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環境商材の評価試験を行う検査機関

2014年06月10日(Tue曜日) 午後5時53分

 環境商材は多種多様だ。クールビズ(CB)のような機能性商品があれば、住環境ではVOC(揮発性有機化合物)によるシックハウス問題、国民病とも言える花粉症や大陸からのPM2.5飛来も脅威である。検査機関はこうした環境商材の評価試験を行っている。

カケン/生活環境の試験を実施

 カケンテストセンター(カケン)は変化する生活環境の試験も実施する。花粉粒子の捕集ろ過効率試験、BFE(細菌ろ過効率)試験などマスクに使用するフィルター材の捕集ろ過性能を試験する。花粉粒子は直径30、細菌は3だが、さらにPM2・5など微小な粒子に対するバリア性能の要望も増えたため、0・1も可能なPFE(微小粒子捕集効率)試験装置を開発・導入した。

 導入した装置は、ASTMF2299「医療用フェイスマスク素材の、ポリスチレンラテックス球による初期捕集効率試験方法」に規定される仕様に基づく。粒径は0・1~5の中から任意に選択できる。

 また、環境騒音対策で吸音性・遮音性試験も行う。防音には、音を反響させない吸音性と、音を遮断する遮音性の2つの機能がある。この試験は残響室や無響室といった専用施設で行うことが多いものの、カケンは大がかりな専用施設を使用することなく、材料レベルで吸音性、遮音性の試験が可能となる装置を導入した。遮音カーテンなどに対応する。

 生活関連では電磁波シールドもある。高周波数帯域の電磁波を遮へいする機能で、繊維表面を銀などでコーティングしたものや導電性繊維が用いられる。試験はシールドボックス内で電磁波を発信し、試料を通過する電界や磁界を調べる。

 衣料を含め省エネ型商品は市場で定着した。ボーケン品質評価機構(ボーケン)はこうしたCB、ウオームビズ商品の吸汗速乾、接触冷温感などの機能評価を行うため、東京、大阪、上海に機能性試験センターを設置している。この3拠点では抗菌試験室も併設しており、夏場の汗臭や梅雨時の部屋干し臭の原因となるモラクセラ菌などにも対応する。

 また、環境配慮型製品評価(有害物質試験)にも注力。日本では特定芳香族アミンが問題視されるが、欧米は日本以上に特定有害物質への規制が厳しい。欧州のリーチ規制(欧州化学品規制)やRoHS指令(重金属の使用制限)などがあり、グローバルに展開する企業ほど対応が進んでいる。

ボーケン/安全性確保に取り組む

 ボーケンは東京、大阪にある化学分析センターで特定有害物質の試験を行い、非含有証明などを実施する。この3月には繊維系検査機関として初めて、食品衛生法の認定検査機関となった。有害物質測定の高い技術が認められた証しといえる。

 こうした試験体制だけでなく、東京には製品の総合的評価を技術サポートする専属チームを設置。各種セミナーを通じた教育支援活動も行う。昨年11月に経済産業省の「2013製品安全対策優良企業表彰 特別賞」を受賞した。ボーケン展示会などを通じて、業界の製品への安全性確保の向上を支援する取り組みが評価されている。

QTEC/様々な機能性評価を

 日本繊維製品品質技術センター(QTEC)は、クールビズ関連の機能性試験から花粉症、VOC(揮発性有機化合物)、さらに抗ウイルス試験なども行う。福井試験センターはカーテンなどリビング関連の遮光・遮熱の特殊試験を実施。また、防炎関連の燃焼試験にも対応し、消防庁から防炎ラベル表示の登録確認機関として認められている。

 花粉症対策では、メーカーが衣服に花粉が付着しにくく、落ちやすい生地の開発を進める。この花粉リリース性試験(QTEC法)を開発し、その性能を評価する。

 建材などから放出されるVOCによるシックハウスの発症問題。VOCは建材や合板のほか、カーテンやタイルカーペット、アパレル製品のプリントから発生する場合もある。QTECでは、JIS A1901によるVOCとホルムアルデヒド、カルボニル化合物の放散量を測定する。さらにHBCD(ヘキサブロモシクロドデカン)の分析試験に対応する。

 神戸の微生物試験室では抗菌性・抗ウイルス性の各種試験を実施する。繊維製品の抗菌性試験、光触媒機能性(防汚、消臭、抗菌性)試験、抗かび性試験や消臭性試験を行う。また、QTECが国、繊維評価技術協議会と取り組んでいる抗ウイルス性試験のISO化は審査も最終段階に入っており、今年度中に発行される見通しだ。

ニッセンケン/「より良い衣生活」を

 ニッセンケン品質評価センター(ニッセンケン)がエコテックス国際共同体の日本唯一の窓口として加盟し、エコテックス事業を開始したのが2000年。エコテックス規格認証機関として現在、370を超える認証を行っている。きょう(10日)から消費者向けエコテックスの専用ホームページ「いろはでエコテックス~1からわかるエコテックス教室」(http://irohade-oekotex.jp)を立ち上げ、消費者への啓もうを図る新たなステージに入った。

 エコテックス規格とは、衣料品からタオル、雑貨、副資材まで「有害な物質は入っていません。安全です」と証明するもので、安全基準をクリアすれば、「エコテックスラベル」を付けることができる。150を超える有害物質をニッセンケンが試験し、合格した製品に認証書を発行してきた。

 今年1月にはエコテックス事業所公式キャラクターとして「エコダックス」が登場。「エコテックスを一般消費者により親しみやすくするため、犬のキャラクターを作り、エコテックスの紹介を行う」活動を開始した。2月には消費生活アドバイザー・コンサルタント協会(NACS)が同所を来訪し、試験設備などを見学、意見交換も行った。今回の専用ホームページでもエコダックスがエコテックスを分かりやすく説明し、より良い衣生活に向けた啓もう活動を推進中だ。