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JIAM 2012 OSAKA特集/注目の「ささやく看板」―サウンドサイネージ―(5-323)

2012年09月14日(金曜日) 午前12時5分

 耳元でささやくように聞こえる音響看板が今秋登場する。ヤマハが開発した厚さ1・5㍉の超薄型指向性スピーカー「TLFスピーカー」と、ダイワボウグループで重布や帆布の染色加工・販売を行うカンボウプラスが提携。カンボウプラスとともに、販売にダイワボウ情報システムも加わるほか、デザイン制作などをディーアイエスアートワークスが手掛ける。今夏の大型展示商談会やスポーツイベントで試用され、好評を博している。

スポーツイベントなどで好評/カンボウ、ヤマハを採用

 カンボウプラスがサインビジネスのスタートを切ったのは約20年前。インクジェットプリンターによるサイン出力が増えだしたころだ。中村信治常務は「初めはインクジェットプリンター用のシートの開発、販売から始まった。その後、バックリットなどの光の要素が加わり、シートだけでなく照明やフレームなども扱うようになり、今はLEDの販売も手掛けている。さらに現在は映像も増え、最新のサウンドサイネージで音が加わった」と語る。サイン業界の進化とともに同社自身も商品開発を加速させ、新たな道を切り開いてきた形だ。

 新型音響看板「サウンドサイネージ」は昨年、ヤマハが発表。超薄型の平面スピーカー「TLFスピーカー」は音声を真正面に飛ばすため、人が看板の真横を通ったときだけ聞こえる。指向性は強力で、人混みでもクリアな音声を発信できる。カンボウプラスではデジタルサイネージ「宣集楽」のシリーズとしてスタンドや表面材を作成し、9月から販売を本格化させるが、スポーツイベントの会場などに設置しすでに好評を博している。先に行われたJリーグの試合では会場前に選手をプリントした同サイネージを設置。前を通ると選手がささやくという、ファンにとってはうれしいイベントの一つとなった。

店舗実験では高い効果/お試しデモキットも用意

 同スピーカーを使った店舗実験では、大型SCとGMS郊外の2店舗で2589人を対象に調査。スピーカーの視認性は平日の約7倍、売り場の視認性は1・6倍、立ち寄り効果は1・7倍に向上した。

 使用の仕方は、店舗の入口などに置く「スタンド」、通路や駅構内などの天井部に付ける「バナー」、展示場や大型会場の壁に取り付け音声ガイドなどを行う「ポスター」を提案する。

 音源はアンプのオーディオイン端子にピンで接続するだけの簡単操作。MP3プレーヤーやPC、カセットテープやラジオも接続できる。「動画を使った『デジタルサイネージ』はコンテンツ作成の技術とコストが必要だが、音源作成は比較的容易なため自由度が高い」(担当営業)。映像と組み合わせ、訴求効果をさらに高めるオプションも用意している。

 本体はターポリン、交換できる表示面にはポリエステル布を使用することで、プリント転写など表現力を増した。価格はオープンプライスだが、スタンドとスピーカー、表面材をセットにして設定する予定。効果をより多くの人に知ってもらうため、店舗やオフィスで最大7日間の「お試しデモキット」を貸出中だ。

DISが全国展開

 ダイワボウ情報システム(略称DIS、野上義博社長)も、このサウンドサイネージを販売することとなった。同社はIT関連のわが国トップディストリビューターで、北海道から沖縄まで全国津々浦々に約90もの営業拠点を持ち、「地域密着営業」で企業はもとより文教や自治体向けに根強い販売網を構築している。

 なおJIAM会期中は、5号館323の当社ダイセンとの共同ブースで、このサウンドサイネージが実演展示される。

ディーアイエスアートワークス・菊井 薫社長/「コンテンツの企画力で勝負」

 カンボウプラスと提携してデジタルサイネージのプラニング、コンテンツ制作などを担当するのが、ダイワボウ情報システムのグループ会社ディーアイエスアートワークス。菊井薫社長はサウンドサイネージの魅力について次のように語る。

      ◇

 サウンドサイネージは、新しい商材ですが仕組みが単純で、理解されやすいサイネージです。しかしそれだけに企画力を問われる商材ですが、広告宣伝に対する消費者のプロセスを示す「AIDMAの法則」に合致するのがこのサウンドサイネージといえます。

 つまり、(A)耳元に届く音で注意を引き、(I)音源を探したくなる不思議な感覚の音で関心を呼ぶ。(D)ナレーションだけでなくシズル感のある音を入れることで欲求を刺激し、(M)スピーカー表面のインパクトあるデザインで記憶させ、(A)購入への行動につなげるわけです。まさにAIDMAを実践できるサイネージといえます。

 しかも当社ならではのDTPやウェブで培った企画力で、目的に合った音とデザインを提供します。また次期ステップでは、シズル感のある音とユーザーの自前のナレーションを合成できるサービスを提供します。さらに音源にURLや画像などのデジタルデータを付加し、手持ちのスマートフォンから、Search(検索)やShare(共有)が簡単にできるシステムも企画しています。