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明石スクールユニフォームカンパニー 社長 河合 秀文 氏/制服文化の関心高める/沖縄の生産工場を拡充へ

2016年04月26日(火曜日) 午後12時47分

 昨年6月から製販分離の新体制となり、企画・営業部門を担う明石スクールユニフォームカンパニー(明石SUC、岡山県倉敷市)は、今入学商戦の制服モデルチェンジ(MC)校が例年並みに獲得できたことで、今期(5月期)増収を確保しそうだ。来期に向け生産を強化するほか、直接消費者に向けて制服文化への関心を持ってもらう取り組みを進める。

  ――今2016年入学商戦はいかがでしたか。

 大手間の競合が激しくなりながらも、MC校を例年並みかそれ以上に確保しています。消費増税による駆け込み需要の反動も昨年とは異なり今年は無く、物流拠点の強化によるスムーズな供給ができたことが奏功しました。

 店頭商品もストレッチ性や機能性の向上で着心地を高めた全社共通の企画「スマートワン」や、詰め襟服の「ナノウェイブ・プレミアム」といった新商品の販売も好調に推移しています。

 昨年10月から「富士ヨット学生服」ブランドとアニメーション「ONE PIECE(ワンピース)」とのタイアップキャンペーンによって売り場が活気づき、販売員の士気が高まったことも販売拡大に貢献しました。来入学商戦もタイアップキャンペーンを検討しています。

  ――スクールスポーツについてはいかがですか。

 「デサント」ブランドで、これまでとは一線を画すデザインの「エクストラモデル」の好評もあって、約100校の新規採用校があり、累計で約1300校となっています。

  ――5月期の決算見通しを教えて下さい。

 目標としていた前期比3%増の売上高240億円達成が見えてきました。昨年6月から製販分離の体制になったことで、各事業における責任体制の明確化と意思決定のスピードアップが図られ、良い効果が出つつあります。

  ――昨年11月にはPRキャラクターを採用しました。

 若い世代や消費者へ制服がより身近な存在としてアピールを強めていきます。“クールジャパン”として知名度が高い日本のアニメと、制服文化を融合させることで、関心を高めるとともに、世界へも日本の制服文化を発信できればと考えています。

  ――設備投資の予定は。

 詰め襟服を中心に生産してきたアクシーズソーイング(沖縄県糸満市)を拡充し、1㌔ほど離れた同じ西崎工業団地内に第2工場を建設します。敷地面積は約6100平方㍍、建屋の建設面積は約2950平方㍍で、この機会に沖縄の営業拠点も集約します。事務所や倉庫も併設し、既存工場に比べ1・5倍以上の大きさで、自動裁断機(CAM)も導入します。投資額は約6億円となります。

 アクシーズソーイングは従業員が75人で、既存の工場だけではスペースが狭く、生産効率が落ちていました。さらに詰め襟服の需要が減少していることに加え、学校別注による多品種小ロット生産が増えており、ジャケットやスラックスなど詰め襟服以外も生産できる体制にしていきます。当面は従業員を増やしませんが、いずれ生産量が拡大してくれば状況を見て増員も図っていきます。

  ――「値段が高い」など制服への批判的な報道が目立ってきました。

 値上げを進めているだけに消費者の目は厳しくなっています。そういった報道に対し、感情的にならず、制服の長所と短所、世間の状況を列記してみることにしています。以前は短所のみをあげつらうだけの批判的な報道もありましたが、最近は長所も指摘する声を掲載している記事も見受けられます。

 制服の価格が高いと言う人は一定数おり、おそらく今の制服を半値にしたとしても、高いと言う人はいるでしょう。しかし、我々はその価値に見合う制服を供給していると思っています。実際、販売店では上下3万円以上を超える高額商品とそれ以下の低額商品では8対2の割合で高額品の方が売れています。もちろん「高い」と言う人の声を全く無視するわけではありません。様々な意見やニーズをくみ取りながら、価値のある商品を供給し続けたいと考えています。

  ――貴社の「ぶれない」軸とは。

 社員に対し、とにかく誠実であれと言っています。相手に対し誠実であれば信頼という形で返ってくるはずです。

 かわい・ひでふみ 1982年明石被服興業入社。89年取締役、2002年専務。05年から社長。明石SUC社長も兼務。

〈私の好きな1曲/ヒアリングにも役立つ〉

 高校生で受験勉強をしていた1973年、ふと耳にして好きになった曲が米国ポップスグループのドーンの「幸せの黄色いリボン」。ラジオから録音したカセットテープで何度も繰り返し、3日間かけて歌詞を翻訳し、「こんなストーリーだったのか」と感無量。「ヒアリングにも自信が付いた」。ちなみに歌詞は映画「幸福の黄色いハンカチ」のもとになっている。