マーケットは世界/トルコ・ホームテキスタイル紀行(下)交易の要衝として

2013年05月24日(Fri曜日) 午後1時27分

 15~19日に開かれた、トルコ最大のホームテキスタイル国際見本市「第19回イスタンブール・ホームテキスタイル展(EVTEKS)」は、国内外50カ国・地域から約1000社が出展、海外4万人弱を含む11万8000人超が来場し、トルコのホームテキスタイル産業の健在ぶりがうかがえた。5年前にはなかった中国企業の出展も増えていた。

 デニズリからも大半の主要企業が出展している。バシャル・テキスタイルもその1社。9年前にオリジナルブランド「イッシモ ホーム」を立ち上げ、東欧や中東、日本を含む東アジアなど22カ国へ輸出。デニズリ市内の直営1店舗を含め、国内外250店舗も展開する。「今後はアジア全体への輸出拡大を図る」考えだ。

 ゾルル・テキスタイルは、卸以外に470店舗(うち329店舗は海外)を展開する「TAC(タッチ)」に加え、「リネンス」「ワレロン」の3ブランドを紹介。ワレロンは2年半前にスタートした高級ブランドで、「ラグジュアリーゾーンへの進出に際し、海外デザイナー(イタリア人)を初めて起用した」と言う。ワレロンでも日本への輸出を目指す。

 一方、タオル関連より一足先に日本市場進出を進めてきたカーテン主体のメーカーでは、温度差が出てきた。タンリベルディ、アンカ・テキスタイル、ディルハン、エニイ・テキスタイルなどは、インテリア専業メーカー向けを中心に、日本市場を順調に開拓している。

 タンリベルディは、大手GMSやインテリアチェーンも含め、日本の取引先は200社まで増えた。親日家の担当者に代わってから日本への輸出が急成長したディルハンは、「納期や品質などの約束を守ることが大切。欠反の問題も代替品を誠実にフォローし理解を得てきた」と語る。各社とも、「日本との取引では品質・納期の厳守は必須条件」と口をそろえる。

 半面、「日本は品質重視で装飾的なトルコの製品は合わない」「高級ゾーンの市場性が小さい」「防炎などの機能要求が高い」といった理由で、日本市場にさじを投げ、強みを生かしやすく、市場も大きいロシアや中国向けに舵を切る企業もある。

 トルコは、主力輸出先である欧州の経済低迷が続くなか、2010年以降、ロシアや中央アジア、日本市場に目を向けてきた。今後は、中国やインドをはじめとするアジア、アフリカ市場も加え、輸出拡大を図る。

 逆に欧州勢は、内需主導で成長するトルコへの輸出拡大の動きを見せる。また地政学的背景から、ロシアや中東・北アフリカ市場への窓口としての見方も強い。EVTEKSでもスペイン、イタリアなどがナショナルパビリオンとして出展。「ロシアや中東の来場者も多いので出展している」という声が聞かれた。

 「建国100周年の2030年、5000億ドルの輸出を目指す。その一翼を担うのがホームテキスタイル」(アリ・ババジャン副首相)と期待される、トルコのホームテキスタイル産業。輸入依存度が高いエネルギーや綿花など原料価格の上昇といった問題はあるが、高まる商品開発力と柔軟な対応力、地の利を生かし、輸出拡大にまい進する。