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クールビズ特集/機能素材を支える検査機関

2013年05月23日(Thu曜日) 午後1時6分

 吸水速乾から抗菌防臭、消臭まで、機能加工はクールビズ商品に欠かせない。また、快適という面では繊維の安全性への要望も強まる。検査機関はそうした機能素材を支える。

カケン/遮熱性素材の評価も

 カケンテストセンター(カケン)はクールビズ(CB)関連の試験として、遮熱性を試験する。地球温暖化や昨今の節電要請から、遮熱性素材に注目が集まる。この遮熱性の評価方法として、「カケンレフランプ法」を開発し、すでに日本インテリアファブリックス協会、日本洋傘振興協議会がカーテンや日傘の評価方法として採用している。

 これはレフランプを用いた方法で、「熱線遮蔽性の測定方法」として特許に登録。また、自然太陽光と近似の波長分布を有する人工太陽照明灯を導入し、より実状に即した試験条件も可能になっている。

 機能性試験では吸水速乾、接触冷感など様々なCB関連の機能性を評価している。これまで東京と大阪、上海を中心に試験設備を置いていたが、「機能性試験にも短納期化が求められている」と、北陸、京都、西部(広島)検査所、一宮ラボでも対応できるよう整備を進め、国内での対応を充実させている。

 また、夏になると白いパンツが人気となる。この防透け性試験への要望も強いようだ。これは生地の裏に黒いタイルと白いタイルを置き、透ける割合を測色する試験。ユニフォーム関係の需要があったが、一般衣料での試験依頼も増えている。さらに4月に東京事業所にグローバルコミュニケーション戦略室も設け、海外対応の相談も受ける。

QTEC/抗微生物加工製品に対応

 日本繊維製品品質技術センター(QTEC)は、西部事業所で行っていた微生物試験を神戸試験センターに移設し、昨年2月から試験業務を開始した。この移設に伴い、従来は50坪であった敷地面積が約80坪(264平方メートル)へと1・5倍に拡大。微生物試験室として試験業務も広がっている。

 微生物試験室は、外部や試験従事者への安全性に配慮し、抗菌性試験、抗カビ性試験、抗ウイルス性試験を効率的かつ安全に実施するため、各試験室を個別に管理する。試験室1(抗菌)と試験室3(抗カビ)はバイオセーフティレベル2で、抗ウイルスの試験室2はさらに安全性を高めたレベル3である。

 抗菌性試験では抗菌防臭加工や制菌加工を行うほか、繊維以外のプラスチック、金属などの抗菌加工製品も扱う。SEKマークのオプション菌に追加されたモラクセラ菌にも対応、抗カビ性試験、消臭性試験も実施する。

 一方、経済産業省は繊維製品の抗ウイルス性試験方法に関する標準化(ISO化事業)を進めているが、QTECはこの抗ウイルス性試験方法の研究開発に参画している。繊維上でのウイルスの活性の変化を評価する試験方法だ。

 中国では上海総合試験センターがアゾ試験、接触冷温感など機能性試験を充実させており、抗菌性試験についても年内に対応できるという。

ボーケン/機能性試験への対応強化

 ボーケン品質評価機構は東京事業所にも機能性試験センターを開設した。新たに設けた恒温恒湿室(60平方メートル)は、一般的な繊維試験に比べより精密な制御が可能だ。

 同センターでは吸汗速乾、涼感、UVケア、吸放湿などのクールビズ関連試験から、スポーツの透湿防水、ウオームビズの吸湿発熱、制電などの機能商品の試験を行う。「東京での試験により短納期化を実現できた」という。6月27日には「季節衣料に求められる性能について」をテーマにしたセミナーも予定する。

 メーカーの機能性素材の開発は常に進化する。時には従来の評価方法では対応できず、素材特性を正しく評価できないこともある。このため、新素材に対応したボーケン法の開発を推進している。一部の規格はメーカーの評価基準にも取り入れられた。

 吸水速乾でも、従来のつり下げ法では、肌側の汗によるべとつき感の評価が難しい。このため、蒸散性(Ⅱ)試験を開発し、衣料を実際に着用した状態に近い形で試験し、汗の拡散性と乾燥速度を同時に測定する。

 また、海外規格試験室は、海外ネットワークを活用し、海外規格のモノ作りを支援する。さらに東京事業所では年内に抗菌試験室が稼働するほか、上海機能性分析センターはこの4月、繊維評価技術協議会のSEK抗菌指定検査機関となった。

ニッセンケン/安心・安全の試験が充実

 ニッセンケン品質評価センター(ニッセンケン)は、東京事業所立石ラボで視認性評価測定など防災・安全評価試験を行う一方で、抗菌防臭・制菌・抗カビ性試験や話題のモラクセラ菌試験にも対応する。この4月から抗ウイルス試験にも対応できる体制となった。こうした抗菌関係の試験は従来、大阪で行っていたが、短納期対応のため、昨年10月から立石ラボでも実施、試験依頼も増加している。

 また、ニッセンケンは国内唯一のエコテックス規格の認証機関として、安心・安全の繊維製品試験をエコテックス事業所で行う。現在、エコテックス規格100の認証製品数は359件。前年同期に比べ、約10%増加している。特定芳香族アミンなど製品の安全性問題は、厚生労働省も有害物質規制の法制化に向けて取り組んでおり、今後は消費者サイドの関心がより高まると予想される。

 エコテックス規格100の規制有害物質と規制値も更新されている。欧州規制に合わせて、溶出ニッケルは規制値がより厳格化された。またDPP(ジペンチルフタレート)やDMF(ジメチルホルムアミド)も追加され、欧州のリーチ規制などへの対応が進む。

 「認証とは別の単発試験でもニッケルや有機スズなどの溶出金属に関する試験が増加。欧州の規制値に関する問い合わせも染料・助剤メーカーから増えている」ようだ。