不確実性の時代 どうするテキスタイル産地(6) 播州(後)

2017年02月07日(火曜日)

明快な差別化求められる

 播州織産地では1~3月、産元段階で春夏物が決着し秋冬物への移行が進むが、16春夏は「惨敗」との認識が産地で決定的となっている。

 当初から低調だった受注は「1~3月も悪すぎ」、好転の兆しは見えない。播州織産元協同組合の集計による成約数量も、1月は150万ヤード台と前年を大きく割り込む。長引く店頭不振でアパレルが発注数量を絞り込んだ上、無地トレンドなどの悪条件も重なり、差別化品と低価格品の二極化がさらに進行した。結果的に既存品番での数量減や、数量がつかないケースも目立った。

 「依然、今春夏向けで依頼が来ている」という細番手高密度品や高密度ジャカードなど一部に人気素材もあるが、「特定機業に生産が集中し、差別化も難しくなる」と必ずしも歓迎しない声も聞こえる。

 ユニフォーム向けは唯一動きが活発だ。北陸産地の生産スペース減少も受けて、オフィス用を中心に年末の試織依頼も例年より多いといい、今後の受注増に期待がかかる。

 一方、17秋冬向けも、8月店頭向けから今月出荷がスタートする。婦人物で「試織、見本作りを終え、バルクの話もちらほら」と状況好転を期待する声も一部にあるものの、「展示会の反応は低調で、数字がつかない」「6月まで試織依頼もなく、柄も絞り込む。春夏以上の状況悪化も懸念して“超弱気”」と悲観的な見方も多い。備蓄品も「トレンドが読めず、かなり慎重」という。

 先染めがトレンドを外れるなか、多少はトレンド感のあるスポーツミックス対応で機能系の合繊やウールなど複合素材の拡充を進めるが、「“必ず播州でないと”という明快な理由のない素材はますます戦えなくなる」との認識が各産元で深まる。

 今後、原料段階の差別化や、アパレル直販、2次製品を含めて産地内で加工度を上げて利幅を確保するなど、川上・川下双方に触手を伸ばしながら差別化を求める努力が各社で加速しそうだ。

 輸出に数量増の活路を求める声も複数聞かれた。ある産元商社が「母数は小さいが、伸び率は数倍」と言うほか、対米輸出拡大に向けて新たに海外出展を検討する産元もある。(おわり)