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スタイレム 酒向社長/グローバルがポイント/営業、企画の人材強化も

2016年10月19日(Wed曜日) 午前10時40分

 10月3日付でスタイレム(大阪市浪速区)の社長に就いた酒向正之氏は、現状のマーケットを「想定以上に変化のスピードが速い」とした上で、今後は(1)グローバル事業のさらなる拡大(2)人材育成の強化――に重点的に取り組む考えを示す。

 酒向社長によると、本年度上半期(2016年2~7月)業績は、売り上げ、利益ともに前年同期並みだった。売り上げは国内向け服地販売が横ばいで、製品事業の落ち込みを海外向け服地販売がカバーした。製品事業は減収ながら収益性は高まっているという。通期の見通しは、アパレルが生産調整の度合いを強めており、「8月、9月の市場環境の悪さはかつてないほどだった」ことから10月以降も不透明感が続くとみる。伴って通期業績では減収も視野に入れる。

 アパレルの生産調整や小売り業態の変化、少子高齢化などの環境変化を受けて力を入れるのが、グローバル事業の拡大。上半期は中国、欧米など各国・地域向けの服地販売が伸長。さらに、海外現地法人から海外向けという外・外ビジネスも分母は小さいながら拡大が著しく、今後も伸ばす。外・外ビジネスではイタリアから欧州各国向けや、インドから北米、日本向けなどが好調という。

 グローバルという切り口では、販売だけでなく生産も拡大対象となる。中国アパレル向けとして中国での生地生産を増やすほか、韓国製生地の生産拡大に向けて今秋には韓国現地法人の設立を予定する。インドやイタリアも同様で、それが日本のアパレルの発展にも寄与するものだと認識する。

 海外での生地生産を拡大する一方で、日本国内のモノ作りも維持する。同社の仕入れ先は依然、国内が大部分を占め、今後も「二極化の上の部分」を担う存在として国内産地や染工場が軸であることに変化はない。イタリアの著名テキスタイルデザイナーであるマウロ・クレリチ氏が日本の産地でモノ作りを進める「ゼン・ブラック」というブランドを立ち上げたのも、国内産地との取り組みを重視する姿勢の表れ。

 変化への対応として人材育成にも力を注ぐ。「当社の力はやっぱり人」として、「変化を先取りできる嗅覚を持つ人材」を重視、原点に立ち返って「強い営業マンを育てる」と強調する。営業力だけでなく、企画力の向上にも人材育成の観点で臨む。既に企画スタッフの定期採用を昨年から実施したほか、人事異動による組織の活性化や、評価基準の見直しを進め、マンパワーの強化に努める。