メーカー別 繊維ニュース

新春特別企画/アンケート調査報告(6)

2014年01月06日(Mon曜日) 午後2時24分

販売先のトップは中国/米国市場開拓の動きも

 「今後の海外販売(輸出・内販)を拡大するうえで、重視する国はどこか」(重複回答可)という質問に対し、最も選択の多かったのは中国だった。続いて、米国、インドネシア、EU、タイがほぼ同数で並び、ベトナムが加わる。市場として考えた場合、人口と購買力、市場としての成長性がその基準になっていると推測される。

 クラボウは「米国・EUの購買力の回復を期待。付加価値商品のニーズが高まっている。人口増加、富裕層増加に伴い、新興国での繊維製品需要は確実に拡大する」とみる。日清紡テキスタイルは欧米輸出に注力するが、「もともと販売していた歴史があり、その商権を取り戻すため」と、円安を追い風にする。

 ユニチカは「機能性の高い差別化品中心の販売戦略方針であり、成長の著しい新興国での活用可能性のある国を重視する。また、欧州は環境、安全、安心を評価する地域で、景気も回復傾向にある。中国については、従来の生産重視型から市場重視型へシフトする」。JNCの下村洋三執行役員は、中国、インドネシア、タイ、ベトナムに注目。「経済成長+人口増+所得アップしており、繊維製品の重要市場」と答えた。

 住江織物の吉川一三社長は米国、インドネシア、タイ、インド、メキシコを重視。「日系自工メーカー向けの生産工場が稼働している」ためで、自動車産業の動きに合わせる。一方、「中国を重視。現在も取引し、今後も需要が期待できる」(蔭山・長谷川大二社長)、「中国の子会社を通し、中国内販を強化する。韓国も大手同業との包括契約締結で拡大する見通し」(西川産業)と、市場としての中国人気は依然として高い。

 商社では瀧定大阪が中国、インドネシアを重視する国と回答。「成長&成熟市場」としてとらえる。丸紅インテックスは「中国、タイ、中近東を重視。衛材関係の販売先として、日本や第三国からの輸出を増やしていく」(世一秀直社長)。帝人フロンティアは「アジア・アセアン諸国では、人口が多く購買力の比較的高い国をターゲットにする。欧米は従来通り、三国間取引を中心に重要な販売先」と位置づける。

 三井物産インターファッションは「日本の衣料市場は今後も緩やかに縮小する。従来から行っている中国内販とともに、新たに米国市場の開拓を進めていく」。伊藤忠商事は「中国は経済が調整局面にあるが、緩やかな拡大傾向は続くとみられ、今後も重要な消費市場だ。さらなる収益力向上のためには、海外展開を加速することが急務。経済成長が続き、消費市場としての発展も期待される新興国への取り組みも強化」している。

「日中韓」の経済連携を/RCEPへの期待大

 我が国はすでに対アセアンEPAなど13本のFTA/EPAを発効させ、さらにTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、日中韓、日EU、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)など広域経済圏との交渉も始まっている。「TPP、日中韓、日EU、RCEPのうち、最もプラス効果が期待できるのはどのFTA/EPAか」。この設問に対し、最も期待された経済連携は日中韓。次いでTPP、RCEP、日EUと続いた。

 日中韓と答えたのは東レ。「貿易立国の日本にとって、アジア太平洋をはじめとする各国・地域との経済連携協定を積極的に締結し、これら地域の成長を取り込んでいく必要がある。とくに日本の繊維産業にとって、現在の貿易の実態に最も即しているのが、日中韓FTAの締結」という理由だ。

 TPPを挙げた東洋紡は「東南アジア域内での商流が活発になる」と回答。三菱レイヨンも「関税撤廃よりも、規制緩和により自由化されることの効果は大きい。とくに北米や欧州の景気回復による今後の需要拡大に期待できる」(越智仁社長)とみる。

 ユニチカは「人口は世界の50%、GDP規模や貿易総額も世界の30%を占める地域の経済連携。アジアの成長市場の取り込みが可能だ。アジア展開には既存供給ネットワークを活用することができ、生産体制にもメリットは大」とRCEPを選んだ。旭化成せんいも「海外では中国・東南アジアの比率が高く、今後も拡大が予想される」とRCEPに期待する。

 商社でも瀧定大阪はRCEP。「例えばアセアンの生地を中国に売り込むとか、中国からアセアンに製品を送り込むなど、貿易等自由化に伴って、よりモノ・サービスの付加価値を最終消費者へ訴求することができる」と東アジアを重点地域にしている。

 繊維産業にとってグローバル化の進展は不可避である。FTA/EPAの活用がさらに求められていく。

アンケート回答企業一覧(五十音順)

 アイトス、明石被服興業、旭化成、旭化成インターテキスタイルズ、旭化成商事、旭化成せんい、アツギ、飯田繊工、イスト、伊藤忠商事繊維カンパニー、宇仁繊維、エスビーリビング、大阪染工、オーミケンシ、オカテックス、オンワードホールディングス、カイタック、蔭山、カジレーネ、カズマ、金井重要工業、カネカ、金子織物、川島織物セルコン、菅公学生服、京都西川、金野タオル、クラボウ、クロダルマ、桑村繊維、グンゼ、ケイテー、コーコス信岡、ゴールドウイン、小杉善、コスモテキスタイル、小林当織物、小松精練、サカイオーベックス、澤村、サンウェル、三陽商会、GSIクレオス、JNC、シキボウ、信友、島精機製作所、成願、新内外綿、スミテックス・インターナショナル、住江織物、セーレン、セロリー、双日、第一織物、ダイニック、ダイワボウホールディングス、髙島屋、瀧定大阪、タキヒヨー、辰巳織布、蝶理、ツカモトユーエス、ツバメタオル、TSIホールディングス、帝人フロンティア、デサント、東洋紡、東洋紡STC、東レ、トーア紡コーポレーション、トーソー、豊島、豊通ファッションエクスプレス、トリンプ・インターナショナル・ジャパン、トンボ、ナイガイ、ナガイレーベン、西川産業、西川リビング、ニッケ、日清紡テキスタイル、日繊商工、日鉄住金物産、日本バイリーン、ハネクトーン早川、ひかり商事、日阪製作所、広撚、フォーク、福井経編興業、藤高、ベティスミス、北髙、ボンマックス、マツイコーポレーション、マツオインターナショナル、松文産業、丸井織物、丸紅インテックス、丸紅ファッションリンク、丸ホームテキスタイル、三井物産インターファッション、三越伊勢丹ホールディングス、三菱商事ファッション、三菱レイヨン、村田機械、モリト、モリリン、ヤギ、山喜、やわらぎ、ユナイテッドアローズ、ユニチカ、ユニチカトレーディング、ルック、レナウン、ワールド、ワコール、和田哲