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カンボジア/成長にわずかな陰り/近隣国との競争激化

2017年05月11日(Thu曜日) 午前11時46分

 カンボジアのイット・ソムヘーン労働・職業訓練相は1日、縫製・製靴産業の堅調な成長と雇用状況を賞賛した。しかし、縫製企業代表らは近隣国との競争の激化により成長にわずかなかげりが見えることも指摘した。「プノンペン・ポスト」が報じた。

 5月1日のメーデーを記念するイベントで、同相はカンボジアの縫製セクターは労働者の賃金上昇にもかかわらず順調な成長を続けていると述べた。同相によると、縫製産業は労働者75万人を雇用し、年間20億ドルの賃金を支給している。最低賃金は昨年10%近く上昇し、月額153ドルとなった。「他の手当と合わせると、労働者は月額およそ170ドルから181ドル支給されている」と同相は述べた。

 カンボジア縫製業協会のワン・ソウ・イエン会長は、主にミャンマー、バングラデシュとの激化する競争にもかかわらず、縫製産業は成長を続けていると述べた。同時に、「今日ではカンボジアでの発注を減らし、ミャンマーやバングラデシュに発注する企業もある」と指摘する。2017年第1四半期の輸出額は前年同期比4%の成長であった。「まだ生き残れているが、成長率は1桁%で大したものではない」と言う。

 同会長によると、縫製業協会には約600社が加盟しているが、加盟社の16年の総輸出額は68億ドル(前年比9%増)であった。この結果は過去数年間続いた平均年成長率10%よりわずかに低い。

 もっとも、16年7月以来、米国への旅行用品輸出が無関税となっており、その影響で縫製セクターの成長率は再び上昇するだろうと同会長は述べた。カンボジアには現在27社の旅行用品製造業社が登録されているという。

 「そのうち数社は工場建設を進めており、間もなく操業開始を予定している。カンボジア製旅行用品の輸出額は近い将来大きく上昇するだろう」と同会長は期待する。縫製産業は現在もカンボジアの中心的輸出産業であり、GDPの10%以上を占める。

 商業省のソーエン・ソファリー報道官は、ミャンマーやバングラデシュといった新興国との競争がカンボジアの脅威となりつつあるが、まだ対応可能であると述べた。同報道官は、ベトナムなど競合国に有利な環太平洋連携協定(TPP)から米国が撤退したこともあり、カンボジアの縫製・製靴産業は中期的には堅調に成長するだろうと予測する。「関税なしでカンボジア製品を輸出できる市場があれば常に成長を続けることができるだろう」と言う。

〔アパレルリソース・イン・インドシナ〕