本土工場移転加速か/米中摩擦で香港企業

2017年02月07日(Tue曜日) 午前11時5分

 米中間の貿易摩擦に懸念が高まる中、香港企業が中国本土の生産拠点を海外に移転するとの見方が広がっている。トランプ米新政権が中国に高税率の関税を打ち出した場合、「メード・イン・チャイナ」の製品が強い打撃を受けるためだ。1日付「明報」が伝えた。

 業界団体の香港中小型企業聯合会(HKSMEA)の劉達邦(ダニー・ラウ)名誉会長によると、本土に生産ラインを持つ会員のかばんメーカーは、本土工場を移転して、米国向け輸出の関税を回避するよう米国顧客から要求を受けた。移転すれば従来通り同社に製品を発注して、値下げ交渉も行わないと告げられたという。このメーカーは現在、カンボジアへの工場移転を検討している。

 劉名誉会長は、米国が関税の徴収対象となる製品の範囲を広げる恐れがあるとみて、自身の本土工場も東南アジアに移転することを検討していると明らかにした。

 同大統領は「中国からの輸入品に45%の関税をかける」など、対米貿易で巨額黒字を稼ぐ中国を目の敵にする発言を繰り返していた。米国が中国製品に対する高関税措置を実際に打ち出せば、中国からの対米輸出で上位を占める機械・電気製品や家具、玩具、紡織品、金属製品、靴・傘といった軽工業品などが打撃を受けるとの見方もある。

 一方、劉名誉会長は、米中間の貿易摩擦が過熱しない状況に落ち着く可能性があることや、トランプ政権が中国に高関税をかけても一部製品にとどまることもあり得ること、工場の有力移転候補先である東南アジアにも高関税措置を取ることが考えられることを挙げ、「安易に工場を海外移転せず、まずは状況を見極めて準備する必要がある」と呼び掛けた。

 香港有力経済団体の香港中華廠商聯合会(CMA)の李秀恒(エディー・リー)会長は、トランプ政権の政策動向が、香港企業が今年直面する大きな困難になると指摘。ただ中国製品に高すぎる関税をかけることはないとみて、本土工場を移転する場合は移転先のサプライチェーンや物流網など複数方面から判断する必要があると強調した。

〔NNA〕