メーカー別 繊維ニュース

技術の眼

2017年02月02日(木曜日) 午前11時13分

 「技術の眼~NEW WAVE GENERATING TECHNOLOGY~」では将来的にニューウェーブを巻き起こすような重要な技術になりうるかもしれないものにスポットを当て、紹介する。

〈YKKスナップファスナー/通常の半分以下に軽量化〉

 YKKスナップファスナーは昨年秋から「オール・アルミボタン」をジーンズやカジュアル分野に本格販売している。タックボタン、ソーオンボタン、リベットバーの3種で、通常品の半分以下の軽さが特徴だ。

 タックボタンやリベットバーの原材料は黄銅(ブラス)を中心に、丹銅、白銅などが使われるが、アルミは主にタックボタンやリベットバーのシャンク(生地を打ち抜く釘状部分)部へ使用されている。オールアルミ製でボタンを作れば、ブラスが1個1.5グラムに対し、0.6グラムと半分以下に軽量化できる。デニムジャケットにボタンを多数付ける場合などに最適だ。

 しかし、アルミはメッキしにくい素材のため、これまでボタン使用には至らなかった。同社は「表面に特殊加工を施すことでメッキ処理を可能にした」。オールアルミのソーオンボタンは塗装後にレーザー彫刻することでデザイン性にも優れる。

〈東洋紡とユニオンツール/ウエアで居眠り運転検知〉

 東洋紡と工具・測定機器・医療機器製造のユニオンツール(東京都品川区)はこのほど、東洋紡のフィルム状導電素材「ココミ」を使った居眠り運転検知システムを共同開発した。2017年中の販売を目指して実証実験を行っている。

 従来の居眠り運転検知システムは心拍周期を検出するためにベルトで締めるタイプやジェルで体に電極を張り付けるタイプが使われていた。このためベルト型は締め付け感があり、ジェル型はベタツキ感があるなど課題があった。

 こうした課題を解決するために、このほど東洋紡のフィルム状導電素材「ココミ」を使用した肌着で心拍周期を検出するシステムを開発した。ココミは薄く、伸縮性があるため自然な着心地のウエアラブルデバイスを実現できる。従来システムと比較して装着時の着心地が改善しながら、検知精度は変わらない。

〈帝人と関西大学/組みひも状センサー開発〉

 帝人と関西大学は、ポリ乳酸繊維を使った圧電体を組みひも状にしたウエアラブルセンサー「圧電組紐」を開発した。1本のひもで伸び縮みや曲げ伸ばし、ねじりなどの動きのセンシングが可能で、ファッションやスポーツウエアなど幅広い用途での展開が期待できる。

 伝統工芸である組みひも技術を圧電素子に採用した。圧電繊維(ポリ乳酸)と導電繊維の同軸2重組みひも構造であるため、さまざまな長さ、サイズ、形状に適用できるほか、低ノイズ・高感度、温度変化の影響を受けない、大きなCPUや回路が不要といった特徴を持つ。

 「重要なポイントになる」のが織・編み物や刺しゅうなどに使用できること。衣料品のデザイン性やファッション性、着用感を阻害することがないため、通常の衣料品に組み込んでデータを取れる。インナーではなく、アウターでモーションセンシングが可能なことも大きな利点だ。

〈ボンユニ大阪/「暖房服」を発売〉

 ボンユニ大阪は、電熱線で被服内を暖かくする「暖房服」を発売する。

 東京の電機メーカーが開発した「HOTOPIA(ホットピア)」という名称の通信機能を持つウエアラブル電熱システムを採用した。これまでスポーツ・アウトド分野でホットピアを採用した商品はあるが、サービスユニフォーム分野での採用は初めて。

 今回発売する“暖房服”はベストタイプで、背中と腰部分に入れた電熱線を、ポケットのバッテリーを使って暖める仕組み。従来の同じ原理に基づく商品と異なるのは、電熱線の一本一本がループしニット状になっているため、ストレッチ性があり張力が加わっても断線しにくくなっているところ。バッテリーをより小型化し通信機能を持たせたことにより、スマートフォンで電源のオンオフ、暖かさの調節も可能。USB端子から充電し、一回の充電で8時間継続して暖房効果が得られるという。

〈シンメン/電動ファン付きウエア〉

 ワークウエア製造卸のシンメン(広島県府中市)はこのほど、電動ファン付きウエア「エアーS」(仮称)を開発した。通常のファン付きと特殊な形状のファンを持つ2タイプを今春から発売し、開発に協力したクロダルマ(府中市)からも一部の商品を「エアーセンサー1」として発売する。他社製に比べ価格面で優位性を持たせる。

 バッテリーとファンは、ヒーター付きジャケット「暖房服」を展開する豊鷹(大阪府羽曳野市)と共同で開発した。ファンは、横から空気を取り込む通常の円形タイプと、下から空気を吸い上げる縦型の筒状の形をしたタイプを投入。

 バッテリーのセルは安全性や信頼性が高いサンヨー製日本セルを使い、7.2ボルトの「強」であれば約8時間の稼働が可能。ファンに電気を送るケーブルをつなぐDCコネクターに加え、USBコネクターを採用し、バッテリーそのもの充電や、携帯電話の充電もできる。

〈三陽商会/花粉対策コート発売〉

 三陽商会は今年も、紳士・婦人服7ブランドが「花粉プロテクトコート」13型を全国百貨店中心に順次発売している。奇麗な色で春のおしゃれを楽しみたいという顧客に向け、1着でベーシックカラーと明るいカラーの両面が着用できるリバーシブルコートや、春の羽織り物として活用できるブルゾンタイプまで、着用する時期とシーンに合わせた商品を投入した。

 同社の紳士服は2007年から、婦人服は10年から花粉プロテクトコートを販売してきた。今シーズンは紳士服が「マッキントッシュ ロンドン」「プリングル 1815」、婦人服では「マッキントッシュ フィロソフィー」「アマカ」「エヴェックス バイ クリツィア」「トランスワーク」「ポール・スチュアート」が展開する。

 婦人服のマッキントッシュ フィロソフィーは、ベーシックカラーと明るいカラーの両面で着用できるリバーシブルコートを販売。雨対策として撥水(はっすい)性も備える。