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2014春季総合特集/繊維・ファッション業界のIT化もお任せください DIS 7人のサムライが語る

2014年04月25日(金曜日) 午後1時56分

「地域密着営業」とは

 我が国トップクラスのITディストリビューターであるダイワボウ情報システム(野上義博社長、略称DIS)は前年度も絶好調で、好業績を上げた模様だ。コンピューターの基本OS「Windows XP」のメーカーサポートがこの4月9日に終了したための駆け込み需要などが追い風となったこともあるが、創業以来一貫して追求・実践してきた「地域密着営業」が原動力となっている。

 DISは北海道から沖縄まで、全国津々浦々に約90の営業拠点を持ち、17000社を超す地元販売店を通じてエンドユーザーにICT商品を提案している。背景には国内外メーカー930社以上のハードウェアやソフトウェア、取り扱いアイテムにして190万を超す(常時ストック3万アイテム)豊富な品ぞろえなどがある。

 DISにとって、全国各地の繊維ファッション企業も重要な取引先となっている。その30余年前の創業がダイワボウの非繊維事業開拓を由来とするだけに、繊維企業とのかかわりも深く長い。そこで今回は、繊維ファッション企業の集積が比較的多い地域の営業と営業支援部隊にご登場いただき、「地域密着、顔の見えるディストリビューター」としての活躍を語ってもらった。東から関東営業部の藤田光徳部長、この4月1日付で東北営業部長から東京営業部長に転任した小松忠重部長、東日本営業本部の黒河剛営業推進グループマネージャー。同じく1日付で東京第2支店長から中部営業部に移った谷口立晃副部長。更に西からは大阪営業部の東條実副部長、1日付で販売推進部から中四国営業部に異動した安藤茂樹副部長、西日本営業本部の坂下博之営業推進グループマネージャー。DIS「7人のサムライ」だ。

支店の再編強化で地域密着を一段と推進/西日本営業本部大阪営業部副部長兼大阪第7支店長/東條実氏

 西日本営業本部大阪営業部は今年、従来の6支店と大阪南支店の7支店体制から8支店体制に再編した。大阪営業部の取引先販売店は約2000社を数えるが、売上高比率で見ればどうしても上位の大口取引先に依存した構造だった。そこで各支店で分散して取引先をフォローすることで、小口取引先への対応を強化することを目的に再編した。また第6支店と第7支店は現時点でSIer(システムインテグレーター)向け営業を強化するため、SIer企業専属となる。

 大阪は繊維企業なども含めて中小企業が数多く存在する。当社が販売店を通じてIT機器を納入するエンドユーザーも例外ではない。前年度はマイクロソフトのOS「Windows XP」のサポート終了問題からPC販売が活況だったが、現時点ですべての企業や団体で買い替えたわけではなく、とくに中小企業はまだ入れ替えを終えていないところも少なくない。厳しい環境下にある繊維企業などは設備更新期間が長く、現在でもXPを使用している企業が多いと聞いている。

 だからこそ、たとえ小口の取引先であってもしっかりとフォローし、地域密着で取り組むことで確実に営業効果が上がる地域であると考えている。また、来年には「Windowsサーバー2003」のサポートも終了する。SIer向け営業を強化する理由のひとつだ。

 クラウドビジネスの構築、タブレットなどモバイル端末の販売の拡大も今年の課題と言える。クラウド化の流れが加速するなか、ディストリビューターとしてのクラウドビジネスモデルをどうやって構築するかが問われている。ネットワーク周辺には必ずハードが必要だけに、新しいビジネスチャンスも生まれるはずだ。モバイル端末は一昨年からかなりの数の販売が続いている。これはクラウド化と密接に関係しており、今後PC、タブレット、スマートフォンの境界線は徐々になくなっていくと予想されるだけに、この流れに対応したビジネスモデルの創出を急ぎたい。

製造業から流通・小売りまで幅広くサポート/西日本営業本部中四国営業部副部長兼広島第一支店長/安藤茂樹氏

 岡山県と広島県東部を中心とした三備地区は、ワークウエア、学生服などのユニフォームメーカーやジーンズ関連の企業など、繊維産業が広く集積している。当社は卸売りが主体で直接取引している繊維関連企業は少ないものの、二次店さんなどを介しての間接的な取引は少なくない。

 当社が広島や岡山で主催し、ICTの最新機器など紹介する「DIS Power Day」では、繊維産業に限らずエンドユーザー向けに様々な商品を紹介していくほか、2年ほど前からは卸先のパートナーと取り組みをより強めるため、各社が地元で開く単独展に協賛・出展するケースが増えている。

 これは商品が複雑化し、より高度化しているなかで、エンドユーザーに対して商品をしっかり説明して理解を広げなくてはならないと考えているためだ。例えば広島では毎年、広島産業会館(広島市)でPower Dayを開いているが、昨年は600~700人のお客様にお越しいただいた。広島県内で取引先が独自に開き、協賛する展示会を含めれば延べ3600人に来場してもらっている。

