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2014春季総合特集Ⅴ/日本的価値〟支える繊維機械/国内も設備投資が活発化 上海からからミラノへ

2014年04月25日(Fri曜日) 午後3時31分

 日本の繊維企業の“日本的価値創造”に欠かせないのが最新の繊維機械だ。世界的に日本製繊維機械の販売が活況を呈する理由が、そこにある。日本国内でも行政の支援もあって2013年から久々に設備投資の動きが活発化した。欧州メーカーにとっても日本市場の重要性は変わらない。日本のユーザーからのフィードバックは、他の国のユーザーと比較して圧倒的だからだ。ある意味、欧州メーカーの技術開発さえ、“日本的価値創造”の具体化と言う側面がある。

 2013年は日本の繊維機械メーカーにとって大きな成果を上げた年だった。日本繊維機械協会のまとめによると2013年の全国繊維機械生産は2300億円(前年比42・3%増)輸出が2500億円(33・5%増)と大幅に増加した。一昨年までの異常な円高が是正されたことで再び日本からの繊維機械輸出が息を吹き返した。

 日本の繊維機械が海外で評価される理由の一つが、高い省エネ性能だ。商社によると「新興国は恒常的な電力不足に悩まされており、工場の使用電力が制限されている。従って単位エネルギー当たりの生産性が、その企業の売上高に直結する」という。このため、例えば豊田自動織機のリング精紡機などは、パキスタンなど電力不足に悩む国の企業から圧倒的な支持を受けている。

 日本製繊維機械が高付加価値のモノ作りに威力を発揮する点も見逃せない。

 例えば第一紡績は早くから村田機械の渦流精紡機「MJS」や「ボルテックス」を積極的に導入してきたが、これを活用して生産する綿糸「タフコット」がロングセラーとなった。毛羽の少なさによる風合いの耐久性が好評の要因だ。シキボウも最近ではボルテックスによる紡績糸を「STS」として積極的に打ち出す。

 こうした動きは海外でも同様だ。中国綿紡織行業協会はこのほど2013年の綿紡織企業競争力ランキングを発表したが、労働生産率と従業員1人当たりの利税額の両部門でトップになった浙江天長紡織は、ボルテックス精紡機54台を備えており、従業員100人余でレーヨン糸、ポリエステル・レーヨン混糸などを生産しているという。まさに日本の繊維機械がユーザーにとって利益を生み出す源泉となっている。

 海外で日本製繊維機械の活況が続いた2013年だが、14年はやや不透明感が漂う。最大需要国である中国の景気が不安定だからだ。“シャドーバンク問題”に象徴されるように中国のバブル経済に対する不安が増すなか、当局も金融引き締めの傾向を強めた。すでに地方の中小企業などでは社債のデフォルトが発生しており、中国企業の資金調達力に陰りが見える。それは設備投資の鈍化に直結する。実際に繊維機械メーカー関係者も「5月までは順調に販売できるだろうが、6月以降は全く読めない」と打ち明けた。

 海外需要が不安定化するなか、期待が寄せられているのが国内需要だ。13年後半から政府の補助金の効果もあり、国内産地の一部では新規の設備投資が相次いだ。生産が堅調な今治や泉州といったタオル産地では、電子ジャカードや織機の更新も相次ぐ。保有するジャカードや織機が更新時期に差し掛かっていることも追い風となる。

 国内で設備更新が進むもう一つの理由が、深刻な電力料金高騰だ。原発事故以降、国内の電力料金は上昇する一方。このためエネルギー効率の悪い老朽設備を稼働していては、収益が望めなくなっている。実際に泉州や今治産地では省エネ性が向上した津田駒工業や豊田自動織機の新型織機を導入する動きが相次ぐ。先ごろ今治産地のタオルメーカー、杉野綿業で豊田自動織機が新型エアジェット織機「JAT810」を紹介する内覧会を開き、活況だったことも機業の関心の高さをうかがわせる。こうした動きは欧州メーカーの日本法人にとっても無視できない。ストーブリも内覧会に共同参加し、最新鋭の電子ジャカード「SX」などを紹介するなど日本市場での拡販に力が入る。

 今年1月には産業競争力強化法の施行によって生産性向上設備投資促進税制も始まった。税制優遇措置を追い風に、国内での設備投資が一段と活気づく可能性がある。

 2014年は、繊維機械メーカーにとって重要な年となる。今年6月には中国・上海で国際繊維機械見本市「ITMAアジア」が開かれる。そして15年11月には、4年に一度の国際繊維機械見本市「ITMA2015」がイタリア・ミラノで開催される。上海からミラノへの道が始まった。

 ITMA2015の開催を1年後に控えることから、今年6月のITMAアジアは、その前哨戦としての意味合いを秘める。日本、そして欧州の繊維機械メーカーはITMA2015をターゲットに最新技術の開発を進めているが、今回のITMAアジアでは、その一端を見ることができるかもしれない。実際に津田駒工業やストーブリはITMAアジアで従来にない最新の製織ソリューションを披露する予定だ。

 ストーブリや伊藤忠システックは、ITMAアジア視察ツアーも実施する。展示会場だけでなく中国の繊維産地の視察なども用意されており、日本の機械ユーザーが世界の繊維産業の現状を実際に見て確認できる良い機会となるだろう。

島精機製作所/Dデザインシステムで無駄のないモノ作り支援

 島精機製作所は、オールインワンの3Dデザインシステム「SDS―ONE APEX3」で日本ファッション業界の無駄のないモノ作りを支援する。

 SDS―ONE APEX3は、企画・デザインから生産・販売までのファッション関連のモノ作り全般をサポートする。

 新機能の「リアルタイム3Dビュー」は、柄や生地デザインを変更しながら、最終製品の仕上がりイメージをモニター上の3Dモデルでリアルタイムに確認することができる。

 織物や丸編み、横編み、パイル関連などのバーチャルシミュレーション、配色検討およびプリントデザインの作成も行える。企画プロセスを改善し、サンプリングのコスト・時間・材料の無駄を省くバーチャルサンプルを提案する。

 クイックで無駄のないモノ作りの実現で、サンプル費用の削減を促すほか、プレゼンテーション力の強化にもつながる。最新バージョンのソフトで、顧客ニーズに合った最適なソリューションを提供する。