Accessories トレンド創出のカギを握る

2015年03月25日(Wed曜日)

 ジーンズのトレンドが復活してきたなかで、今後もトレンドが続くかどうかは、素材や副資材の新たな開発にかかっている。幸いなことに国内には高い技術力を持った多く企業が存在する。デニムが新たな市場へ広がっていくうえでも、国内の素材、副資材メーカーが果たす役割は大きい。

日清紡テキスタイル 革新デニムの開発が加速

 日清紡テキスタイルが国内での高付加価値革新デニム開発を加速させている。その拠点が吉野川事業所(徳島県吉野川市)だ。充実したデニム製造設備に加えて、美合事業所から移管された樹脂加工機や液体アンモニア加工機などを有する。デニムの技術とシャツ地などの加工技術を融合させることで“色落ちしないデニム”「コアブルー」や、織組織研究による「Iピック」などを開発。すでにNBや欧米のプレミアムジーンズメーカーが採用に動く。

 日清紡テキスタイルは2014年にデニム製造子会社の日清デニムを吸収合併し、吉野川事業所を発足させた。同時に美合事業所から樹脂加工設備などを移設し、織物全般の研究開発・製造拠点としての機能を拡大している。

レンチング コラボ企画で可能性追求

 レンチングは先にニューヨークで開催されたデニムのサプライチェーン展「キングピン」で、インビスタとのコラボレーション企画をアピールした。これは「テンセル」と「クールマックス」の組み合わせによる複合デニム。通気性が良く、吸水速乾性が高いクールマックスと、柔らかく肌触りの良いテンセルの特徴を生かしたもので、ヨガやスポーツなど、アクティブシーンでのデニムの可能性を追求する。新しいデニムスタイルの提案と言える。同展ではトルコや中国、米国などのデニムメーカーが制作したサンプルも披露し、話題を集めた。また、レンチングとインビスタは一昨年からテンセルと「ライクラ・デュアルFX」のコラボ企画を展開しており、日本の市場でも、輸入製品がファストファッション店頭ですでに展開されている。

グンゼ・繊維資材事業部 ミシン糸も復調へ

 グンゼの繊維資材事業部から発売されているジーンズ専用ミシン糸は、ポリエステルフィラメントを芯にしてその周りを高級綿でカバーリングしたミシン糸の「コアー」商品が主力。コアーは強力で適度な伸度を持ち高速縫製での糸切れや目とびを減らした。綿糸に似た風合いを持つ。

 昨年の春夏は、ニットデニムなどが話題になったが、今シーズンはレーヨン系の生地を使ったタイプのジーニングカジュアルへの期待感もある。肉厚の綿デニムからライトなジーニングカジュアルまで、様々なタイプの商品に対応可能な各種ミシン糸をそろえる同社。生地への追従性の高いナイロン使いの太番手(30番)糸も品ぞろえする。綿ナイロンの「ナイロンコアー」は、ナイロンフィラメントを芯に、周りを高級綿でカバー。製品染めにも使えるのが特徴で、ジーンズ以外の生地、ストレッチ生地、レギンスなどへも対応できる。

 さらに高付加価値型のジーンズでの採用を想定して、綿の混率を高めた「綿リッチコアー」。綿・ポリエステル混のこの糸の商品特徴は、限りなくコットンの風合いに近づけたコアーで、ビンテージなどのハードな加工にも耐えられる。

イスコ アクティブウエア分野の開拓へ

 トルコのデニムメーカー、イスコの日本支店イスコジャパンは、アクティブウエアの分野で新しいマーケットの開拓を目指す。

 同社の国内向けのデニム販売は、ボリュームゾーンやミドルゾーンでメゾンや大手NB向けなどの需要が堅調に推移する。その一方で、イスコグループ全体では大きなビジネスになっているハイエンドゾーンの分野で、日本市場は取り組みが少ないと分析する。

 2015年のポイントはジーンニングカジュアル分野にとどまらず、デニム素材を活用できる領域を広げ、新たなマーケットを開拓していくことにある。そのターゲットとなるのがスポーツなども含めたアクティブウエアの分野だ。同社が得意とするストレッチ技術を生かすことで、幅広いアイテムに対応する素材の提供が可能だ。