 最近では各企業間で、タブレット端末などを活用した営業スタイルが増えるなかで、関連する機器の売り上げが伸びている。一方でカタログや商取引における受発注の電子化も進んでおり、今後もますますそういった需要が出てくるはずだ。単にハードを紹介するだけではなく、ソフトも組み合わせた形で、最適な情報を提供していければと考えている。

 中四国のDISの支店や営業所は岡山や広島のほか、山口、松江、鳥取、高松、松山、高知、徳島にもあり、製造業から流通、小売りまで幅広くサポートできる体制が整っている。

 「顔が見えるディストリビューター」として、メーカーとユーザーをつなぐ機会を増やしていくとともに、各拠点でしっかりと顧客のニーズをとらえていきたい。

クラウドなど新たな市場トレンドをフォロー/西日本営業本部営業推進グループマネージャー/坂下博之氏

 営業推進グループは、サーバーストレージネットワークの技術的支援や各種プロモーション活動などを担当している。最近では、クラウド、モバイルといった市場トレンドが加速しているが、こうした市場トレンドに対するフォローも行っている。メーカーとの勉強会などを通して、そこで擦りあわせた技術的情報などを営業現場にフィードバックすることも重要だ。

 当社は様々なイベントを運営しており、大型のイベントとしては「DISわぁるど」や「ICT EXPO」がある。後者の「ICT EXPO」は大阪営業部と関西営業部合同で毎年2月と7月に大阪市内のホテルで開催している。ビジネス用のハードとソフトの実際を見て体験できる機会として好評を博しており、毎回1000人以上の来場があり、当然繊維企業からのお客様も多い。次回の7月展では「モバイル」「クラウド」をキーワードに各メーカーに出展してもらう予定だ。

 一方、小型イベントとしては月2回のペースで開催している「ハンズオンセミナー」がある。これは実際にIT機器やソフトの設定を担当する取引先企業のエンジニア対象のイベントであり、実機を使った機器ソフトの説明会に位置づけられる。これらのイベントで、パートナーである取引先販売店を支援する。また当社の電子商取引システム「ⅰDATEN(韋駄天)」を通じたプロモーションも重要で、例えば動画掲載から案件を発掘することも当営業推進グループの大きな役割となっている。

 今期はサービス&サポートの強化をグループの方針に掲げており、エンジニアも増員した。取引先からのニーズは各種様々ある。今期はとりわけSIer向け提案の幅を広げる方針だ。

 また、クラウドやモバイルへの対応も重要な課題といえる。こうした潮流は総じて追い風と言えよう。例えばSIMフリーのスマートフォンなど新しいビジネスチャンスが出てきている。

変化する繊維産業、ICT分野でそのお手伝いを/西日本営業本部中部営業部副部長兼名古屋第2支店長/谷口立晃氏

 中部地区は何と言っても自動車産業の中心拠点だけに、当営業部のビジネスのウエートも自動車産業向けが高いのは事実。しかしその一方で新しい分野の開拓も不可欠であり、その一つとして繊維産業にも期待している。

 中部営業部の管轄内には、世界的にも注目度の高い合繊織物産地の北陸3県、日本最大の毛織物産地の尾州、そして長い歴史を持つ綿織物産地の三河、知多、三州、遠州などが含まれる。北陸産地は他国にはまねのできない技術を生かし、輸出拡大にも意欲的だ。尾州産地は、イタリアと並ぶ高級毛織物の産地として、存在感を維持している。三河、知多、三州、遠州などの綿織物産地では、従来とは違うモノ作り、売り方で活路を拓こうと挑戦する動きがある。これら産地の発展に寄与できれば幸いだ。もちろん名古屋を中心としたアパレルや物流企業も重要なお客様と位置付けている。

 ところで当営業部傘下の名古屋支店の事務所の東隣に瀧定名古屋さん、西隣に豊島さんがそれぞれ本社を置かれている。中部圏を代表する大手専門商社の間に事務所を構えることができたのも、何かの縁と言えよう。

 私事で恐縮だが、私の実家は京友禅を営んでおり父で3代目だ。幼いころから父のモノ作りを見てきたこともあって、繊維産業には愛着がある。その父も現在は京友禅でタペストリーや額、屏風などを作っている。着物需要の減少に対応して変化したわけだ。日本の繊維産業も同様に変化しているはずだし、これからも変化するだろう。その変化をお手伝いしたいと考えている。

 日本の繊維企業の多くは、海外生産に力を入れていると聞く。クラウドコンピューティングは、そのような企業にとって特に有効なのではないだろうか。またWEB会議システムの重要性も高まるだろう。このシステムも進化しており、たとえば生地の質感をも画面上に表現できる水準に達している。これら技術が、新たな展開を可能にするはずだ。こういった面でもお役に立ちたい。

