メーカー別 繊維ニュース

特集「JFWテキスタイルフェア」(3)/JC&PTJ/出展者のイチ押し素材

2016年11月22日(Tue曜日) 午後4時12分

〈日本形染(JC)/格子・縞柄が浮き出る〉

 染色加工受託の日本形染(静岡県浜松市)は2011年から、自社で企画した生地の備蓄販売を試みている。市場の流れを的確につかむことや、同社の加工技術の活用の仕方をアピールすることも、この試みの狙いだ。

 今回展では、遠州産地で織った80単×100単の綿100%ローンに、透明な樹脂で柄をプリントし、柄の無い部分を縮めて凹凸感を出す「オーガンジーワッフル」と呼ぶ加工を施した生地を披露する。この加工で昨年大きなドット柄を表現したところ好評だった。今回は、大きなスクエア柄やストライプ柄を表現して見せる。同じ基布を使用しているとは思えないほどの変化の激しさに驚くはずだ。

〈早善織物(JC)/アルパカの希少種〉

 アルパカは、ワカヤとスーリーの2種に大別される。スーリーは全アルパカの5%程度しかない希少種だ。

 早善織物(愛知県一宮市)は20年以上前から、この希少種の毛を使った生地を展開してきた。現在、日本が輸入するスーリー種の毛のほとんどを同社が使用しているという。今回展でもこれを使った生地を披露する。

 アルパカ70%・シルク20%・ウール10%混糸を備蓄し、同糸使いの生地も出品する。この他、5年ほど前から継続使用しているモヘアループ糸使いの生地や、空気を含んだウール80%・ナイロン20%混の軽い糸を使用した生地も要注目だ。

〈パレモ(PTJ)/格好良く紹介しないで〉

 「格好良く紹介しないでください。いい面も悪い面も見せて、今後の方向を見極めたいので」と語るのは、丸編み地製造のパレモ(愛知県一宮市)の清水保祥氏。

 同社は、丸編み地製造に約50年間携わってきた清水正臣社長が1984年に設立した会社だ。これまで、生産難度の高い丸編み地を、小ロットで供給してきた。一方で、尾州の強みを知るために中国生産にも取り組む。今回展では、中国製とコスト的にも遜色のない国産生地と、日本製では作れない中国製生地を披露する。「見て、話して、そして判断してほしい」という。信頼し合え、長く付き合える顧客と出会うのが今回の目的だ。

〈ピアチェーレ(PTJ)/中国が真似できない〉

 自ら企画したジャカード織物やカラミ織物を、顧客指定色で受注生産するピアチェーレ(岐阜県羽島市)。中国ではまねできない生地を、日本のさまざまな産地を組み合わせて生産している。現在の売上高の60%は、中国への輸出によるものだ。「中国のトップ10企業の全てと取引がある」(矢野恵一社長)と言う。

 今回展では、尾州で作った糸を、桐生産地のジャカード織機で2重織りするとともに浮糸部分を切り取って柄を表現、さらに柄部分を尾州産地で起毛した生地を披露する。尾州のウール織物に京都でプリントし、別の産地のタンブラー加工で毛羽立たせ、尾州で整理し生地も出品する。

〈長谷川商店(PTJ)/カシミヤ陵駕の絹紡糸〉

 長谷川商店(愛知県一宮市)は、シルク、ウール、綿、リネン、モヘア、カシミヤなどの天然繊維を染色して備蓄。撚糸を自社設備で行うことで、短納期・小ロットに対応している。横編み機6機種、丸編み機3機種を保有し、編み地の提案も強化している。

 今回展では、カシミヤをしのぐほどにソフトな30単絹紡糸使いのインターロックや天竺を披露する。生後6カ月未満のスーパーエキストラ・キッドモヘアを使用し、かつ芯部分にシルク長繊維を潜ませた40単タム糸を使用した天竺も出品する。加えて、同社の高級糸を用いたストール、帽子、セーターなどの製品も提案する。

〈鈴木晒整理(PTJ)/日本でしか作れない生地〉

 染色加工受託の鈴木晒整理(静岡県浜松市)は、19社から生機協賛を得て、それぞれの生機に最適だと考える加工を施した生地128点を披露する。うち35点を、4社の協力を得て、製品に仕立てて展示する。

