不確実性の時代 どうするテキスタイル産地(4) 尾州(後)

2017年02月03日(金曜日)

合繊複合素材に期待

 尾州毛織物産地に久々の活気を与えた紡毛ブームは、16秋冬に踊り場に入った。17秋冬に向けては、「ウール、ウールした生地」を敬遠するムードが顧客の間に広がったため、合繊長繊維を経に用いた生地など、合繊複合素材を提案する企業が尾州では目立っている。これらがどの程度受け入れられるかが、今年の尾州の景況を左右するだろう。

 紡毛織物の生産は、昨年前半までは仮需に支えられ堅調だった。ところがその後失速。日本毛整理協会のまとめによると、2016年の紡毛織物の加工面積は前年比16・5%減少した。紡毛の糸や生機の在庫もかなり残っているとみられている。主力の梳毛織物も30・9%減、合繊織物も9・4%減となり、織物全体では24・2%減となった。

 17秋冬も、紡毛織物に一定の需要はあるとみられるが、糸や生機在庫があるため、昨年とは打って変わって見込み生産の動きは鈍い。加えて、合繊ライクの生地が17秋冬婦人服地素材として浮上するとの見方が強まったことを受け、尾州の親機(産元と同義)は、経に合繊長繊維を採用した生地など、合繊絡みの生地の企画に力を入れた。昨年10月に東京で開催された尾州の服地の展示会、「ビシュウ・マテリアル・エキシビション」では、北陸とは異なる尾州ならではのさまざまな合繊絡みの生地が披露され、来場者の関心を集めた。

 これらの生地への発注は、一部で入り始めている。ただ、紡毛織物生産の減少を補うほどの量にはならないとの見方が強い。尾州産織物の主要ユーザーである、百貨店を主販路とするアパレルが苦戦していることがその背景にある。長繊維を経に使った生地を織ることが可能な工場が尾州では限られていることも悲観派の論拠の一つだ。

 ここに来て、品質、生産管理の基準を北陸に近づけることで、価格を「生地選定のテーブルに乗る水準」まで下げようとする動きが、一部の染色整理工場で出てきた。この動きが今後どのような変化をもたらすかが、今後の注目点だ。