不織布100選(64)~成長する理由~日本バイリーン 空調資材/提案型で新市場創出

2017年02月06日(月曜日)

 1960年代初めに空調資材の展開を開始した日本バイリーン。同社が販売する「フィレドンエアフィルタ」が、プレフィルター(粗じんフィルター)の代名詞とも言える存在となるなど、空調資材分野で確固たる地位を築いてきた。ろ材から加工まで一貫で手掛けている強みを生かして開発した製品を提案し、市場拡大を図っていく。

 フィレドンエアフィルタは、合成繊維不織布を素材に、低圧力損失かつ高い捕集率を誇るプレフィルター。ブランド認知度が高く、「プレフィルターと言えば、フィレドンエアフィルタと認識されるようになっている」(中村達郎理事空調資材本部本部長)など、同社空調資材本部の中核を成す製品と言える。

 このプレフィルターを軸に製品開発を行っているが、ろ材から加工まで一貫で手掛けていることが強みであり、中村本部長は「一貫生産によって顧客の要望に細かく、的確な対応が可能」と自負する。メルトブロー製フィルターや脱臭ろ材の生産・販売がその一例になるが、近年では防虫用のプレフィルターが高い評価を獲得している。

 通常、防虫対策には中性能フィルターが用いられるが、ランニングコストなどの点で問題があった。同社の防虫対策用プレフィルター「ムシトルファー」は、虫の侵入経路となるフィルターとフィルター枠の隙間をなくしたほか、交換も容易であるなどさまざまな工夫を施している。食品工場や倉庫などでの採用が進み、年率約2倍の伸びを見せていると言う。

 空調用資材の国内市場は、20年のオリンピック開催などを控え、都市の新開発が進む東京を除けば、楽観できる状況にはない。中村本部長は「フィレドンエアフィルタやムシトルファーに続く製品の上市が大きな課題になる」とした上で、「顧客の声を拾い上げて製品を開発していく。それを提案することによって、新たな市場を創出する」と力を込めた。

 現在は、オフィスビルや工場の空調用フィルター・システムの展開がメインとなっているが、空調資材本部では複合機をはじめとする機器用のフィルターも取り扱っている。機器関連では、複合機のトナーの定着ローラーなどから出る粒子を止めるフィルターなどを販売しており、欧州市場を中心に動きが出始めている。

(毎週月曜日に掲載予定)