 例えば、日本でしかできないという特殊なピーチ起毛と同社の特殊薬剤による加工を組み合わせた生地を披露する。通常のピーチ加工だと光沢が消えるが、同社が採用した加工は「磨く」感じなので光沢があり、風合いは合繊ライクになるという。これを、同社独自の薬剤で仕上げ、光沢をより高めた。この他にも、洗うとビンテージ調になる生地など、同社ならではの生地を多数企画した。

〈CSS(JC)/国産電子ジャカード披露〉

 ジャカード関連ハード・ソフトウエア開発販売のCSS(愛知県岩倉市)は、唯一の国産単動式電子ジャカード「AO―EJ」をアピールする。

 同社は2014年12月に「AO―EJ」を発売したが、同機の完成度をより高めることを狙い再設計に着手。今年3月、同社岩倉工場で再設計機を披露し好評を得た。今回展でアピールするのはこの最新鋭機種だ。

 同機は、100年以上の稼働実績があるメカジャカードの構造を電子化したもの。メカジャカードの課題だった横針の曲がり、振動による針落ちを、横針をプッシュレバーにする事で解決した。日本特有の棒刀、ふみせにも対応している。

〈播(PTJ)/自社背景の開発・生産強み〉

 播州織産地の産元商社、播は今回で8回目の出展。新規顧客や取引復活など出展ごとに成果を重ね、設備投資や新素材開発へ積極姿勢を強めてきた。産元兼機業としての価格対応や品質管理、小ロット・納期対応も強みだ。

 今回は、特殊な撚糸により、従来にない絶妙なムラ感、凹凸、シャリ感を実現した三子糸、四子糸使いの綿100%ツイル素材、組織で柄の凹凸を表現したガーゼ調の綿ジャカードを重点訴求。ガーゼジャカードはベビー服やナイトウエア用とは異なるアプローチでガーゼ織物をファッション用途に提案、製品も併せて展示する。自社ブランド「fabori(ファボリ)」のストールも出展し、現物販売も行う。

〈桑村繊維(PTJ)/多品番を備蓄し小口も即応〉

 播州織産地の産元商社兼機業、桑村繊維はPTJに継続出展している。ただ、100%を中心に、麻混やその他の天然素材を展開するテキスタイル2部第6課は今回展で2回目と、まだ新顔の部類に属する。

 初出展の17春夏展では実成約につなげることができなかったが、「100品番を超える現物をストックするとともに、1反単位での細かなオーダーにも対応できる」点を強みに、新規顧客の獲得を目指す。

 今回展で前面に押し出すのは、綿100%、綾織の起毛素材だ。従来の起毛商品に比べて、よりふわりとボリュームに富み、膨らみ感のあるソフトな風合いを訴求する。

〈カゲヤマ(PTJ)/アウター素材も認知広げる〉

 播州織産地の産元商社、カゲヤマは前身であるJC時代から同展に継続出展する。日本・中国双方の生産背景による約400品番の備蓄品の現物販売、顧客別の別注・半別注の対応力も強みとしてきた。

 今回展で重点訴求するのは、希少価値の高いヤクウール使いで軽量感、保温性に優れる綿90%・ヤクウール10%の起毛ツイルや、30番双糸、綿100%の綾織りを塩縮し起毛したボトム・アウター向け素材など。

 「既存顧客には認知されているボトム・アウター素材の取り扱いを新規顧客にも積極提案していきたい」と、担当者は言う。

 来春夏企画が引き付け生産の傾向にあることに対応して、得意とする麻素材も提案する。

〈オザワ繊維(PTJ)/「マハラニ」使い前面に〉

 播州織産地の産元商社、オザワ繊維は6回目の出展。東洋紡STCとのコラボによる高付加価値原料を使った商品を前面に押し出し、多数の品番で展開する備蓄生地を1反から即出荷できる小ロット短納期対応も訴求する。

 今回は特に、東洋紡STCのインド超長綿糸「マハラニ」使いでシルキーな光沢とオイリッシュでソフトな風合いの綾織り素材をアピール。汗染み防止加工を施した綿100%オックスフォード素材も重点訴求する。

