メーカー別 繊維ニュース

2017新年号(3)/モノ作りの可能性〈企業編〉

2017年01月01日(Sun曜日) 午後2時51分

〈宇仁繊維/メーカー機能を追求 産地と協業関係深化〉

 宇仁繊維の宇仁龍一社長は2017年、①コストダウンによる商品供給力の強化②高品質、高感性の商品作り③人材強化――に重点的に取り組みながら、メーカー機能の強化を図る考えを示す。そのため、北陸を中心に現存する産地企業との協業関係を深化していく考え。

 同社は「良いものを安く」をモノ作りの基本姿勢に掲げ、提携機業への織機の貸与などでメーカー機能の強化に努めてきた。

 一部原料を除いて製織、編み立て、染色加工の全てで国産へのこだわりを見せ、「設備を動かし続ける」ことなどで値頃感も追求。このメーカー機能を強みに業績を拡大し続けている。

 8月で創業18期目を終える17年も、この方針に変化はない。「徹底的にコストダウンを図る」ことでこれまで以上に商品供給力を引き上げ、国内大手アパレルや海外アパレルとの取引拡大を狙う。

 「売る人が作る」という基本戦略を念頭に、営業と商品企画を兼ねる各スタッフによる生地の高品質化、高感性化も図る。

 人材強化も引き続きのテーマの一つ。同社は若い女性スタッフが多いことが特徴で、その“女性目線”を成長の原動力としてきた。新規顧客開拓と個人のスキルアップを目的に「引き継ぎを行わない」ことが、同社が採用する人材教育の一つで、この厳しさを乗り切った若手スタッフの力が同社の成長を支えてきた。

 最近はこの若い力に加えて、大手アパレルの途中退職者など幹部クラスが相次いで同社に入社、即戦力として活躍している。2017年8月期でのグループ売上高100億円突破に向けて、体制が整ってきた。

〈グループ工場活用しこだわりの国産寝具/西川リビング〉

 西川リビングは、西川グループの西川テックス(滋賀県東近江市)を活用したモノ作りを行う。同社の国産寝具を支える生産拠点の一つで、「近江仕立て」シリーズや、「J∞クオリティー」寝具、羽毛布団のリサイクル&リフォーム(R&R)で利用する。

 西川テックスは寝装品や産業資材の合繊織物を製造し、寝装品では羽毛布団や布団カバーを生産する。

 近江仕立ては、西川発祥の地、近江で培われた伝統の職人技を生かしたシリーズ。西川テックスも東近江市にあり、同シリーズの羽毛布団を生産する。

 西川リビングでは、真綿掛け布団、羽毛掛け布団、掛け布団カバーで、純国産商品を示す認証制度「J∞クオリティー」を取得している。西川テックスもJ∞クオリティーを取得しており、J∞クオリティーの羽毛掛け布団を製造する。

 国内洗浄したポーランド産ホワイトマザーグース95%を中わたに使用し、超長綿100番手100%の糸を織り上げた高密度サテン(440本)を使用し、西川テックスで羽毛の吹き込みや縫製を行う。

 R&Rは全国300店以上の登録店の店頭で回収。西川テックスで1枚ごとに独立した工程で解体洗浄する。足し羽毛なしのお手軽コースのほか、350グラムの足し羽毛を腹部と襟元部分に詰める「まごころ仕立て」のスタンダードコース、側生地に軽く、優れた透湿性や防塵性を備えたゴアメンブレンを接着したロイヤルスターコースを提案し、取り扱い件数を増やしている。

〈ソフトウエア需要高まる/ペガサスミシン製造〉

 ペガサスミシン製造の生産工程支援ソフトウエア販売が縫製産業以外の異業種からも注目されている。同社のソフトウエアは、現場改善、生産進捗(しんちょく)管理、検査管理システムなどがあり元来、縫製工場向けだが改修を加えることで他業種でも活用ができる。

 現場改善を目的としたソフトウエアは、パソコンなどの端末で二つの動画を表示し、ベテランと初心者の作業を同時に再生、比較分析することが可能で、動画から時間測定を行い、作業を数値化することで、ポイントを正確に把握できる。

 生産進捗管理ソフトウエアは工場全体の生産目標や、それに対して作業員一人一人の進捗具合をリアルタイムで管理できる。従来は、作業者の手元の端末に有線のコードをつなぐ必要があったが無線化し、通信機能で工場外のオフィスでも端末で常に生産状況が管理できる。

 検査管理システムではこれまで不良品の数量や不良項目を紙に手書きでチェックし、その後、パソコンへ入力するという作業が必要だったが、タッチパネル式のタブレット端末に指で直接入力することで、その場でデータ化することが可能になった。さらに通信機能でリアルタイムで不良品の発生状況を詳細に知ることもできる。

 こうした他業種でのソフトウエアの需要が高まっている背景には、あらゆる製造現場でIT機器がより身近なものとなっているという環境の変化に加え、高度な技術のデジタル化、早期人材育成、そして生産効率を高め、不良品を減らすために、生産データをリアルタイムで正確に把握することが必要となっていることがある。