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MU・PVレビュー/輸出拡大への課題とは(上)/「人」の重要度は国内より大

2017年02月22日(Wed曜日) 午後4時16分

 「ミュンヘン・ファブリック・スタート」とともに世界三大服地見本市と称される「ミラノ・ウニカ」(MU)と「プルミエール・ヴィジョン(PV)・ファブリック」が会期を終えた。日本からはMUに40社・団体が、PVファブリックに47社(ニットウエア・ソリューションズ1社、メゾン・デクセプション9社除く)が出展、輸出拡大に向け、目の肥えた欧州バイヤーとの商談に精を出した。両見本市の日本出展者への取材から、日本のテキスタイル輸出拡大の課題を探る。

 本紙は2014年10月に掲載したMU、PVのレビュー連載の中で、「現地化」「カラー提案」「会話力」「改善提案」「“日本製”の訴求」「スピード」「継続性」――という七つの課題を挙げた。両見本市に出展する日本企業からは、「あの連載のコピーを全スタッフに配布して意識を徹底させた」「七つの課題を一つ一つ克服するようにし、結果もついてきている」といった反響も頂いた。今回の連載ではこの七つの課題に加え、各日本ブースから提示された諸課題を紹介する。

 「人的リソース(資源)の強化」(柴屋)、「人材育成が重要」(福田織物)、「スタッフのプレゼン能力を向上」(エイガールズ)など、「人」を課題に挙げる企業は多い。今回のPVが2回目の出展だった柴屋は今後の輸出拡大に向けて5カ国語を話せ、繊維業界での勤務経験もある人材を採用したが、今後も「質量の両面で」人的リソースを強化していく。

 エイガールズは継続出展していたMUを今回休止。その時間をスタッフのプレゼン能力向上に充てた。PVでは3人のスタッフが三つのテーブルをそれぞれ担当し、事前に約1カ月かけて研修してきた(1)どの生地を推すか(2)ブランドごとのコレクション提案(3)特別なコレクションの提案――を具現化し、「うまくいった」と言う。これまでは展示会後に「もやもやしてつかみきれない」という感触を持つこともあったが、今回は事前準備が奏功し、「達成感が大きい」と評価する。

 福田織物は今年を「輸出拡大に向けた人材育成の年」と位置付ける。4回のMU出展で「どんな生地が求められているかは分かってきた。あとは人材」として、語学の充実、輸出サイクルの確立など人材育成を重視し、輸出専任スタッフも置く。

 スタイレムは「人材(質と量)さえいれば、(輸出を)もっと伸ばせる」と言い切っており、輸出における「人」の重要性は国内事業よりも間違いなく大きいと言える。