 同社は備蓄販売の着手と前後する初出展以降、「素材開発に加え、提案見本も多く作成でき」、同展を起点に顧客開拓が順調に進展。今回も、新規顧客の開拓と備蓄販売の知名度アップを狙う。

〈内外織物(PTJ)/生地ブランドを本格訴求〉

 播州織産地の産元商社、内外織物は、4回目の出展となる今回展で自社生地ブランド「nunono(ヌノノ)」の本格的な打ち出しを開始する。

 新たにブランドの軸として、インド産超長綿を原料にセルダム(富山市)が開発した綿糸「フェザーコットン」使いのオリジナル生地約30点を打ち出す。独自の糸設計で、ソフトでボリューム感に富んだ特有の風合いを引き出した同素材だが、先染め織物への採用は今回がほぼ初めて。原糸から製織まで国産にこだわり、東洋紡STCの国内紡績糸を使い東洋紡庄川工場で加工した綿コート地もヌノノで訴求。これらの商品群は今後、製品ブランドとのダブルネームを積極提案し、生地ブランドとしての認知拡大を目指す。

〈福田織物(PTJ)/コーデュロイの進化版〉

 福田織物(静岡県掛川市)は、自社工場のドビー搭載レピア織機12台などを活用し、極細綿糸使いの高密度織物などを、生産している。イタリアの「ミラノ・ウニカ」展に出展するなど、海外市場の開拓にも力を入れている。

 今回展では、遠州産地が得意とするコーデュロイの進化バージョンとして開発した「BECCO」などを前面に出す。この生地は、コーデュロイ組織をベースに幾何学模様をパイルで表現したもの。柄だけでなく、軽くて柔らかい点も特徴だ。

この他に、強撚綿糸を使用したドビーサテンも披露する。柔らかさ、落ち感、ウールのようなタッチが特徴だ。

〈古橋織布(PTJ)/「MU」展で好評の生地〉

 古橋織布(静岡県浜松市)は、自社のシャトル織機20台、レピア織機2台を活用し、同社が企画した生地をデザイナーブランド向けなどに受注生産している。今回展では、9月にイタリアで開催された「ミラノ・ウニカ」(MU)展で好評だった生地などを披露する。

 例えば5、6年前に発売し好評を得たが、それを加工していた起毛業者の廃業により販売を中止していた生地の復刻版を披露する。これは、ニット用の甘撚り糸を、甘い撚りで双糸にした毛羽立ち安い糸を使用したもの。純綿生地だが、カシミヤのようなハリ感があるのが特徴だ。加工面で鈴木晒整理(浜松市)の協力を得て復活させた。

〈宇仁繊維(PTJ)/プリント開発強め〉

 前身のJCを含め、PTJ初回から欠かさず出展する宇仁繊維は今回展でも約3万点という豊富な備蓄機能をアピールしつつ、アパレルのバイヤーやデザイナーの購買意欲をかき立てるような新作生地を披露する。

 同社の17秋冬テーマは、LuxeとDetailを組み合わせた「Luxe―tail」。その上で、「オータム・シック」「クラシカル・ファンシー」「プリント」――というサブテーマを設定した。特にプリントでは、「水玉が久しぶりに売れ始めている」として、柄開発を改めて強化し、インクジェット含むプリント全般を増強提案する。生地にプリーツを施して備蓄販売する「プリーツテキスタイル」も注目される。

〈新内外綿(JC)/「ボタニカルダイ」など多彩に〉

 新内外綿は、天然由来染料による杢糸「ボタニカルダイ」や竹開繊繊維など独自性のある糸・生地を多彩に紹介する。ボタニカルダイはオーガニックコットン認証を取得している杢糸として貴重な存在だ。

 ボタニカルダイは通常の32色に加え、今年の「スピンエキスポ」で披露した濃色やオーガニック綿・カシミヤ混も紹介する。旭化成とのコラボレーションで再生スパンデックス「ロイカEF」とボタニカルダイによる環境配慮型ストレッチニット生地も披露する。

