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カケンテストセンターのアジア戦略/グループの総合力生かす

2013年09月27日(Fri曜日) 午後1時52分

 カケンテストセンターは中国(5拠点)のほか、香港、韓国、台湾、タイ、ベトナム、インドネシアに拠点を持つ。また、グループの検品会社カケンと連携し、そのほかのアジア地域でも情報交換などを進め、新たな拠点作りを検討している。

 アジア戦略は現在、検品のカケンと合弁で開設したカケンインドネシアの事業を安定させることに注力している。インドネシア・ジャカルタに開設して約1年半。検品についてはめどがついてきたが、地元での知名度を高めながら現地での実績を積み上げ、インドネシアの国の認定取得を目指している。

 ベトナム・ホーチミンの拠点は、BVCPSとの提携による。染色堅牢度、物性、繊維鑑別、安全性試験に加え、副資材や雑貨試験なども行う。ベトナムでも縫製のアセアンシフトで検品需要は高くなっている。このため、検品のカケンが年内にベトナム検品センターを開設する計画だ。

 また、ベトナムを起点にしながら、周辺国の生産場を開拓するといった動きもある。アセアン経済共同体への期待も大きい。生産と消費の両面で候補地の調査を進める。

 タイの拠点も海外企業との提携だ。一般試験のほか、製品や副資材試験を行っている。バングラデシュには検品のカケンがバングラデシュ検品センターを昨年7月に開設した。

 アセアン地区では試験より検品の依頼が先行している。

 カケンテストセンターはそうした動きを注視しながら、検品のカケンと情報交換を重ね、グループの総合力を背景にして今後に対応していく方針だ。

検品のカケン/マーケットの変化に対応/4拠点目はベトナムに

 カケンテストセンターの検品会社カケンは、中国に9拠点を設ける。「チャイナ・プラスワンとはいえ、生産のリードタイム、デザイン性、素材のバリエーションといった点で、中国の重要性は今後も変わらない」と金木幸夫社長。中国の人件費上昇や人手不足は進行するが、日本の繊維産業にとって中国の役割は依然大きい。

 とはいえ、商品によっては、人件費や関税の面でアセアンシフトが進む。このため、同社は3拠点を設けた。昨年4月にインドネシア検品センターを開設、同年7月にはバングラデシュ検品センターを設け、今年3月にカンボジアのプノンペンにカンボジア検品センターを新設した。

 インドネシア検品センターは75人の規模で、出張所も5カ所設けている。「試験から検品まで対応し、物流加工も展開する」。バングラデシュは100人体制だが、「今年中に120~150人体制に拡大したい」と言う。検品、検針、物流加工、出張検品が業務で、アパレル商品・雑貨を扱う。

 カンボジア検品センターは60人でスタートしており、持ち込み検品が中心。アパレル商品だけでなく、アパレル雑貨にも対応。プノンペン空港から車で約15分、プノンペン市内からでは約40分に位置し、建物面積は1435平方メートルだ。

 また、第4の拠点としてベトナム検品センターを年内に設立する計画。稼働は来年になる見通しだ。検品業務に求められるのは安定的に検品し、タイムリーに報告書を出すこと。「マーケットの移動に合わせて今後もアジア展開を拡大していく」

カケンインドネシア/試験は完全日本語対応/検品は新拠点設置を検討

 カケンテストセンターと㈱カケンの合弁によるインドネシア現地法人、カケンインドネシアが順調に事業内容を拡大している。2012年4月の開業以来、現地での認知度が確実に高まりつつある。受付段階から完全日本語対応していることも検査依頼企業の安心感につながっている。

 羽生浩之社長によると試験業務は今年3月ごろから依頼が本格化した。ジャワ島全域を対象とした試験サンプル集配サービスを実施いていることも評価が高い。9月からは日本語を話すローカルスタッフ3人を増員し、試験依頼の受付から報告書の発行まで完全日本語対応するなど充実した体制も同社の特徴だ。

 「現在は日本向け商品の試験が中心だが、今後は欧米向けも増やしていく」と話す羽生社長。加えて現地でニーズが高まる形態安定性試験など機能性試験の充実にも力を入れており、新たに吸汗速乾性試験機も発注中している。

 一方、検品事業も順調に拡大しており、3月には西ジャワ州スバンに検品センターを新設し、7月から稼働を開始した。ここにきてインドネシアでも全量検品の依頼が増えていることや大口案件を受注したことで「検品事業はフル稼働が続いている」と井澤洋明副社長は話す。検品スペースがタイト化していることから、人員増強も行う予定だ。「現在、検品作業は75人体制で行っているが、早期に100人体制に拡大する」との計画だ。

 現在、インドネシアではジャカルタ近郊での人件費が急激に上昇していることから、縫製を中心とした繊維産業が中部ジャワ地方へと移転する動きを強めている。このためカケンインドネシアでも「中ジャワ州スマランなど中部ジャワ地方での検品ニーズが急速に高まってきた」。このため今後、中部ジャワ地方に新たな検品拠点を設置することも検討課題として浮上してきた。