メーカー別 繊維ニュース

特集・ITMA2011/紡績・化合繊機械/有力メーカーの出展内容と戦略

2011年08月26日(Fri曜日) 午後2時40分

 ITMAバルセロナには、世界、そして日本からも多くの有力繊維機械メーカーが出展する。ここでは各社の出展内容を紹介すると同時に、出展していない日本の有力メーカーの戦略を紹介する。(末尾に出展ブース番号を記載)

村田機械/新たな提案への期待膨らむ

 特殊渦流精紡機「ボルテックス」や自動ワインダーの歴史的名機「No.21C」の販売が好調な村田機械。ITMAでも新たな革新的提案を行うのではないかという期待が関係者の間で高まっている。

 ボルテックスは、とくにレーヨン紡績で独特のハリコシ感のある糸の生産が可能な点や、抗ピリング性の高さから、中国、インドネシア、ベトナム、バングラデシュなどで導入が相次いだ。一方、自動ワインダーNo.21Cも中国、インド市場などで好調な販売が続く。高生産性や省エネルギー、省スペース性が評価されており、とくにインドでは精紡機直結完全自動ボビントレーシステム「リンクコーナー」の採用が拡大した。

 その村田機械、今回のITMAに関しては、いまだ出展内容が秘密のベールに包まれている。渦流精紡機、自動ワインダーともに、新たな提案があることは確実。世界中のユーザーが、その動向を見つめている。(ホール1―B116)

TMTマシナリー/映像で大規模プロモーション

 化合繊機械メーカーのTMTマシナリーは、ITMA会場で同社の設備の大規模導入工場を映像で紹介し、仮撚り機とテークアップワインダーを大々的にプロモーションする計画だ。仮撚り機用インディビジアル・オートドッフィング(IAD)システム「ツインパック」1錘も実機展示する。

 ITMAでは主力の仮撚り機、テークアップワインダーともに実機を展示しない。その替わり、ブースに超大型モニターを設置し、同社の384錘立て仮撚り機120台を一括導入した合繊工場や、新鋭テークアップワインダー「ATi―MANTA」を500台導入した年産20万トンクラスの合繊工場など、ユーザー工場の稼働映像を紹介することで同社の最新機械の性能をPRする。

 三木勝策社長は「今回のITMAは、製品のプロモーションを前面に打ち出す」考え。同時に、仮撚り機用IAD「ツインパック」は1錘を実機出展することで、同社の最新ソリューションの性能を紹介する。

(ホール1―B101)

神津製作所/新型ワインダー2機種を披露

 神津製作所は、合繊用自動ワインダー「SSP―VX」と高機能繊維用テークアップワインダー「ARK―1000D」の新型2機種をITMAで披露する。2機種とも実機展示し、とくにSSP―VXは稼働実演も行う。

 SSP―VXは、衣料繊維用の自動ワインダー。プラットフォームから設計を一新し、同社としては初のタッチパネル方式コントローラーや、コンピュータ制御を採用。トラバース、スピンドルボビン、送り出しローラーが独立駆動方式となっており、コンピュータ制御で同調。毎分平均1000メートルのワインディングが可能だ。消費電力の削減も進めた。

 一方、ARK―1000Dは、主にアラミド繊維を対象とした産業用高機能繊維用テークアップワインダー。世界的にも例が少ないダブルボビンを採用することで省スペース性、省エネルギー、効率的ランニングパフォーマンスを実現した。毎分1000メートルの巻き上げが可能だ。(ホール1―A139)

AIKIリオテック/「AT―501BSW」を新開発

 糸加工に使われる空気加工機メーカーのAIKIリオテック(愛知県稲沢市)は、空気加工機「AT―501」シリーズのワインダーにソフト巻き機構を装備した「AT―501BSW」を開発した。「ITMA」では1台(2錘)を展示する予定だ。

 これまで加工した糸は、チーズ染色する際、改めて染色用のプラスチックボビンに巻き付ける必要があった。同社はユーザーからの要望を受け、新たにソフト巻き機構を開発。その機構を空気加工機に取り付けることで、空気加工機で加工した糸を直接、染色用のプラスチックボビンに柔らかく巻き取ることができ、チーズ染色のときに、ボビンを巻き返す工程を省くことで、時間やコストの削減につながる。

 同機構は空気加工機AT―501シリーズに取り付けが可能で、希望の糸を希望の硬度、ワンステップで巻き取ることが可能だ。

 現在、空気加工機の輸出は中国が圧倒的に多く、65%を占める。中国では現地スタッフの増員と現地保管スペアパーツ量を増やすことで、大量に導入された同社製機械のメンテナンスを含めたアフターサービス向上させるとともに、インドやトルコ、ブラジルなど新興国の市場開拓も加速する。(ホール1―A109)

阿波スピンドル/紡糸工程用新型ノズルを出展

 スピンドル、ノズルメーカーの阿波スピンドルは、今回のITMAで紡糸工程用エアノズルを重点的に提案する。新型ノズルとして、インタレスノズル「ASシリーズ」、マイグレーションノズル「MRシリーズ」を披露する。

 ASシリーズは、従来のMIシリーズと比較して交絡性能が最大30%向上。空気使用量も最大50%削減が可能だ。一方、MRシリーズは、従来の省エネルギー性を維持したまま、短ピッチを実現した。空気流量を最大50%削減することが可能だ。

 同社では、新型ノズルの提案で、世界的テーマであるCO2削減や省エネルギーに取り組む。省エネルギーによる生産と環境改善、ユーザーの生産コスト低減という相反する要求を満たす新商品として提案する考えだ。

(ホール1―A135)