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「ITMA2011」閉幕/省エネ、原料ロス低減が最大テーマに/インド、トルコ、南米から来場多数

2011年09月30日(Fri曜日) 午後2時10分

 現地時間22日からスペイン・バルセロナで開催されていた国際繊維機械見本市「ITMA2011」が29日、盛況の内に閉幕した。今回展では地元・欧州のほか、インド、トルコ、南米からの来場者の姿が目立つ。紡績、合繊、織布ともに、これら新興国の繊維産業の活況と急速な設備近代化を進めている様子がうかがえる。(バルセロナで宇治光洋)

 今回展で、最も積極的な商談を行ったのはインド勢だ。村田機械、豊田自動織機、津田駒工業などのブースでは展示会初日から多くのインド人が訪れた。エア糸加工機を出展したAIKIリオテック、紡糸プロセス用ノズルを出展した阿波スピンドル、合繊長繊維用自動ワインダーを出展した神津製作所のブースでも積極的な商談が行われている。

 このほか、トルコ勢の姿も目立つ。トルコはEU圏の生産拠点として確固とした地位を確保している。また、好景気が続いているブラジルなど南米からも多数の来場者があった。南米は歴史的にスペイン、ポルトガルなどイベリア半島の国と関係が深く、交通も整備されていることも要因だ。

 機械へのニーズとしては、これまで以上にユーザーは省エネ、原料ロス低減に神経質になっている。新興国では繊維以外の産業も急速な発展を遂げていることから恒常的なエネルギー不足が深刻化しているからだ。また、原料高騰を背景に、不良品発生を抑える必要が生じている。実際にITMA2011でも日本メーカーはじめ各社が省エネ、不良発生抑制に焦点を当てた新機構を打ち出しており、来場者の注目を集めた。

 産業資材へのアプローチが強まっているのも今回展の特徴だ。とくに欧州の織機メーカーにこの傾向が強い。イテマウィービング、ドルニエ、ピカノールなど有力企業はいずれも産業用織物の製織実演を行っている。また、新機構としては電子制御技術とサーボモータによる独立駆動方式が一段と進化した。機械式の挙動制御と動力伝達による限界から開放されたことで、従来は不可能だと考えられてきた挙動が可能になった。これも衣料用繊維ではなく、産業用繊維が主なターゲットとなっている。新興国、先進国ともに今後の繊維産業の方向性を示唆する内容が明らかになった今回のITMAだった。

 次回のITMAは、4年後の2015年11月12日から19日までイタリア・ミラノで開催される。