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宇仁繊維/ブランド深掘り戦略推進/中肉素材で「メイン使い」狙う

2017年04月05日(Wed曜日) 午後2時38分

 宇仁繊維(大阪市中央区)は今後、「深掘り36ブランド推進委員会」と題したプロジェクトチームを立ち上げるなどアパレルブランドとの取引深掘り戦略を掲げ、さらなる業績拡大を目指す。これに伴って、「ブランドのメイン素材での採用を狙う」(宇仁龍一社長)ために中肉素材の開発、提案を加速する。

 同社はこれまで、不特定多数の顧客に小ロットから生地を即納するというサービス機能を強みに業績を拡大してきた。単体売上高が70億円(2016年8月期)を超えた現在、さらなる業績拡大に向けた基幹戦略が、大手アパレルブランドとの取引拡大だと位置付ける。

 今期を「助走期間」と位置付けてまずは売り上げ上位で、かつ今後も拡大が見込める12のブランドを独自に選定。3カ年計画で1ブランド当たりの年間売上高を3億円に引き上げることを目標とし、2年目に12ブランド、さらに3年目に12ブランドを追加することで全体の底上げを図る。

 現在の同社の販売先の中で最も売り上げが大きいブランドは2億円(今期見通し)だが、多くは1億円に満たない。ターゲットごとに戦略を見極め、個別提案を強化し、別注獲得を目指す。

 今期から社内で深掘り36ブランド推進委員会という横断組織を設置。委員長や副委員長を選定した上で、ブランドごとの担当者を実行委員として配置し、個別提案を推進している。

 同社の基幹商品はポリエステル薄地織物で、部分使いやインナー使いなどがメイン。今期から本格化した大手アパレルブランド深掘り戦略では「ブランドのメイン素材での採用を目指す」ことを重視、そのために中肉素材の企画開発を強めている。既に同系統の素材の販売も軌道に乗っており、ドレープ性のある割繊糸使いの中肉素材や、ワイドパンツ向けの中肉素材がアパレルに採用されるケースが増えている。インナー向けや部分使いでも引き続き拡大を図りながら、そこにアウター向けの中肉素材を加えることをイメージする。

 生産面でも、設備を同社が購入して貸与するなど関係性の深い北陸産地の機業、泰生(石川県羽咋市)の88台の織機の一部を中肉素材向けに活用するなど体制整備が進んでいる。

〈上半期は7.6%増収〉

 宇仁繊維の2017年8月期上半期単体業績は、売上高が37億円(前年同期比7・6%増)となり、営業利益、経常利益はそれぞれ6000万円、7600万円で、ともに前年同期からほぼ半減した。子会社の宇仁テキスタイルは売り上げ、利益ともに横ばいの5億円弱だった。

 宇仁龍一社長は、人件費が人員増などにより13%増えていることに売り上げの伸び率が届いていないことがやや不満としながらも、アパレル市況が悪化する中では「悪くない結果」と評価する。大手アパレルとの取引拡大戦略が一定進み、増強提案した中肉素材も好調に推移した。

 減益は一過性の特殊要因のため、通期ではほぼ前期並みを見込む。

 通期売上高は単体で75億円を見込み、海外現地法人を除くグループ売上高で93億円を想定している。