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ミャンマー/繊維業界の生み出す利益労働者には行き渡らず

2017年01月05日(Thu曜日) 午後3時33分

 最新の報告によると、ミャンマーではアパレル部門の需要が伸び、いくらかの利益が出始めているものの、労働者は依然として権利の侵害に悩み、生計を立てるのにも困難な状態にあるという。「ミャンマー・ビジネス・ツデー」が報じた。

 権利擁護団体のプログレッシブ・ボイスが繊維労働者199人を対象に行った調査により、2015年9月に成立した現行最低賃金額(日額)が62%にマイナスの影響を与えていることが判明した。

 報告によると、対象となった労働者の半分が新しい最低賃金法により手当やボーナスを失っており、3分の2以上が規制の厳格化や期待される生産高の上昇により労働環境がより厳しくなったと回答しているという。

 3600チャット(308円)に定められた日額(8時間労働)の最低賃金はアジアで2番目に低い額であり、ミャンマー政府によって提案された際には「正しい方向に進むために必要なステップである」として労働者や活動家には渋々了承された一方、工場オーナーたちからは「労働コストの上昇が外国からの投資を妨げる」と非難された。

 しかしながら繊維業界はますます繁栄し、一方でインフレや日用品の価格上昇などによる生活費の上昇により労働者達の生活はますます厳しいものとなったという。

 「生まれた利益の大部分は労働者に行き渡っていない。最低賃金がいい例だ」とプログレッシブ・ボイスはみる。

 「最低賃金が採択されたこと自体は良いことで、基本的な賃金は上昇したが、日用品や一般的な生活費の上昇により労働者はいまだに生計を立てるのに必死な状況」「政府は現在の最低賃金額を見直し、また最低賃金が生活費の上昇に伴う生活賃金を反映するようなメカニズムを確立するべき」と言う。

 さらに、調査対象となった労働者の半分以上がマネジャーや管理者との、「言葉による不当なプレッシャー」から「言葉や身体的な暴力」に及ぶ「問題」を経験しており、最も一般的なものとしては時間外労働の強要や解雇の脅迫などによる期日までの完成に対するプレッシャーが挙げられている。

 「政府は労働者の権利を守り、ミャンマー繊維業界の“底辺への競争”への参加を阻止する義務がある」とプログレッシブ・ボイスは指摘し、「現政権は民衆の支持が厚く、労働者を保護する法案を成立させることができる。そのため、労働者の権利を植え付け、工場に最良の習慣を確立するためには格好の立場にある」言う。

 今回の報告書は、国際労働機関の中核条約の批准や、ILO条約に沿うよう労働組合法と労働争議法の両方を修正する事などの、政府に対する幾つかの提案も含んでいる。

〔アパレルリソース・イン・インドシナ〕