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ベトナム/小売産業に見るEコマースの重要性

2015年01月09日(Fri曜日) 午後12時0分

 Eコマースは、新しいというだけでなく今や生活に欠かせないものとなっている。1990年代に急速な成長を遂げて以降、途上国では、あらゆる従来型のビジネスが、ネット・ビジネスで事業戦略を展開してきた。

 ベトナムで実店舗を構える小売業者はその多くが、販売チャネルやマーケティング・チャネルの確立といった理由から、ネット・ビジネスを大いに活用しているか、あるいは全くしていないかのどちらかである。

 ハノイ・スーパーマーケット協会のブー・ビン・フー会長はネット・ショッピングについて、購入チャネルや、商品を買ったりサービスを利用したりすることにおいて、消費者の選択肢を広げるものだと評価した。しかし、なかには悪質な業者もいるため問題視しているという。そこで同会長は、小売業者に対して、自社の製品や顧客サービスの改善を図り信頼性を高めるよう呼び掛けている。企業がその信頼性を維持し、責任感を高めることが成功の秘訣だと考えているからだ。

 またベトナム・デジタル・コミュニケーション協会のグエン・ラム・タイン会長は、人々の消費行動に言及し、国内のネット・ショッピングの取引額はベトナム小売産業の総売上高のわずか0・1~0・2%だったと述べた。この比率は、世界やアジア諸国と比較して格段に低いものだという。

 支払方法をみると売り上げの90%が代引きなどの現金払いによるもので、インターネット・バンキングやクレジット・カードでの支払いはわずか10%だった。

 販売量の面では、約40%が衣類、繊維製品、ファッション関連の製品で、残りの60%が電化製品、家庭用品、食料品となっている。

 また主な利用者は、都市部に住む22~40歳の会社員である。「disieuthi.vn」を運営するグエン・ゴック・フン社長は、都市部に住む人々は常に便利なものやモダンなライフ・スタイルを取り入れ、生活の質を上げる傾向にあると話す。

 ベトナム人は現在、スーパーマーケットへ買い物に行くと、商品を選んだり、レジに並んだり、あるいはデリバリーを待ったりするのに多くの時間を費やす。従ってネット・ショッピングはベトナム人の消費行動の価値観に合わないとの見方を示す人も多い。また多くの人はネット・ショッピングを利用することで、従来型店舗販売より商品を安く購入したいと考えている。

 ベトナム人のこうした消費理論は、世界のEコマース市場の考え方とは正反対のものである。タイン会長は、途上国には、実店舗を構えずネット・ショッピングでしか商品を販売しない一流ブランドもいくつかあると話した。

 一方でフー会長は、改善すべき点はあるが、それでもやはりEコマースの発展は必要だと話す。同時にベトナムは同分野で後れを取っているが、軌道修正を行うことで他国に追い付いて行くべきだと主張した。そして最後に、最も重要なのは国の担当機関が行動を起こして、こうした後れを食い止めることだと述べた。〔アパレルリソース・イン・インドシナ〕