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天虹紡織集団/TPP先行き不透明の中ベトナム事業の拡大継続

2016年08月31日(Wed曜日) 午後3時41分

 世界最大級のコアヤーンサプライヤーである中国の天虹紡織集団は、環太平洋連携協定(TPP)の調印国であるベトナムでの生産能力を積極的に拡大している。天虹紡織集団にとってベトナムへの投資は、当初、自国がTTPに参加しないことの悪影響を切り抜けるための戦略であった。しかし現在、米大統領の両党候補ともこの自由貿易協定について反対を表明しており、その先行きに不確実性が漂っている中でも、同集団はベトナムのさらなる拡大について確信しているという。「YNFX」による。

 創業者兼会長である洪天祝氏は、ベトナムに対する投資の大きな目的の一つとしてTPPへの対応を挙げた。TPPの発効は中国の繊維・アパレル企業に試練を課すことが想定されるため、同社ではコスト優位性とTPPを考慮して、ベトナム事業を確立することを計画している。

 共同経営者の朱永祥氏はさらに、たとえTPPがなくともベトナム事業の競争力は、全ての東南アジア諸国や中国生産拠点と比較して非常に強いと言う。ベトナムでの生産は、TPPを除いても少なくとも三つの利点を持っている、と朱氏は指摘した。

 一つ目は中国と比較して、世界と比較的良好な貿易関係を保持していることである。TPP発効前でさえ、日本、韓国、欧州に対してベトナムから輸出された糸の関税は、中国の工場から輸出するのと比較して低い。

 生産コストがもう一つの利点である。中国と比較してもベトナムでは労務費、電気代やその他の費用が低くなっている。

 加えて工場がグループ全体の稼働にとって非常に良い立地にあることが挙げられる。このベトナム産業複合体はクアンニン省に位置し、中国の広西チワン族自治区に隣接している。この立地により同集団が既に中国南部に確立している生産拠点に、このベトナムの工場を含めることができる。また港の近くにあるため、輸出にも非常に便利である。

 糸の生産ライン新設を伴うベトナム事業拡大により、同社は2016年下半期も好調を維持することが予想されている。工場が完成すれば、同社のベトナムにおける糸の生産は中国の生産と同等になると期待される。

 生産は糸だけでなく、川下でも展開される予定である。6000万メートルの生機、4000万メートルの染め上がり生地、700万着の衣料品の年間生産能力を持つ設備が11月ごろまでに導入され、来年初めには本格稼動を開始する。

 ベトナムにおける数多くの生産ラインの生産性は中国を超えた、と朱氏は述べる。一方でその他東南アジアを含む調査では、ベトナムの優位性が唯一際立っている。朱氏は、将来さらに生産拡大を検討する際、ベトナムが最初の選択肢になるだろうと認めた。

 同社が公表した上半期の売上高は、昨年比20%増の58億2000元(8億7700万㌦)であった。また、株主に帰属する当期純利益は56%増の4億5600万元であった。ベトナムの製糸事業セグメント売上高は、内部取引を含めて現在全体の21%を占めている。資産でもベトナム事業は40億元以上増加し、グループ全体の3分の1を占める。

〔アパレルリソース・イン・インドシナ〕