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PVパリが閉幕/「量より質」の傾向強まる/最大課題はリードタイム

2017年02月13日(Mon曜日) 午後3時51分

 【パリ=吉田武史】「プルミエール・ヴィジョン(PV)・パリ2018春夏」が9日、閉幕した。事務局の正式発表はまだだが、各日本ブースや関係者の声、記者の視認によると来場者数は例年よりも少なかったもようだが、各日本ブースでは相反するように、手応えを強調する声が相次いだ。前週の「ミラノ・ウニカ」(MU)でも確認されたことだが、「量から質」への転換が欧州服地見本市でも顕著になりつつある。さらに輸出拡大への鍵は、リードタイムの短縮にありそうだ。

 3回目の出展だったサンコロナ小田は、初回で約100件、2回目で約150件の来客を集めていたが、今回は200社弱とさらに伸ばした。「対応しきれないほどの盛況」で、拡販への自信を深めた。ブース前面にカラーストックサービスのサンプルを展示したことや、メインフォーラムに5点が選出されたことなどが盛況に寄与した。

 2回目の出展だった柴屋も200件以上の来客があるなど盛況だった。前回展も200件弱と多くの来場者を集めたが、今回は角地で飲食コーナーの隣という立地が好影響をもたらした。ブース壁面をガラス張りにし、受付も設けずオープンな雰囲気を演出したことも来場者増に寄与したようだ。「実売はこれから」だが、2回の出展で好感触を得たこともあり、PVへの継続出展を決めている。

 初出展のリリーレース・インターナショナルも200件前後の来客を集めた。メインフォーラムへの6点含めフォーラム全体で14点という全出展者の中でも最多規模の選出があったことがブースへの誘導効果となったようだ。早速オーダーも入り、「手応えはかなり大きい」と拡販への自信をつかんだ。

 一方、PVの日本出展者の中で最古参の一社であるエイガールズは今回展で、顧客の選別を行った。「量より質」の観点でしっかりと商談を行える顧客を厳選、結果、「かつてないほどの手応え」を得た。今回は事前にシミュレーションを繰り返すなど「スタッフのプレゼンレベルの向上を試みた」ことも、商談内容の充実に大きく貢献したと言う。

 チクマのブースは「例年通りの客足」だったが、「狙っているブランドが足を運んでくれ質の高い商談ができた」。7回目の出展だったが、これまで小口を中心に成約は多数あり、「3年を経過して大きな花が開く感触はある」と言う。

 各日本ブースに今後の輸出拡大に向けた課題を聞くと、多かったのは人材の強化。次いで企画開発力の向上などだった。問題意識としてほとんどの出展者から示されたのは、リードタイム。欧州でもここ数年、「すぐに着分が欲しい」などスピードに対する要求が急激に高まっており、「備蓄していないと商売にならない」(宇仁繊維など)との声も聞こえる。

 逆行するように、日本の生産現場ではボトルネックが顕在化し、納期遅れなど世界の潮流とは相反する事例が頻発している。「納期管理などサービス面の充実が輸出拡大の成否を握る」(スタイレム)という認識は日本企業にも浸透しつつあるが、産地生産スペース縮小に対する抜本的な解決策は見いだせないままだ。