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宇仁繊維と中央倉庫に見る生地と倉庫の関係性/時代とともに大きく変化/効率化の追求が活路

2017年05月24日(Wed曜日) 午前11時29分

 生地と倉庫は切っても切れない関係にある。織った(編んだ)生地は倉庫に保管され、顧客のオーダーを待ち、出荷される。ただ、その内容は以前と比べて大きく変質している。多品種・小ロット・短納期機能を強みとする宇仁繊維(大阪市中央区)と、同社が取り扱う生地のほとんどを保管する中央倉庫(京都市)との関係に、変質の一端が見て取れる。

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 中央倉庫は京都を本拠に、静岡や北陸、三備地区などに倉庫を展開。拠点のほとんどが繊維産地にあるが、それは産地で織られた(編まれた)生地の保管を主事業にしてきたためだ。海外シフト、産地の縮小などを背景に繊維品比率は減少中だが、何よりも変わったのはその保管・出荷の仕方という。

 今や3万5000点の生地を備蓄し、即納する体制を整える宇仁繊維と中央倉庫・城南営業所との関係は極めて深い。同営業所の繊維品比率は現在約半分で、繊維品のうち宇仁繊維の比率は8~9割に達する。宇仁繊維はメートル単位のカット見本から不特定多数の顧客に即納することで新進ながら業界に存在感を示してきたが、それを下支えしたのが、中央倉庫の保管・出荷システム。

 「以前は大ロットばかりだった。宇仁繊維さんによって小口、短納期という考え方が持ち込まれた」と湯浅章吾京都支店長は振り返る。「国内生産を残すという宇仁繊維さんの強い意志を感じ」、互いに即納システムを構築していった。

 毎朝一番に、宇仁繊維に最新の在庫データを送り、互いに共有する。そこからは休む間もなくオーダーが入り、それを速やかに出荷していく。オーダー件数は1日1000件、多いときで1400件に達する。夕方の締切時間までに入ったオーダーは全て即日出荷する。カット見本が7割を占めるため、カット要員の確保も重要なテーマ。最近になってカット見本オーダーの出荷残数をすぐに把握できるようにしたのは、オーダーが集中した際に適正な人員配置を取れるようにするためだ。

 カット見本が多いため、同じ生地に1日に何度もはさみが入ることもある。以前はその日何度目のカットかを把握するシステムがなかったために再度反物を探すというロスが生じていたが、回数を“見える化”して反物を改めて探すという手間を省いた。

 「できるだけ効率化しないと、1400点のオーダーはさばけない」(今西哲嗣城南営業所長)ことから、さまざまな工夫を凝らしてきた。「まだまだ改善の余地はある」として今後も効率化を図り、宇仁繊維の即納サービスに資す考えだ。それが、生地ビジネスを国内に残していく無二の手法だと信じながら。