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PVファブリックの日本企業/独自品質で高評価得る/実際の成果も多数

2016年09月16日(Fri曜日) 午前11時38分

PVファブリックの日本企業/独自品質で高評価得る/実際の成果も多数

 17秋冬テキスタイルを発表する「プルミエール・ヴィジョン(PV)・ファブリック」には、日本から41社が出展した。日本のクオリティーの高さは、既にファッション業界のプロたちの知るところであり、ジャパンという事実だけでバイヤーの目が引き付けられるという。為替はやや逆風が強まっているが、取材した各社はいずれも得意の独自品質に手応えがあったと言い、全般に例年通り盛況だった。

 小松精練は、ブース内の仕切りをなくし、素材をアウターゾーンとレディースゾーンに分けて展示した。全体を見て回れると来訪者にも好評だった。正面には同社素材による新進若手デザイナーブランドのコレクションをディスプレー。特にウール調合繊素材「カールカールKS」を提案。中でもビンテージ風が人気で、起毛スエードはイチ押し素材という。また「オニベジ」への関心も高い様子。

 同社は今回展でPVレザーにも初出展し、資材やアクセサリーの市場開拓に本格的に乗り出した。「コンブ」を大々的に打ち出し、本革よりも4割ほど軽く、どのような色にも染めることができ、クロムフリーで環境に優しいことなどを訴求。大きな反響があった。

 帝人フロンティアは今回、ブースがトレンドフォーラムの近くになったことも影響して満員御礼も出る盛況だった。中心は二大看板の「ソロテックス」と「デルタピーク」で、今季はボンディングや軽い高機能のスポーツ系を拡充。また日本でしか作れないという、しなやかな厚地の1平方㍍600㌘のものなどに引き合いがあったという。

 東レは、「エクセーヌ」を改名した「ウルトラスエード・コレクション」で出展。合皮とも資材とも異なるスエード調のタッチで、認知度拡大を目指す。新素材は本革調の「ウルトラスエード・ヌー」。軽さとストレッチ性で、本物の革を超えると高く評価されている。

 東レインターナショナルは「デニム」で出展し、早くも3回目を迎える。為替の影響はあるが、輸出売り上げは順調に伸びているという。今回も軽量素材の「ミラクルエアー」を打ち出し、綿混を中心に好評。

 スタイレムの「ゼン・キワミ・コレクション」もバイヤーの熱気でにぎわっていた。新ブランドとして投入したイタリア製のコレクション、「ゼン・ブラック」も注目された。

 宇仁繊維では回を重ねるごとに客数が増えており、来訪者の半数がリピーター。しかし薄地がメインということもあり、これまで秋冬のオーダーがあまりとれていなかったという。そこで今季は加工を工夫。例えばチンツ加工でエナメルレザーのような光沢感のあるドレープ性に優れたプリーツ素材や、同加工のメッシュ、スエード加工のシルクなどを提案、人気を集めていた。

 サンコロナ小田は、初出展だった前回の出展が実需につながったようで、バイヤーが絶え間なく訪れ大盛況だった。今回は得意のオーガンジーに漆プリントや塩縮加工したものが好評で、PVアワードにもピックアップされた。来年は改めてアワード獲得を目指すという。同社独自の「ミストロン」もデジタルプリントなどさまざまな加工を拡充。超繊細なカラー・スパッタリングや「モルフォテックス」も絶賛されている。

 ヤギも2回目の出展で、順調に商談を重ねている。特に米国との取引が多いという。ニュージーランドウールやギリシャコットン、スーパーファインウールなど、原料にこだわった素材で、アウター向けカットソーが中心。ツイード風の高密度のものなど、メンズ向けの布帛調のものが人気という。

〈荷物届かないトラブルも〉

 東光商事では初日に残念なことがあった。フライトのミスで、「ミラノ・ウニカ」(MU)からのサンプルが届かなかった。2日目からは客入りが良くなり、かなり挽回した模様。一番人気は、ふっくらと厚みのある綿ジャージーの4本引きそろえ綾インレー。メルトン調のものは全体に好調という。この他、ウール・アンゴラのドット入りや3Dメッシュのものも人気だった。

 瀧定名古屋の「JAファブリックコレクション」も、東光商事と同様にMUからの荷物が届かなかったため、初日は四つのコレクションの内、二つしか見せられなかった。しかしビジネスは堅調に推移しているという。特に力を入れたのはメンズのスーツ地や、やや肉厚のアウタージャージーで、ともに売り上げは快調。レディースではカットジャカードや突っ切りなど毛足のあるものが人気だった。

 伊藤忠商事北陸支店の「LIVINAXコレクション」は2回目の出展。前回同様に、フォーラムに展示された素材を見て来場するバイヤーが多いという。差別化した高機能素材をそろえ、中でも表が織物で裏がジャージーの3層構造のラミネート加工が好評だった。

 タキヒヨーは出展3回目となり、順調に売り上げを伸ばしている。今回のアワードにも3点がノミネートされた。伝統の刺し子を表現したジャカードや、3Dプリントのウール混、クロコダイル革のようなレザー加工など、モノ作りへの評価は着実に高まっている。

 初出展を果たしたのが柴屋。特に風合い重視の染め技法を打ち出した。それが、テンションをかけずに仕上げる「ナチュラル・ダイ」で、評判は上々の様子。特に綿・ウールや綿・麻のビンテージ調のものが人気という。ブースの場所もよく、ジーンズウエアコーナーに隣接し、また、ブースをガラス張りにしてオープンな感じにしたこともバイヤーの入りをよくしたようだ。

(パリでファッション・ディレクター柳原美紗子)