開発最前線 (4) 旭化成・繊維先端技術センター (前)

2017年02月14日(火曜日)

守山と高槻の拠点を集約して誕生

 旭化成の繊維先端技術センター(滋賀県守山市)は、かつて守山と高槻(大阪府)にあった研究開発拠点を集約する形で2008年に新設された。建物は総面積1万平方㍍で、オープン当初は将来のために余裕を持って作られたが、この間の研究開発設備拡充により現在はほぼ全てのスペースが埋まっている。

 旭化成の繊維事業本部ではベンベルグ事業部、ロイカ事業部、不織布事業部、レオナ繊維事業部の各事業部に直結して行うほか、技術開発総部が繊維に共通するテーマの研究開発を行っている。繊維に関わる研究開発人員は、技術開発総部で約80人、各事業部に直結する開発で約80人となる。

 研究・技術開発の機能は守山地区と延岡地区にある。延岡地区にはベンベルグ工場の技術開発室とベンリーゼ技術開発室、レオナ繊維工場の技術開発室に加え、技術開発総部の技術研究所、CNB事業推進室がある。そして守山の繊維先端技術センターには、ロイカ工場技術開発室、不織布技術開発部、レオナ繊維生産業務グループ、技術開発総部の商品科学研究所、ロボ電事業推進室、ライニング研究所が入っている。技術開発総部での研究開発は大きく言うと、セルロースナノファイバーなど中長期的な視野で新しく事業化を狙うものが延岡、大阪と連携して事業性をみながら開発を進めていくものが守山という形だ。繊維事業本部の技術開発総部と研究・開発本部の繊維技術開発センターのポストは同一責任者が兼務する形になっている。

 技術開発総部では繊維に共通するテーマの研究開発を行うが、特に重点を置くのが「コア技術のイノベーションによる既存事業の強化」と「新規高機能素材による新規ビジネスの創出」だ。コア技術に位置付けるのは①ポリマー設計技術②セルロース科学③繊維化技術――で、既存事業の強化はコスト、品質、生産性の向上などを含めて開発を進めている。

 技術開発総部の商品科学研究所では、より最終製品に近い段階で研究開発を行う。具体的にはテキスタイル技術、ウェアを着た際の快適性といった評価関連技術、糸の特徴を最大限に引き出すための商品設計などで、近年は研究所の設備を活用して顧客とともに価値を創り上げていく取り組みも増えている。