不確実性の時代 どうするテキスタイル産地(1) 北陸(前)

2017年01月31日(火曜日)

福井県織物工業組合 理事長 荒井 由泰 氏

後継者確保が最大の課題

 国内外の情勢が不透明感、不確実性を増す中、日本のテキスタイル産地はさまざまな課題と向き合いながらモノ作りを進めている。北陸、尾州、播州――各産地の状況を探る。まず北陸産地編として、日本絹人繊織物工業組合連合会と福井県織物工業組合の理事長を兼任する荒井由泰氏(ケイテー社長)に、北陸化合繊織・編み物産地の現状と課題、今後の展望を聞いた。

  ――北陸産地の現状はいかがですか。

 商品や取引先による各社の業績の差が開いています。資材が良く、衣料品が悪いというような単純なものでもなく、企業間格差の広がりが顕著になっています。撚糸工程などボトルネックの顕在化も今の産地状況を象徴する出来事です。

  ――産地が抱える最大の課題は何でしょうか。

 後継者の確保でしょうね。

 例えば福井産地には約200軒の機業が存在しますが、後継者を確保できているのは半分もないかも知れません。組合としても、どこまで減るのかという強い危機感を持っています。

 後継者だけでなく、人手そのものも不足しています。福井県は有効求人倍率が東京に次いで全国2位。特に繊維の工場では募集をかけても応募がないことも多い。収益体制をしっかりと整え、人件費を引き上げていくことが解決策ですが、海外研修生制度の積極的な活用も推進していかなくてはなりません。

  ――課題克服に向け、組合事業として何か手立てはありますか。

 情報共有、横連携の強化を目的に本年度から「ふくい適塾」という事業を立ち上げました。経営者と現場の実務者が対象で、約60人が参加してくれました。各社が抱える課題や悩みをオープンにして皆で討議するというもので、好評を受けて次年度も継続する予定です。

  ――若手人材という点ではITOMOの積極的な活動も目立ちます。

 福井県繊維協会傘下の企業有志で結成する若手の会ですが、非常に重要な取り組みだと思います。産地活性化に向けて当組合も全面的にバックアップしていくつもりです。