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特集/快適と繊維素材・加工/快適機能に取り組む検査機関

2014年05月23日(Fri曜日) 午後4時42分

 人間にとって快適性とは何か。クールビズ対応にみられるように素材には様々な機能性がある。そうした素材を試験し、評価するのが検査機関だ。

カケン/遮熱性試験などに対応

 カケンテストセンター(カケン)は遮熱性試験を行う。「東日本大震災以降、遮熱性の評価についての需要が拡大している」ようだ。遮光カーテンや帽子の生地、炎天下で着る作業服などの遮熱性を試験するため、熱源に対して試料を透過する熱エネルギーを、サーモカメラや熱電対温度センサーで測定する。日本インテリアファブリックス協会(NIF)の遮熱マークなどの試験方法はカケンレフランプ法によるものだ。

 機能性試験では定番的な吸水速乾試験の精度を高め、短納期化のため試験拠点を拡大してきた。間もなく国内7拠点、海外6拠点(香港、上海、青島、無錫、寧波、インドネシア)での体制となる。

 「機能性試験は温湿度の微小な差が結果に影響を及ぼす。試験データのばらつきを最少にしながら拠点を拡大」している。接触冷温感試験も現在、7拠点に広げた。

 エイズや肝炎ウイルスなどから身を守る防護衣料。医療現場では欠かせない衣料品だが、こうしたバリア性を評価する装置を導入し、試験実施の準備を整えている。また、マスク材料のバクテリア捕集効率試験、ウイルス捕集効率試験にも対応する。バクテリアバリア性(BFE)の測定機関として10数年の実績があり、全国マスク工業会の推奨試験機関でもある。花粉やPM2・5もあり、試験依頼は増加している。

ボーケン/機能性試験を強化

 「メーカー各社からの春夏商品の涼感や通気性を中心とした快適性評価依頼は、年々増加している」というボーケン品質評価機構(ボーケン)は、機能性試験センターを強化している。

 吸水速乾、接触冷感などの機能性試験は東京、大阪、名古屋、上海の4カ所で対応する。「こうした機能性試験は一般試験化しており、納期とスピードも求められるため、順次広げていく」考えだ。また、国内の機能性市場もISOなど海外規格を導入していくと予想されるため、海外R&A室を開設して情報を収集、ニーズに合わせて新たな試験方法の導入も図る。

 非繊維分野でも3月に繊維系検査機関として国内初の食品衛生法の登録検査機関となった。合成樹脂の容器包装、玩具などの試験も行う。自動車や電気産業など他産業分野への取り組みも進め、化学分析分野ではアゾ染料をはじめ規制物質・有害化学物質にも対応する。

 また、国内のアパレルや製造現場では技術者が少なくなっている。このため、製造時の注意点、改善方法、クレーム事例紹介など公募型各種セミナーや出張セミナーを実施。東京・大阪では少人数制で毎週アパレル塾を開く。東京だけで昨年4月以来、110社970人が受講している。抗菌試験への対応も拡大。東京、大阪、上海の3拠点で試験し、上海はSEK抗菌指定検査機関となった。

ニッセンケン/高視認性衣服の試験を

 ニッセンケン品質評価センター(ニッセンケン)の防災・安全評価グループは2012年10月に設置され、再帰性反射性能の測定などを行うとともに、高視認性衣服のJIS化に取り組んでいる。工事現場などの作業者が着用している蛍光色や反射材を取り付けた目立つ衣服を高視認性衣服という。車両事故から作業者を守るため、欧州では1994年にEN471(高視認性安全作業服)、米国でもANSI107(高視認性安全服)として規格化された。

 2013年3月にはISO20471(高視認性衣服)が発行され、日本でもJIS化に向けて今年1月に第1回の原案作成委員会が開かれた。ニッセンケンはISO20471の翻訳メンバーで、原案作成にも取り組んでいる。高視認性衣服がJIS化されるのは来年度後半くらいの見通しである。

 欧州では道路の作業従事者の高視認性衣服着用が法律で義務付けられており、ドイツやフランスでは一般人でも高速道路を走る場合は高視認性衣服の車載が必要である。日本でもJIS化されれば、作業服の安全性問題が浮上。夜間のジョギング、老人衣料や学童服の高視認性も求められそうだ。

 安全という面ではニッセンケンはエコテックス規格認証機関でもあり、現在370の認証を行う。芳香族アミン試験は東京、大阪のほか、中国の3事業所とジャカルタでも可能な体制を敷いている。

QTEC/上海で抗菌、消臭試験も

 日本繊維製品品質技術センター(QTEC)の上海総合試験センターは、抗菌性試験と消臭試験を開始した。抗菌性試験は抗菌防臭加工、制菌加工で、消臭試験は汗臭、加齢臭などだ。また、接触冷温感試験機を導入し、接触冷温感や保温性、熱伝導率の測定を実施。特定芳香族アミン類24物質の分析試験も可能であり、顧客の納期短縮ニーズに応える。

 抗菌試験は日本の神戸試験センターで行うほか、バンコク試験センターでも対応、アセアン地区での体制も整ってきた。3月にタイ国繊維試験所(THTI)と繊維製品試験業務のための技術協力・支援の提携を締結。このバンコク試験センターはTHTIとの協力関係で開設された。ベトナム、カンボジア、ミャンマーの情報収集、調査なども行っていく

 深試験センターは2007年に設立、アパレル製品の一般試験のほか、生活用品(靴、傘、かばん)試験も行う。「店頭での服飾雑貨需要の増加に伴い雑貨の試験依頼が増加」。スーツケースの落下試験のため、8階の試験室だけでなく、地下階にも試験室を増設した。同センターは日本人の検査員を配置し、縫製工場・検品工場での検品指導業務や出張抜き取り検査も実施。生活用品の試験は日本の東京総合試験センター生活用品ラボ、上海総合試験センターでも対応する。