不確実性の時代 どうするテキスタイル産地(5) 播州(前)

2017年02月06日(月曜日)

北播磨地場産業開発機構 理事長 齋藤 太紀雄 氏

環境変化への対応進める

 日本随一の先染め織物産地、播州で織布、染色、整理加工の各組合をつなぎ産地振興に取り組む北播磨地場産業開発機構の齋藤太紀雄理事長(斎藤商店会長)に産地の現状と課題、展望を聞いた。

  ――産地の現状は。

 生産量減少が2年続き、昨年は10%超とその幅も拡大しました。前例のない落ち込みです。店頭不振による備蓄生産品の絞り込みで数字が過大に出ているとはいえ、受注生産も芳しくありません。

  ――その要因は。

 備蓄品減少には同質化への飽きと差別化志向の進展がありますが、この2年、アパレルやSPAの大口受注が海外に流れたのも響きました。数年前の国内生産への回帰の期待も、前提として海外の織布スペースが潤沢に埋まってのこと。残念ながら、現状は逆です。

  ――シャツ地一辺倒からの脱皮も。

 播州織総合素材展を6年前に産地開催に戻した時点でその必要性の認識は皆にありました。この間、シャツ以外への産地の認知は成果がありました。今回の東京開催再開で、生地ブランドや2次製品を軸に据える企業も増え、産地に迫られた変化への対応してきた姿勢を、新たな顧客に随所に見てもらえるはずです。

 為替に一喜一憂し、各工程で負担を分担して量を追い求める無益な消耗戦を避け、量は増えないことを大前提に、生産額をどう増やすかに知恵を絞る必要があります。

  ――産地維持には一定の量も必要です。

 産元には事業継続意欲のある機業をバックアップする姿勢も必要ですが、独自開発の生地自販に取り組む機業も増えています。こうした動きを応援すべきで、機業側でも流通やリスク分担など産元の機能をもっと“利用”する姿勢も必要です。

 西脇ファッション都市構想の始動で、デザイナー志望の若手人材も産元にも機業にも入り始めています。衣料、非衣料を問わず製品提案の余地を広げる、受け皿の整備にも着手しています。