メーカー別 繊維ニュース

スタイレム/今秋 韓国に現地法人設立/韓→中で対中戦略深掘り

2016年09月08日(Thu曜日) 午前11時23分

 スタイレム(大阪市浪速区)は同社初となる韓国現地法人を今秋、立ち上げる。陣容は日本人3人を含む計8人を予定。需要拡大が見込まれる中国アパレル向けへの供給が主な目的。来年をめどに北京への現法設立も計画しており、同時に中国製生地の取り扱い拡大も進める。

 グローバル事業部の谷田修一取締役事業部長によると韓国現法設立の目的は(1)韓国製生地の中国向け販売(2)日本製生地の韓国向け販売(3)韓国製生地の現地向け販売――をスタート、あるいは拡大するため。

 この三つに「商量は少ない」ものの、韓国製生地の日本向け販売が加わり、将来的には韓国製生地の欧米向け販売もにらむ。同社が国内で培ってきた生産のサプライチェーンを同地でも構築し、オリジナルのモノ作りを進めていく。

 同社では近年、中国市場向け生地販売の拡大が顕著だが、「日本の素材だけにこだわっていては限界がある」。日本の生地には感性や機能性といった他国製生地への優位性があるものの、価格や納期、ロットの面では劣るケースもある。

 さらに、同社の調査によると中国アパレルが使用する生地は圧倒的に中国製で、次いで韓国製が多い。日本製やイタリア製は両国に大きく引き離された3番手、4番手というのが現状という。この実態からも、韓国製生地の取り扱い拡大が必要と判断した。設立は今年11月を予定する。

 同時に中国製生地の取り扱い拡大も狙う。上海、深センに続く3極目として北京に現法を設立するのも同戦略の一環だ。同社の中国アパレル向け生地販売はここ数年で大きく拡大しているが、そのうち9割は日本製生地で、中国製生地は1割とまだ少ない。北京現法設立や人材の拡充、登用、育成などによって中国製生地の取り扱い拡大を目指す。

 谷田事業部長は中・韓での生地取り扱いを拡大していくことについて、「日本製生地を減らすという意味では全くない」と強調する。日本製生地の取り扱いを維持・拡大しつつ韓国、中国製生地の取り扱いを拡大し、今後いっそうの需要増が見込まれる中国市場を深掘りする。

〈スタイレムのアジア事業/引き続き上海が好調/インド現法では開発進展〉

 スタイレムでは中国アパレル向け生地販売の拡大が顕著だ。今年度上半期(2016年2~7月)の同国向け売上高は、深センの現地法人経由が前年同期比微減とやや苦戦したものの、上海現地法人経由は40%増と引き続き拡大、利益も増えた。韓国向けは微増、インド現地法人では新規事業が順調に拡大している。

 グローバル事業部の谷田修一取締役事業部長によると、深センの苦戦要因は、同地のマーケットが成熟期に入ったことや、前年までの好調など。ただし、「営業マンのスキルアップが図られればまだまだ拡大の余地はある」とみる。

 上海では個展開催や頻繁な商談などで顧客との“距離感”を縮めることに成功、引き続きの業績拡大に寄与した。

 上海現法の人員は日本人7人を含む40人。深セン現法の人員は日本人1人を含む6人。今後も基本的に増員を図っていくとともに、来年をめどに北京への現地法人開設も予定する。

 韓国向けは前期大きく伸ばしたことも影響して今上期は微増だった。マーケットが昨年後半から悪化しており、その中では健闘の部類と認識する。

 インド現地法人では日本人3人を含む16人で生産、販売の拡大に取り組んでいる。現地大手紡織グループであるバルドマン社との連携によって織物を開発、生産し輸出するというのがこれまでのメイン事業だったが、今期からは新たにジャージーの開発にも着手。上期はこれら生地を使った最終製品の輸出が大幅に伸びた。谷田事業部長はインド現法について、「開発商品のレベルがかなり高く、今後にも期待が持てる」としている。