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カンボジア衣類産業/TPP廃止で脅威薄らぐ/水準高める機会喪失との指摘も

2017年02月07日(Tue曜日) 午前11時5分

 ドナルド・トランプ米国大統領が大統領令により、環太平洋連携協定(TPP)から米国を離脱させたことで、カンボジアでのアパレル産業の競争力低下の懸念が後退することになるだろう、とアナリストらは述べた。同時に、TPPがもたらしたであろう各種水準向上の機会を失うことになったとの指摘もある。「クメール・タイムズ」が報じた。

 「米国は第2位の衣料品輸出先であるため、TPPが廃止になればカンボジアのアパレル産業における脅威は薄らぐことになるだろう」と調査会社、メコン・ストラテジィック・パートナーズ社のデイビッド・マーシャル共同経営パートナーは述べた。

 TPPはアパレル産業に対する関税をほとんど撤廃させる予定であったため、カンボジアの衣料品輸出は、12の環太平洋諸国の一員として貿易協定に署名し、議会で間もなく批准してこの恩恵を受けようとしていたベトナムに敗れ去ることが懸念されていた。

 「トランプ政権がTPPから撤退すると宣言したことで、カンボジアは当面救われたと言えるだろう」とバウアー・グループ・アジアのカンボジア担当マネージング・ディレクター、デイビッド・バン氏は述べた。

 「カンボジアでは、外国直接投資(FDI)がベトナムへ向かうのではないかと心配してきた」「トランプ大統領は地域協定ではなく2国間協定を望んでいるため、カンボジアは最終的に、米国と2国間協定を締結するチャンスがあるかもしれない」と同氏は続けた。同時にバン氏は、カンボジアが米国との2国間協定を締結するのは容易なことではないとも指摘した。

 一方、オクシデンタル大学(米・ロサンゼルス)のイヤ・ソファル准教授氏は、「米国のTPP離脱がカンボジアの利益に大きな影響は与えないと考えている。他国が成長しない中で、カンボジアが急成長することはないためだ」と語る。

 同氏はさらに、「(TPP廃止による)本当の損失は、TPPによって促進されたであろう高い基準の導入だ。カンボジアは参加に否定的だったが、もし参加していたならば環境や労働水準が向上し、国や労働者に恩恵がもたらされていただろう」と述べた。

〔アパレルリソース・イン・インドシナ〕