地域だからこそできることで文教市場など開拓/東日本営業本部中央東京営業部長兼関東営業部長/藤田光徳氏

 当社は4月からエリアを見直し再編した。とくに東京は従来と比べより販売店に近い、最寄りの営業拠点からお伺いする形で地域密着性を高めている。

 東京以外の地域では販売店の先のエンドユーザーは学校や官公庁が大きな比率を占めるが、東京はやはり民間企業が圧倒的に多い。ありとあらゆる業種の大手から中小企業までがひしめくように集まっている。当然、繊維企業との取引も少なくない。

 その分、販売店間はもとより、私達ディストリビューター間の競争も激しい。とはいえ、不毛な価格競争に陥ることは厳しく戒めている。

 大手のエンドユーザーが多いのは確かだが、だからといって大手の販売店だけがビジネスに強いとは限らない。実際にそれなりの規模でも特定の分野では圧倒的に評価されているような販売店も多数存在している。

 地域に密着し訪問活動を絶やさずに行い、その販売店がどういう分野で生計を立てているかをしっかり見極める。販売店が依って立つ業界の流れを知り、販売店にとってもメリットのある提案活動を進めていくことを心掛けている。

 また、購入商品が決まった後のフォローはもちろんのことだが、エンドユーザーが「なぜ、その商品を欲しいと思ったのか」――その商品を購入した理由、背景まで分析を深めることで、エンドユーザーの新たなニーズが見えてくることがある。そういう活動を地道に続け、販売店が今後の活動のヒントになるような情報を提供したい。

 セミナーや展示会でも販売店にとって“オンリーワン”のディストリビューターとなるような仕掛けを考えていきたい。そういった様々な施策についてスピード感を高めて実行していくことが、最も重要なポイントだと考えている。

 ちなみにDISでは現在、東京都下を東京営業部、東東京営業部、西東京営業部、南東京営業部、中央東京営業部と5営業部体制で固め、「地域密着」「顔の見えるディストリビューター」として日々取り組んでいる。

営業チームの〝最後の砦〟として日々サポート/東日本営業本部営業推進グループマネージャー/黒河剛氏

 東京以外の地域の場合、当社のお客様である販売店の先にいるエンドユーザーは、学校や自治体などの官公庁が大きな比率を占める。地域に民間企業の大きな工場があっても、調達は東京にある本社の購買担当でという場合がほとんどである。

 学校関係の場合は、必ずしもOA機器を扱っている企業が販売店になっているとは限らないので注意が必要である。文房具などの備品を納入している地元の企業や教科書や学校制服などを販売している企業が、学校で使うパソコンの有力な販売店であることも少なくない。それだけに各販売店と学校のそれまでの取引関係など、地域の歴史や背景をしっかりと調べて、取り組み先を決めることが重要になる。

 もっとも展示会やセミナーで新商品の性能や使い勝手を見てもらう活動は、東京でも周辺地域でも変わるところはない。学校の場合はすでにパソコンを導入しているケースは多いわけだから、タブレット端末を使った授業の進め方などの先進事例を、模擬教室を使って再現することが多い。

 販売店の方にはいま、学校でどういうことが求められているのかをイメージしやすい形で理解してもらうことに主眼をおいている。ハードの紹介だけではなく、ソフトの使い方も含めて提案するように心掛けている。

 逆に学校からは全国での事例を知りたいという要望が多い。その点ではDISは全国各地に営業拠点を持っているため、様々な情報が集まってくる優位性を持つ。

 それらの情報を活用して販売店をサポートしている。また当社は、普通教室におけるICT活用実証研究「DIS School Innovation Project」も実施しており、そういった研究の成果が貴重な情報になっている。

取引先販売店と二人三脚でエンドユーザー開拓/東日本営業本部東京営業部長/小松忠重氏

 営業推進グループの役割のひとつとして、Windows XPのサポート期限切れ問題のように、すべての営業チームに関わる大きな問題について、メーカーとコラボレーションしながらプロモーションを展開し、各地の営業チームを支援している。XP問題では昨年の2月ごろから販売店向けのセミナーなどを活発に開催したことが、下期の大きなビジネスにつながったと感じている。

 サーバーOSの「Windows Server 2003」でも2015年7月に、同じようなサポートの期限切れ問題が発生する。サーバーのリプレースはクライアントPCに比べて時間がかかるため、すでに今年の2月から来年7月に向けたアプローチを開始した。

 またネットワークシステムの構築のような、専門的ないくつかの事例については、専任の担当者を置いている。そのため営業チームだけで対応しきれない専門的な案件については、私達が同行して営業チームをサポートしている。

 サービス&サポートの部分については、当社の関連会社ディーアイエステクノサービスとしっかり連携し、対応している。

 今期の大きなテーマは「クラウド」と「モバイルデバイス」と考えている。クラウドでは「Microsoft Office」のクラウドサービス「Microsoft Office 365」をマイクロソフトと協力してプロモートすることが一つのテーマだ。

 モバイルデバイスでは、ビジネスの現場での具体的利用シーンを想定した、タブレット端末やスマートフォンなどの活用方法の提案が大きなテーマになる。営業チームが単独ではできないことをメーカーと協力しながらプロモートして、営業チームが自信を持ってお客様の前に顔を出せるように、“最後の砦”として支えたいと考えている。