過去最高の2403万9千人/16年訪日外客数22%増/日本政府観光局推定

2017年01月20日(Fri曜日) 午前11時20分

 日本政府観光局(JNTO)はこのほど、訪日外客数の2016年推計を発表した。それによると、16年の訪日外客数は前年比21・8%増の2403万9000人で、JNTOが統計を取り始めた1964年以降、最多の訪日者数となった。クルーズ船寄港数の増加や航空路線の拡充、これまでの継続的な訪日旅行プロモーションに加え、ビザの緩和、消費税免税制度の拡充などが主な増加要因として考えられる、という。

 国・地域別では、主要20カ国・地域のうち、ロシアを除く19カ国・地域が年間での過去最高を記録した。中でも中国は前年比27・6%増の637万人と全国・地域で初の600万人台に達し、昨年に引き続き最大訪日旅行国となった。加えて、韓国が初めて500万人を、台湾が初めて400万人を超え、香港を加えた東アジア4カ国・地域は、前年比23・1%増の1700万人超となった。

 欧米豪9カ国は前年比17・7%増の295万6000人と300万人に迫る規模となり、堅調に増加した。

 JTTOがまとめた東アジア4カ国・地域の概況は次の通り。

●中国 初の600万人台

 中国の訪日旅行者数は前年比27・6%増の637万3000人で過去最高を記録し、初めて年計で600万人を超えた(これまでの過去最高は15年499万3689人)。

 個人旅行(FIT)とクルーズによる需要の高まりと航空路線の拡充を背景に、年間を通して毎月40万人以上の送客が続き、全ての月で同月の過去最高を更新、7月には全国・地域で初めてとなる単月70万人を記録した。

 訪日旅行プロモーションでは、同国のFIT化を捉え、「深度游(体験型観光)」をPRする特設サイトの開設、15年に要件が緩和された東北個人数次査証をフックにしたプレゼントキャンペーン、オンライン・トラベル・エージェント(OTA)と連携した訪日旅行商品の販促、KOL(Key Opinion Leader)招請による訪日旅行魅力の発信などを通じて、重点ディスティネーション地域に定めた九州・東北を中心とした地方の魅力を訴求し、リピーターの獲得や訪日目的の多様化を図った。

●韓国 500万人超える

 韓国の訪日旅行者数は27・2%増の509万300人で過去最高を記録し、初めて年計で500万人を超えた(これまでの過去最高は15年400万2095人)。韓国の外国旅行者数の増加傾向や、相次ぐ格安航空会社(LCC)の新規就航等に伴う座席供給量の拡大などを背景に、単月で初めて50万人を超えた1月以降、毎月30万~40万人台の送客が安定して続いた。

 九州への旅行需要が高い国であるため、16年4月に発生した熊本地震による影響も心配されたが、集中的な販売支援等により訪日者数は順調に回復した。

 「テーマ性のある旅行」をフックに地方への誘客を促進するため、中国・四国地方を16年度の重点地域に定め、「知れば知るほど、行けば行くほど、日本」のキャッチコピーを用いたCM動画の放映をはじめ、対韓国として初の試みとなる人気ユーチューバーを起用した臨場感あふれる動画配信、民間企業と連携した企画など、多岐にわたる訪日旅行プロモーションを通じて、地方の多彩な魅力を発信し、訪日意欲を喚起した。

●台湾 400万人台に

 台湾の訪日旅行者数は13・3%増の416万7400人で過去最高を記録、初めて年計で400万人を超えた(これまでの過去最高は15年367万7075人)。全ての月で同月過去最高を記録、台湾の外国旅行先の中でも、1月から10月まで連続して首位を保持した。

 年間の動向としては、年初から初夏にかけては、15年からのLCCを中心とした航空路線の拡充によりFITを中心に順調に推移したものの、前年比での円高基調の継続や、台風による航空便の欠航、Vエアの撤退やトランスアジア(復興)航空の解散による座席供給量の減少など、訪日にとってマイナスとなる外的要因が重なり、訪日旅行プロモーションの効果が発揮されにくい状況に転じた。

 そのような中でも、東北、中国、四国地方のPRに力を入れ、デジタル旅行博での販売促進や、台湾のインフルエンサーを起用した動画の制作、消費者向けイベントの開催などの訪日旅行プロモーションを通じて、積極的に地方分散化に取り組んだ。

●香港 全月で最高更新

 香港の訪日旅行者数は20・7%増の183万9200人で過去最高を記録した(これまでの過去最高は15年152万4292人)。年間を通して毎月10万人以上が訪日し、全ての月で同月過去最高を記録するなど好調が続いた。

 リピーターの割合が大きい香港ヘは、15年から四国を、16年から中国・四国を重点的にPRし、訪日需要の地方分散化に取り組んだところ、岡山・高松・米子への航空路線の新規就航が相次いだ。特に四国は2年にわたる消費者向けの取り組みにより、高松線が就航後まもなく増便され、航空会社の予想を上回る需要につながった。

 訪日旅行プロモーションでは、従来の「Rail & Drive」のコンセプトに代わり、「リラックスや癒しの旅(ゆるたび)」を採用。ウェブサイトや会員制交流サイト(SNS)を通じた情報発信、旅行雑誌社の招請など、同コンセプトに基づいたメディアミックスを展開し、宣伝効果の最大化を図った。