復に向かっている傾向が見られるという。売れ筋も今まで無地が多かったが「プリント柄のカーテンが売れ始めた」など明るさを反映した変化の兆しもある。家で過ごす時間が増え、インテリアを見直す風潮も追い風になる。
ただ、リーマンショック後続いた最悪期を脱したといっても、景気の潮目変化を実感するまでには各社とも至らず、「全体への波及はまだ見られない」「量的には若干回復の兆しがあるが、単価下落には歯止めがかかっていない」などの声が多数。専門店では消費者のカーテンにかける予算減が顕著で、既製品への流出が目立つという。電気量販店などのなかには不採算のインテリアから撤退する動きもある。
関西を中心に地域密着型で展開してきたカーテン小売企業は、出店エリアでの顧客の囲い込みに加え、全国展開を視野に出店外エリアへの対応に力を入れ始めている。ジパング(神戸市)は無料洗濯サービスなどで顧客の囲い込みを強化したが、09夏からカタログを発行し、問い合わせがあれば送るなど出店外地域へも対応する。掛け替え需要の活性に向けた新規策も検討中だ。
インテリックス(和歌山市)はパートナーショップシステムを開始した。関西中心に「ジャストカーテン」8店舗を展開するが、契約するパートナーショップへ商品やノウハウを供給することで未出店エリアへの進出を視野に入れる。デコーレ(神戸市)は専門店らしい接客を重視。09年から販売力を強化しており、その成果が業績に結びついてきている。
寝装寝具偏 専業メーカーとしての存在感を示すとき専業メーカーとしての存在感を示すとき
市場にまん延する低価格志向の波は寝装寝具の販売にも大きな影響を及ぼしている。とくに昨年は量販店での羽ふとんの販売価格が大きく下がり、かつては高級品として位置付けられていた市場でのイメージを損なってしまった感がある。さらに、化合繊素材や加工由来の機能提案も、寝装寝具では最終的に「快眠」に帰結していくことから、新たな切り口を打ち出しにくく、一段落ついた感がある。製品戦略・販売戦略、それぞれの寝装寝具業界の現況と商品開発の方向性をまとめる。
デフレの中、新たな商品力が必要 急速に陳腐化する商品価値
2009年の秋冬シーズンに羽ふとんが安価で出回った背景には、羽毛(ホワイトダックダウン85%)の原料価格が10ドル代前半で推移していたことにある。これは輸入に関わる企業の撤退や倒産などで羽毛原料の国内への供給環境が激変し、羽毛原料在庫が一気に出回ったことによる一過性のものであることは業界内で共通の認識だが、一般消費者はその背景を知らない。
安価な羽ふとんと高価な羽ふとんの特性・性能の違いは確実にある。しかし、数年前の綿毛布や冷却ジェルシート同様、消費者の間で一度“安物”のイメージがついた製品の地位回復は難しい。
さらに今年は羽毛原料価格が高騰しており、昨年どおりの価格帯の羽ふとん作りはできそうもない。羽ふとんは標準価格に戻るだけでも「値上がり」と受け取られる状況に陥ってしまっている。
昨年から今シーズンにかけては、羽ふとんが目立つ事例として話題にされることが多いが、原料高と店頭の販売価格下落は、ほとんどの寝具商材で当てはまる慢性的な問題でもある。これに対しメーカー、販売店ともに有効な打開策は見つかっていないのが正直なところだ。
ただし、安価な寝具を買い求める消費者だけでなく、快適な眠りを追求する層が存在することも厳然とした事実としてある。後者の層に向け、どれだけ魅力的な企画を打ち出せるかが、現状の打開にもつながる。また、前者の層にも条件がそろえば、ある程度の価格の寝具に乗り換える潜在的な購買層がいることも十分に期待できる。この層の掘り起こしも、今後の重要なポイントになる。
「当社だけ」の独自性演出 新たな主力商材の模索
ロマンス小杉は特許技術による羽毛と真綿の3層構造を持つ掛けふとん「ロマンスナイト」の展開価格を引き下げ、シェア拡大を狙う。近年、商品力の低下と普及率の高さがあいまって、5万円クラスの羽ふとんの販売量が落ち込み、それに変わる中心商材として「ロマンスナイト」を中心に据える。
3層構造は特許技術によって同社にしか製造できず、機能的にも羽毛布団に対して高い。普及率も伸びしろが多く、価格引き下げをきっかけとしたユーザー層の拡大に期待を寄せる。
同様に真綿ふとん企画の充実を進めるのが京都西川だ。希少性の高い“生繭”を採用した最高級の真綿ふとんを筆頭に、京都市産業観光局が、今年5月の東京ガールズコレクションに出展したきもの柄から「鶴」を側生地に採用した企画を追加、プレミアム感や「京都」のブランドイメージを前面に打ち出す。ウオッシャブル機能を施し、市場からの支持を得ていた2万円代の低価格帯の真綿ふとん企画にも、モダールやガーゼなど側地素材のバリエーションを追加し、真綿ふとんを幅広い層にアピールする。
一方、西川産業の3層特殊立体構造コンディショニングマットレス「エアー」はスポーツ選手をアドバイザーに迎えるなど、アスリート向けのイメージを強調。今秋にはまくらをシリーズに加えるなど、ブランドの充実を図る。
各社ともに製品を打ち出す傾向は違うが、潜在支持層の購買意欲に強く、深く訴えることで、自社製品を印象付けることに期待をよせる。
周辺雑貨の充実図る ユーザー開拓を推進
寝装寝具だけでなく、寝室環境のトータルコーディネート、リビングでのリラクシングに向けた企画提案の流れが続いている。このほど、西川リビングが打ち出した「ソンジュール」は家の中だけでなく、オフィスなどにも広げている。「ソンジュール」の企画には同社の女子社員が中心になって立ち上げ、寝具とは一線を画す、日常生活の中で役立つ身の回り品を打ち出している。
大津コーポレーションは自社で扱うナショナルブランド「ジバンシー」や「フルラ」のなかで、タオルやルームウエアなど周辺商材を充実させている。また、自社で編集する製品ライン「ねむりの森」でも機能素材使いのベストやカーディガンをそろえる。また、今秋冬向けに採用した機能素材「シンサレート」の製品でもベストを提案する。
まくらの測定販売を展開するロフテーも、6月に睡眠時の体温低下対策ウエア「温ボディ」の新商品を発表。腹部からでん部用の「ハラマキュロット」、足首から太ももまでカバーする「ロングレッグウォーマー」などをそろえ、従来のシリーズとともに店頭での提案幅を拡大する。このほかのメーカーでも、寝具のブランドにあわせたホームウエアやパジャマなどの総合提案が行われている。
ブランドラインに合わせて小物をそろえる手法は古くからあるが、店頭での提案手法によって、快適な睡眠環境づくりを消費者にイメージさせるには有効な手段に成り得る。また、店頭のイメージ作りや、これまで取り込みにくかった若年層などの消費者に対するアイキャッチ効果も高い。
生活雑貨関連製品の充実は今後、新たな売り場、消費者を開拓していく上で、重要な位置を占めつつある。
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