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革新精紡機/ボルテックス精紡広がる/中国紡機メーカーも参戦

2012年08月06日(Mon曜日) 午前10時40分

 リング式精紡とは異なる革新精紡技術。現在、実用化されているのはローター式オープンエンド精紡と日本の村田機械が開発した高速空気渦流によるボルテックス精紡の2つだ。このうち、イタリアのリーターがボルテックス式精紡に参入するなどボルテックス方式に普及と市場拡大の兆しが強まってきた。

 精紡原理として一般的なリング精紡は、発明されてすでに約200年が経った今も精紡機の主流だ。しかし、リングとは異なる精紡方式として様々な革新精紡方式が研究されてきたが、実用化に成功し、普及した革新精紡技術は、ローター式オープンエンド(OE)方式精紡と高速空気渦流によるボルテックス方式精紡の2つに集約された。

 いずれもリング精紡では前紡として必要な練条、粗紡を省略でき、スライバーから直接、紡績糸をパッケージにすることができる。リング式での粗紡、精紡、ワインディング3工程を精紡工程ですべて行えるため、圧倒的な高生産性が特色だ。なかでもOE式精紡は欧州を中心に多くのメーカーが展開する。一方、ボルテックス精紡は、村田機械が独自に開発し、実用機の生産と販売を進めてきた。

 その革新精紡だが、昨年にスペイン・バルセロナで開催された国際繊維機械見本市「ITMA2011」で、スイスのリーターが新型革新精紡機「J20」を発表し、ボルテックス式精紡に本格参戦した。これに対し、迎え撃つ村田機械は最新型の「ボルテックスⅢ870」を発表した。

 ボルテックス式精紡機の競争が激化することになるが、村田機械のある幹部は「リングを含めた紡績市場全体で見ればボルテックスのシェアは微々たるもの。リーターが参入することで、ボルテックス式精紡の認知度が高まり、市場自体が拡大するメリットの方が大きい」と指摘していた。そして今年の「ITMAアジア+CITME2012」でも村田機械がボルテックスⅢ870、リーターがJ20をアジア市場で初披露。最高紡出速度はボルテックスⅢ870が毎分500メートル、J20が毎分450メートルとなる。

 さらに中国の華方科技がボルテックス式精紡機「HFW80」を実機出展し、ボルテックス式精紡機に参入した。最高紡出速度はカタログ上では毎分450メートル。ただ、実機を見た村田機械のある技術者は「当社の旧式機のコピー機だろう。部品形状が全く同じだ。ただ、金型は独自に作成しているようだ」と話す。性能に関しても「現時点では操業可能なレベルに達していない。カタログスペックも信憑性に乏しい」と指摘する。

 それでもリーターに続き、中国メーカーさえもがボルテックス式精紡に参入したことで、リング精紡、OE式精紡に続いてボルテックス式精紡の本格的普及が始まったというのが村田機械の見解だ。