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スマイリーアース「真面綿」の挑戦/本物のタオルを消費者に

2014年07月04日(Fri曜日) 午後1時57分

 アフリカ・ウガンダのオーガニックコットンを使い、環境に配慮したタオルなど綿製品を追求しているスマイリーアース。2013年に自社ブランド「真面綿(まじめん)」を立ち上げた。綿花栽培から自社での製織と晒し加工まで徹底してこだわり抜いた商品は、ジワジワと認知度を高めている。環境に配慮したモノ作りに“真面目にコツコツ”取り組むスマイリーアースと「真面綿」の挑戦が始まった。

<ウガンダと消費者をつなぐ>

 スマイリーアースのモノ作りの最大の特徴が“アフリカと向き合ったモノ作り”だ。ウガンダの農家と一緒になってオーガニックコットンを作り、それを日本に届ける。ウガンダの農家と日本の消費者をつなげる役割を果たそうとしている。

 「原料や土に対して正直に向き合いたい。土を大切にすることが、命を大切にすることにつながるのだから」――スマイリーアースの奥龍将氏は強調する。同社はウガンダオーガニックコットンにこだわることでウガンダの雇用創出や社会発展に貢献しようという大きな目標も掲げている。本当の意味でのフェアトレードを実行するためには、綿花を買い付ける奥氏自身が、農家と一緒になって綿花栽培に取り組まなければならないという考えだ。

 このため奥氏はウガンダを度々訪問し、農家と一緒になって綿花栽培に取り組み、ジニング工場のスタッフと一緒に汗を流して品質向上のための指導も行っている。昨年は経済産業省委託事業「2013年度国際即戦力育成インターンシップ」に採用された。現在、スマイリーアースは国内の大正紡績のほか現地紡織企業であるフェニックス社からウガンダ産オーガニック綿糸を調達しているが、フェニックス社の設備高度化のために現地に長期滞在し、設備改造などを行った。

 その後も奥氏は定期的にウガンダに足を運んでいる。オーガニックコットンは、天候など自然環境によって品質は大きな影響を受ける。安定した品質のオーガニック綿花を確保するためには、通常の綿花以上に細やかな対応が必要になる。やはり現地に足を運び、農家と一緒になって土にまみえることが欠かせない。

 「地球に対して正面から向き合ったモノ作りをしたい」という奥氏。“あたりまえの”そして“本物”のオーガニックコットン製品をウガンダの大地から日本の消費者へと届けることがスマイリーアースの思いと言えるだろう。

 スマイリーアースは、オーガニックコットンにとことんこだわったモノ作りを目指して2008年に泉州タオル産地の中心である大阪府泉佐野市に設立された。オーガニックコットンの良さを最大限発揮するために、同社が生産するタオルやストールは、ウガンダ・オーガニックコットンの糸を低速レピア織機で糊剤を使わずに丁寧に織り上げ、用途・アイテムに応じて最高の風合いや機能に仕上げている。さらにモノ作りへのこだわりを象徴するのが、自家製シアバター石鹸によるシアバター精練だ。

<独自のシアバター精練>

 シアバター精練は、ウガンダに自生するシアナツメの種子から取る天然オイル「シアバター」を原料とした石鹸を使った精練方法。スマイリーアースの奥竜一常務が長年の研究を経て開発した天然由来の精練方法だ。通常、タオルなど綿製品の精練加工にはカセイソーダなど化学薬品を使用するが、天然原料を使ったシアバター石鹸を使うことで、綿に対する低ストレスの精練が可能になる。このためコットンへのダメージを最小限に抑え、豊かな風合いを出すことが可能だ。シアバター精練は特許も取得している。

 さらに使用する水も工業用水は使わず、井戸水を使用する。工業用水に含まれる塩素がコットンにダメージを与えるからだ。徹底した“自然派”のモノ作りを行う工場である「真面綿工房」ではオーガニックコットン糸のみの使用規定と、産業廃棄物ゼロ化を掲げ太陽光発電を設置し、今年から発電をスタートした。工房で使用するほぼすべてに相当する量を発電している。

 こうしたこだわりのモノ作りを消費者に直接届けるブランドとして、2013年に「真面綿」は誕生した。「真面目にコツコツ取り組んできた製品であり、“メードイン・ジャパン”を前面に打ち出すためにもあえて漢字ネーミングとした」とスマイリーアースの奥龍将氏は話す。同年6月に横浜で開催された「アフリカン・フェア2013」に参加し、これに合わせてネット販売をスタートさせた。

 現在はネット販売に加えて、催事での販売も行っている。アイテムも当初のタオルだけでなく、タオルケットやベッドシーツ、ストール、ベビー用品にまで広げ、シアバター石鹸の販売も行っている。ネット販売では、少しずつだが固定ファンも増えており、販売数量が伸びている。奥龍将氏は「次は実店舗での売り場を確保したい」と意気込む。有力百貨店への提案を進めている最中だ。百貨店バイヤーの関心も高く、好感触を得ているという。

 「地球に対して正面から向き合ったモノ作り、自然を感じるモノ作り、コットンの素晴らしさを追求したモノ作りをしたい」と話す奥龍将氏。スマイリーアースの熱い思いに共感する消費者が、少しずつだが確実に増えている。