メーカー別 繊維ニュース

ベトナム繊維輸出/障害あるも拡大期待/FTAの広がりチャンスに

2017年05月08日(Mon曜日) 午前11時12分

 ベトナム国内の繊維産業は、欧州連合(EU)や米国など主要市場への輸出で多くの困難に直面したが、今年の輸出目標に到達する可能性はまだ残っていると専門家は言う。「ベトナム・ニュース」による。

 第1四半期(1~3月)の数字がこの予想を裏付けている。ベトナムでは今年第1四半期、繊維・縫製品輸出額が68・4億ドルに達した。ベトナム繊維協会(Vitas)によると、これは昨年同時期と比べて11・2%増だという。ベトナムの繊維・アパレル部門は今年、300億ドル以上となる前年比7%増を年間輸出目標と定めている。

 ベトナムの繊維・アパレル製品は現在、米国、日本、韓国、中国、EUなどの主要市場を含む40カ国・地域で流通している。Vitasは企業に対し、設備を最大限に活用し、生産コストを引き下げ、高品質製品の注文を求めるよう呼び掛けてきた。

 Vitas諮問委員会によると、EUに対する輸出額・量の成長率は低く、受注も低迷。ベトナムのアパレル産業はデザインといった面でも発展していないため、多くの繊維・アパレル企業がこの市場での競争が難しいと感じている。

 EU市場の8~12%という高い輸入税率もまた、この市場に対する繊維品輸出が直面する障害の一つ。

 ベトナム繊維品にとってEUは2番目に大きな輸出市場ではあるが、EUの輸入額から見れば1・9%のシェアしかなく、Vitasによれば、拡大のチャンスはあるという。しかし、優遇税率に関するベトナム―EU自由貿易協定(FTA)の原産地規則に見合うことは、ベトナム繊維品輸出にとって最大の難関となるだろうとみられている。

 ベトナムを含むASEAN諸国が、ASEAN地域とEUの間でFTAに署名することを繊維産業界は望んでいる。そうなれば、現地繊維企業が他のASEAN加盟国から繊維製品生産の原料を入手するオプションが広がり、FTAの原産地規則をクリアできることになる。

 税関総局のデータによると、繊維・アパレル部門の2016年輸出額合計は238億ドルであり、前年比4・6%増であった。とりわけ、米国が繊維輸出額合計の48%を占め、ベトナム繊維製品にとって最大の輸出市場であり続けている。繊維・アパレル製品の米国に対する輸出額は近年、毎年12~13%の割合で増え続けている。

 Vitasによると、予定されていた環太平洋連携協定(TPP)に向けて生産・ビジネスチャンスを拡大するため、多くの企業が大規模かつ集約的なスケールで繊維・染織工場の建設に投資を行った。米国を含むTPPはもはや実現しそうにはないが、こうした設備は、ベトナム―EUのFTAやベトナム―韓国のFTAなど、その他のFTAによる大きなチャンスに焦点を当て、繊維・アパレル産業が生産プロセスを完結し、積極的に原料を調達することを助けるだろうと専門家は期待する。

〔アパレルリソース・イン・インドシナ〕