インド税制統一/中小7割が準備不足/事業運営で混乱の恐れも

2017年04月20日(Thu曜日) 午前11時5分

 インドで税制を統一化する物品・サービス税(GST)の7月導入が濃厚となった。州ごとに異なる間接税を一本化し、基本税率は5%、12%、18%、28%の4段階となる。政府は企業に対し、GSTの登録、申告、納税を管理するウェブサイト「GSTN」への登録を促しているが、インドの中小企業の7割で新税に向けた価格決定やシステム導入といった事前準備ができていないとみられ、事業運営の混乱が懸念されている。

 大手会計事務所KPMGとインド中小企業連合会(FISME)の共同調査によると、中小企業、とりわけ非組織部門で情報や時間の不足によって、GST導入に向けた用意が進んでいないという。関係者は、「中小企業の多くは準備できず、事業運営や支払いサイクルに混乱をきたす可能性がある」と指摘する。

 FISMEのアニル・バルドゥワジ事務局長は「インド小企業開発銀行(SIDBI)と協力し、零細・中小企業(MSMEs)向けに電話相談窓口を近く設営する予定。基本的な質問に即答できる体制を整え、複雑な課題についても48時間以内の解決を目指す」と語った。

 インド会計士協会のマノジ・ファドゥニス前会長は「日雇い従業員が大半を占める零細企業に打撃を与える可能性があり、失業者の増加を招く恐れがある」と危惧する。KPMGのパートナー、ワマン・パルキ氏は、「新税の枠組みが最終的に固まるまで、製品価格を決定できない企業も少なくない」と話し、課税品目に対して、最終的にどの税率が適用されるのかを早急に公表する必要があるとの見方だ。

 ジャイトリー財務相は、新税の導入に伴う問題について、「抜本的な税制改革となるだけに一時的に混乱も生じる」と述べた。インドでは外資を中心に煩雑な税制が参入障壁となってきたほか、政府にとっては、横行する課税逃れにメスを入れ、安定的な税収を確保する狙いがある。

〔NNA〕