メーカー別 繊維ニュース

ミラノからの手紙/「ITMA2015」報告(16)/インクジェット捺染 後/スキャン方式も高性能化

2016年01月13日(Wed曜日) 午前11時46分

 「ITMA2015」ではシングルパス方式が注目されたインクジェット(IJ)捺染機だが、従来方式であるスキャン方式も新型機が相次いで登場した。いずれもノズルヘッドの大型化などで加工速度が増しており、高性能化が進む。シングルパス方式は設備投資額が大きいため、ユーザーは大ロット受注を継続的に得る必要がある。そのため、中ロット・小ロットの多品種生産用では引き続きスキャン方式への引き合いが続きそうだ。

 コニカミノルタはスキャン方式の新型IJ捺染機として大規模ロット向け「ナッセンジャー10」、中規模ロット向け「ナッセンジャー8」を出展した。ナッセンジャー10は標準モードで毎時580平方メートル、ナッセンジャー8は同240平方メートルの加工速度が可能。両機とも新設計のノズルヘッドにプリント欠点補正機能を装備する。

 ロブステリ、フォルテックスと共同開発を進めるセイコーエプソンは、新型機「モナリザEVO TRE」を披露した。400ノズルのユニット2つで1ヘッドを構成する大型化で最速毎時600平方メートルの捺染が可能だ。高画質モードでも毎時300平方メートルで加工できるなど、生産性と品質を両立する。また、技術展示として「モナリザ ヴィンチ」も紹介。ノズルヘッドはモナリザEVO TREと同じだが、機体はすべて新設計とし、高画質モードでも毎時400~500平方メートルの加工が可能だとする。

 東伸工業も新型の24ヘッド機「イチノセ2050」を実機展示。大型ヘッドとミラー配列によって1パス運転で2パス並みの品質を可能にした。標準モードで毎時300平方メートルの加工能力を持つ。

 ミマキエンジニアリングは生地ダイレクトプリンター「TX300P―1800」と昇華転写用プリンター「TS500P―3200」を披露した。最大の特徴はヘッドギャップを最小2ミリから最大7ミリまで調節可能なこと。通常、ヘッドギャップが狭いと生地や転写紙にシワなどが発生した際にノズルに触れてしまい、不良発生だけでなく故障の原因となる。しかし、ヘッドギャップを広げると画質が低下する。ヘッドギャップの調整ができることで、最適なギャップを設定できる。

 (1)ノズルチェックユニット(2)ノズル詰まりが復旧しないときにほかのノズルで自動代替するノズルリカバリーシステム(3)プリント状況をメールで自動送信するイベントメール機能――など無人運転をサポートする機能も多く盛り込まれている。