ニイハオ!/丸紅繊維〈上海〉董事長・総経理に就いた 勝又 健 氏/調達の新しい仕組みを

2017年04月21日(金曜日) 午前11時17分

 低賃金を追い求め、中国からASEAN地域や北アフリカへと広がりを見せるアパレル製品のサプライチェーン。一方で情報技術を活用し、自動化を進めることで人件費の変動に左右されず、無駄をなくし効率よく生産しようとする動きも生まれている。

 こうした変革期に董事長に就任した。「今年は多くの顧客が(製品の)調達の仕組みをIT、IoT(モノのインターネット)を活用し、変えていく年になる。その仕組みの構築に貢献していきたい」と話す。

 丸紅に入社後、リビング部に配属され、ホームファニシング製品の輸入、販売を担当した。入社わずか3年目に、原料から製品までの一貫生産の仕組み作りに取り組んだ。当時のホームファニシング業界では、一貫生産はまだ珍しかったが、会社の方針に従い、顧客や日本、中国、台湾、韓国のパートナー工場と協力しながら、ゼロから新しい仕組みを作っていった。

 2004年にアパレル部門に異動し、インドでの棉シャツのOEM/ODMを担当。インドは生産管理の難度が非常に高く、当初は品質が基準に満たず、生産をやり直し、納期が遅れそうになることも度々あった。「時差もあり、残業も多く、ハードワークだった」が、「不可能だと思ったことを可能にする」経験を積んだ。

 11年には機能商品・ライフスタイル部ライフスタイル課長に就いた。メインの仕事は“チャイナ・プラス・ワン”だった。一方、中国の消費市場の成長が注目される中、日本ブランドの市場開拓のサポート業務も経験した。

 14年からは上海に駐在、大手SPAの生産管理の仕事に携わってきた。「この3年間、顧客の成長スピードについていきながら、高い要求に誠意をもってきめ細かく応えてきた」と振り返る。

 「中国の工場の役割は今後もある」というのが持論。ただ、もっとスピードの速い生産に変わっていくとみる。顧客のニーズとパートナー工場のアイデアに自社の情報力を組み合わせ、一歩も二歩も先を行く中国生産と、調達の仕組みを生み出していくことが今の目標だ。これまで一貫して新しい仕事に取り組んできた経歴が、大いに生かされることになりそうだ。(上海支局)

 かつまた・たけし 1992年慶応大・経済卒、丸紅入社。リビング部でホームファニシングを担当。2004年にアパレル部門へ異動。11年機能商品・ライフスタイル部ライフスタイル課長、14年丸紅繊維〈上海〉リテール業務部、リテール製品管理部副部長、15年同社リテール業務部、リテール製品管理部部長を経て、今年4月から現職。47歳。趣味は掃除と週末の家族サービス。