ベトナムのデモ暴動日系企業は操業再開/平常化は今週以降に

2014年05月19日(Mon曜日) 午後1時12分

 【ホーチミン=秋利美記雄通信員】中国による南シナ海での石油掘削をめぐって、首都ハノイ市やホーチミン市内などで連日のように市民の抗議活動が続くなか、デモが暴動化する事件が発生した。

 ベトナム東南部ビンズーン省にあるベトナム・シンガポール工業団地(VSIP)では12日夜から13日にかけて工業団地の労働者らが参加し、中国系企業の前で抗議デモを行った。13日、同工業団地内にあるトンズン製靴(100%台湾出資会社)の労働者約8000人が、南シナ海でのベトナムの主権を訴え、デモやストライキ活動を開始し、同工業団地の他の工場労働者らもこれに加わった。デモが拡大するなか、一部のデモ参加者が暴徒化し、投石や放火などの過激な破壊行為や略奪行為に発展した。ビンズーン省は、ホーチミン市北部に隣接した省で、多くの工業団地に生産工場が立ち並んでいる。

 標的になったのは中国系企業だが、台湾、日本、韓国の企業も一部巻き添えとなっている。破壊行為を伴う反中抗議活動はVSIPのみにとどまらず、同省ソンタン第1工業団地やミーフック第1工業団地、ベトフン工業団地、キムフイ工業団地や東南部ビンフック省のミンフン工業団地、ホーチミン市のリンチュン工業団地とタンタオ工業団地でも発生した。放火された企業は20社近くに上る。

 労働者らによるデモ行進は当初穏やかに行われていたが、外部の扇動者により破壊や略奪が始まったという。ビンズーン省では14日、デモに参加した約600人が逮捕された。

 15日にはデモはおおむね沈静化し、日系企業などは操業を再開したが、台湾企業を含む中華系企業は操業再開に慎重である。

 ビンズーン省ソンタン第1工業団地内にある検品会社ベトナムGFの茂崎正和代表は16日、「(同社は)15日から正常に戻っているが、周囲は(16日でも)まだ休業中のところも多い。今週いっぱいは様子を見て、来週から再開するところが多いだろう。取引のある中華系・台湾系工場で実害のあったところが4社あると聞いている。仕事に影響が出てくるのは、今後のことだろう」と話した。