 「1点の商品で市場の雰囲気は変わる」という同社。明確なコンセプトを持って積極的にアパレルと話し込み、取り組み型の提案で特徴的な企画につなげ、市場の活性化を促す。同社は4月1日から新たに、岡山県倉敷市に児島オフィスを設ける。日本ジーンズの“聖地”とも言える児島にオフィスを構えることで、産地との取り組みを一段と深めると同時に、児島オフィスから西日本をカバーすることで、従来以上に迅速な顧客対応を進める。

泉工業 縫製ラメ糸再度打ち出す

 京都金銀糸産地のラメ糸メーカー泉工業(京都府城陽市)は、ストーンウオッシュやケミカルウオッシュ、バイオ加工、ブラスト加工などのダメージ加工を施してもラメの光沢を失わない縫製用ラメ糸「ピムストTW」を改めて訴求する。

 従来の縫製用ラメ糸をジーンズに使用する場合、2ウオッシュ以上のハードウオッシュやダメージ加工の過程でラメの光沢が失われる問題があったが、ピムストTWはラメを細繊度化と同時にハイカウント化し、ハードなダメージ加工に対応可能とした。10年の発売以降、大手ジーンズアパレルの協力で各種ダメージ加工を施す試験も実施し、十分にラメの光沢が残るという評価も得た。

 また、同製品の開発から派生したダメージ加工用ラメ糸はポリエステル100%の純銀ラメ糸もラインアップ。各種ダメージ加工後に光沢感が残る8色をそろえ、すでにジーンズNBの織ネーム用で採用されている。

YKKファスニングプロダクツ販売 ビンテージブラックを再現/「オールドアメリカン」№10で

 YKKファスニングプロダクツ販売が展開する「オールドアメリカン」は、1940~50年代の米国のファスナーを復刻させたビンテージジッパーである。昨年8月から「オールドアメリカン」の№10にエレメント(務歯)をビンテージブラック色に再現した商品を発売している。これは富山大学との共同開発で新着色技術を開発し、1940~50年代のビンテージジッパーのエレメント色であるビンテージブラック色を再現したものだ。

 ビンテージファスナーはネット販売されることもあるが、その品質には限界がある。せっかく取り付けても、故障によって衣料品としての機能がなくなる場合もある。オールドアメリカンは米国ビンテージジッパーを復

YKKスナップファスナー 市場ニーズをくみ上げる/軽量化、再帰反射の商品開発も

 YKKスナップファスナーは、昨年から分野別販売を推進している。以前は地域別だったが、「ワーキングの福山でもジーンズの副資材を求める」など地域別の支店体制でも様々な分野のなかでまたがってきた。このため、「ジーンズを含めてきめ細かく市場ニーズをくみ上げる体制」を進め、新規商品開発にもつなげている。

 YKKグループは今年も2月に米国で開かれたビンテージファッションの祭典「インスピレーション ビンテージショー」に出展した。今回が6回目の同展にはビンテージのバイヤー、コレクターだけでなく、ファッション好きな人も多数来場して盛況だった。「今までに無い新しい商品を求めるバイヤーが増えている」という感触をつかんだ。また、中国人の来場が多かったのも今回の特徴といえる。

 同展には「ユニオンメイド」「ユニバーサル」の2ブランドを復刻したタックボタン、リベット、スナップなどを出品したほか、鉄製ボタンを新たに加えた。

 今後の開発では、軽量化をキーワードに樹脂製品を深掘りする。また、再帰反射・蓄光機能といった光物をスナップ中心に開発していく。さらに安心・安全志向に対応した商品開発も進める。同社は3年前にニッケルを使わないメッキ技術も完成させた。

フクイ ジーンズの“顔”作る副資材/顧客と共にブランド価値創造

 フクイ(東京都台東区)はデニムジーンズの革ラベルやフラッシャー、下げ札で実績を持つ副資材メーカー。ボトムスのシルエットのバリエーションや素材が多様化するのに合わせ、毎年独自性の高いラベルやフラッシャーを送り出している。ビンテージ調ならデニム地の洗いやダメージなどの特徴を表現しながら一体となって“顔”を作るもの、フラッシャーは単なる文字による説明書ではなく、直感的に商品の特徴を訴求する販促ツールでもある。

 革ラベルの新商品「ヴィンテージラベル」は、皮革が経年劣化して銀面がめくれたような表情に糸で補修したような工程を加えた、芸の細かいラベル。「ピースラベル」

は革のハギレをパズルのピース型に組み合わせたエコ副資材だ。