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グンゼ・宮津工場 カスタマイズへの挑戦(中)
2010年07月29日(Thu曜日)
1枚でも染める ロットフリー実現
同じ労力を使うなら、1枚より1000枚染めるほうが効率的。そう考えるのが普通だろう。その「普通」を覆すのが、グンゼ独自開発のポット染色機である。
ポット染色機は、ボクサーパンツなど成型編みのパーツの無地染めが、1枚からでも可能。24時間全自動・無人で稼働する。さらに1枚染めても、1枚ずつ違う色に染めても従来よりコストが安いという"ロットフリー、ローコスト"の発想を実現した。これにより、店頭を見ながら、欲しいときに欲しいものを欲しいだけ作る生産が可能になる。
従来のバッチ染色の場合、ボクサーパンツなら標準でも800~1000枚の最小ロットが必要になる。このロット制約がある限り、在庫上の問題から1人ひとり違うパンツをはいてもらうカスタマイズパンツの提供は難しい。ところが、ポット染色機を使えば1~6枚単位で染められるため、不良在庫を抱えず、売れ筋の在庫だけを効率的に構えることができる。
染色加工をひとつの大きな釜で行わず、通常の染色釜の100分の1ほどの小さなポットを複数組み合わせているのが特徴。染め自体に12個、後処理などを含む工程全体で23個のポットを用いており、工程ごとに違うポットで作業を行い、ポット自体がベルト上を動きながら自動で複数の工程を回る。
生地を1枚ずつ持ち上げ、次の工程に移すピッキング装置には、わずかな染料の差も正確に量る自動精密軽量機を搭載。これにより、間違いがないか確認しながら作業ができる。柔らかい生地もつかめる技術、精密な自動軽量には、これまで縫製自動機などを作り培った過去の技術が生きる。
1枚あたりの染色時間自体は3分の1に短縮される。エネルギーコストは従来の30%削減、CO2排出量は41%削減。セットと片付けさえ人がすれば、あとはコンピュータがどのポットで何色を何枚染めるか指示を出し、無人で動く。
開発は容易ではなかった。当初は社内でも懐疑的な見方が多かったという。それでも「勝算があった」と小澤七洋取締役執行役員インナーウエア事業本部長。「1枚染めるのも1000枚染めるのも、浴比は変わらない。人の手間以外、コストは基本同じ。あとは設備の自動化率をどう上げるか」――。苦節6年余りを経た09年8月、ついに最初のポット染色機が宮津で動き出す。
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