 竹開繊繊維は綿複合を中心に提案する。杢糸は17春夏向け新作としてブルー系の色調を充実させ、“マリン”をテーマにした糸・生地などを多彩に紹介する。

〈丸井織物(PTJ)/新ブランド発表〉

 11回目の出展となる丸井織物(石川県中能登町)はPTJで、新ブランド「NOTO QUALITY」を発表する。

 同社が企画販売する高品質テキスタイルブランドとして、「使う人が心地よいと感じる」をコンセプトに五つのカテゴリーを設けて訴求する。綿番手200番相当で傘地の約2倍の耐圧があり、ダウン素材にも使える「きる・かさ」などを提案する。生地以外の展示としては、製品のプリントカスタマイズサービス「UP―T」も紹介する。

 同社はこれまでの出展によって自販事業を着実に拡大させており、今回も新規顧客開拓と開発アイデアの収集に努める。

〈第一織物(PTJ)/上質な高密度織物〉

 第一織物(福井県坂井市)のPTJ出展は今回が初。こだわりの上質な高密度織物を軸に、「時代を超えて輝く『本物』をお届けする」。高密度技術を得意としながら「単に密度の高さを競うものではない」と、インチ間何本といった数値の高さやそこから生まれる機能でなく美しさや風合いを重視する。

 イチ押し素材は上質な陰影感としっかりした肉感で、シルエットがきれいに出るポリエステル100%綾織りの「DICROS dew」や、動きに合わせて輝く光沢を持ち、ソフトな風合いながら膨らみを感じるポリエステル100%綾織りの「Cubetex」など。 テキスタイル以外の提案として、超音波縫製の最終製品も展示する。

〈ケイテー・テクシーノ(PTJ)/綿を超える風合い〉

 5回目の出展となるケイテー・テクシーノ(福井県勝山市)はこれまでの出展で、国内百貨店系アパレルやデザイナーブランドなど約30社との成約実績がある。

 今回展でもメンズ・カジュアル用途でのさらなる販路開拓に向け、自社生地ブランド「KANTIAN」の発信を強める。

 独自の糸加工技術を駆使して、ポリエステル100%でありながらコットンを超える風合いに高ストレッチ性を付与し、ビンテージ感も表現した素材をアウターやパンツ向けに提案するほか、独自製織技術「トリッククロス」を用いた4ウエーストレッチの超軽量2重織り素材をスポーツカジュアル用途のアウターやパンツ向けに訴求する。

〈篠原テキスタイル(PTJ)/要望に応える“提案型機業”へ〉

 これまでPTJに10回出展してきた篠原テキスタイル(広島県福山市)は、得意とするデニム以外の生地開発も積極的に進めており、今回は一つの品番でどこまで深く、広く展開できるかという新たな試みで訴求する。

 備蓄する9番手の経糸をトップ染め糸にしたり、織り変化を変えたりするなどで生地の表情を変え、用途の幅を広げる。

 綿ストレッチのS751シリーズでは経糸をインディゴ、白、黒、フェードに加え、トップ染めを展開、21品番をそろえる。綿100%のS755シリーズでは綾織り、平織り、カルゼ、オックスなど織り変化を持たせ、トップ染めでカラー変化を楽しめる25品番をそろえる。“提案型機業”として、新たな取引先の開拓につなげる。

〈カイハラ(PTJ)/全方位的な視点による開発強化〉

 カイハラ(広島県福山市)はPTJに10回以上出展し、これまで大小さまざまな商談につなげてきた。今回、シボの少ない、クリーンで上品な表情のデニム「GRAND BLUE(グランブルー)」や、生地表面はデニム顔でありながら、裏面は気持ちの良い優しい肌触りの起毛デニムを打ち出す。

 同社は1年以内に開発した新商品の受注率が50%を超えている。2009年に立ち上げた新商品開発プロジェクトチームによる開発の成果が一段と高まっている。

〈山陽染工(PTJ)/“ここにしかない”表現〉

 山陽染工は、PTJへの出展回数が10回以上となり、認知度向上や新規顧客開拓、「クロス・サンヨー(×SANYO)」をはじめとするコラボ先の拡大や協力工場との取り組みなど、ビジネス面での成果を出してきた。

 今回はウール素材でありながら、洗いの表情を持つウール100%の「ウールダスティ」や、ベンガラ、柿渋、墨という日本古来のカラーを表現した「WA―SAN―BON」プリントなどを紹介する。