メーカー別 繊維ニュース

特集 タオル&水回り(1)/強みに磨きをかける

2017年05月24日(Wed曜日) 午後4時30分

 タオル製造卸の2016年度業績は、自家需要用のデーリーユースを扱う企業を中心に全般的に堅調だった。今年に入り、やや停滞感も見られるが、強みである企画力やデリバリー力、商工連携に磨きをかけて飛躍へつなげる。

〈デーリーユース堅調/パーソナルギフト期待〉

 盛り上がりに欠けた16年のホームファッション市場で健闘したアイテムがタオルだった。量販店などでは天候要因を受けて売れ行きの鈍い寝装品の売り場を縮小し、代わりにスポットで扱いやすいタオル販売を広げる動きがあり、デーリーユースを扱うタオル卸の業績を押し上げた。デーリーユースを中心としたタオルのネット販売も好調だった。

 一方、ギフト用途は16年前半が堅調だったが、後半失速した。タオルギフトは香典の辞退による仏事需要の減少や、大規模結婚式が減りブライダル需要の伸び悩みを受けて、従来型の慶弔ギフトは縮小傾向にある。

 その中でパーソナルギフトが注目されている。雑貨ルートのパーソナルギフト需要があるとし、パーソナルギフトを扱う総合雑貨やアパレル雑貨など新規取引先が拡大して16年度売り上げが大きく伸びた製造卸もある。

 16年のタオル輸入重量(財務省貿易統計)を見ると、前年比4・6%増の7万1575トンに増加した。国内生産も前年から980トン増の2万620トンとなり、海外品、国産品とも堅調だったことが数字に表われている。

 動きが良かったタオルだが、今年に入りやや停滞感が出ている。大阪タオル産業振興会が会員企業を対象に2月に行った「タオル流通動向調査」では、企業の業況感を表す指数「業況判断DI」がマイナス0・57と、16年11月の前回調査時点のマイナス0・36から後退した。用途別では、特にギフト向けの勢いが鈍っているとの声が聞かれる。

〈国産タオルに存在感/製販の両輪で魅力高める〉

 16年の輸入浸透率は前年から0・1ポイント下がり78・6%(今治タオル工業組合調べ)。市場で今治、泉州を中心とした国産タオルの存在感が高まっている。中でもタオルギフトでは今治製タオルが圧倒的に求められている。

 輸入浸透率は1985年のプラザ合意以降、円高の進行で輸入品が大量に入るようになり、97年に40%台だった水準が、07年に80%台まで高まった。製造卸も海外調達比率を高め、産地からは「当時卸から忘れられた存在だった」という声も聞かれる。それが、今治タオルのブランディングの成功で潮目が大きく変わった。国産タオルが注目される中、産地のタオルメーカーが直営小売店で自販する動きも活発化している。

 プラザ合意以降、製造卸も急激な変化な中で企業数を減らし、存在価値を問われ続けてきた。そして国内産地との関わり方も改めて問われている。

 卸商の強みは企画力やデリバリー力、多用な商材の備蓄力にある。その強みを磨くとともに、「製販という車の両輪」(日繊商工)や、「最終消費者の視点を踏まえたモノ作り」(スタイレム)などで産地との取り組みを深め、産地だけ、製造卸だけでは難しいタオルの可能性をさらに広げることが期待される。

〈丸眞/「北斎ジャパン」好評〉

 丸眞(名古屋市守山区)の葛飾北斎の浮世絵をモチーフにした「北斎ジャパン」が海外で好評だ。1月にドイツで開かれた「ハイムテキスタイル」と、フランスで開かれた「メゾン・エ・オブジェ」では、同社のブースに合計600社以上が来場。日本の伝統的なデザインが好まれ、海外のバイヤーから高い評価を得た。

 同社は「となりのトトロ」や「ムーミン」などのキャラクター商品をバリエーション豊かに展開している。昨年、一昨年に出展したメゾンでは同商品を提案したが、さらに日本の文化を打ち出そうと、今年初出展するハイムに合わせて北斎ジャパンを企画した。

 北斎ジャパンはゴブラン織りを駆使し、北斎の作品「富嶽三十六景」などの絵模様を描いたマルチカバーやクッションカバー、日本製大判タオルのほか、ユニークな形が人気のラウンドビーチタオル、がま口ポーチ、風呂敷、手拭いなど幅広い商品をそろえる。

 両展では社員が着物を着るなどして“和”を前面に押し出し、北斎ジャパンをアピール。来場した600社以上のうち、30社ほどは既に商談が進んでいる。

 同社は2014年に海外事業部を立ち上げた。現在、7人の社員が在籍する。今後は海外市場の開拓を進める。

〈三位一体のモノ作り/野村タオル〉

 野村タオル(名古屋市中区)は、昨年の創業100周年に合わせ大正紡績(大阪府阪南市)と連携し、高級オリジナル糸「センチュリー」を開発した。大判バスタオル、バスタオル、フェースタオル、ハンドタオルを展開する。

 センチュリーは、超長綿クラスのインド綿を精紡交撚で甘撚りに仕上げた20番手糸。毛羽を抑えつつ、しなやかな感触でしっとりとした風合いを持つ。発売から1年がたち、売り上げなども上がってきている。

 同社はセンチュリーに加え、ほかのさまざまな国産糸も使い、今治ブランドを定番商品として拡充している。同社社訓の「三位一体」をモットーに、顧客、メーカー、自社が一緒になってモノ作りをするのが会社としての方針だ。

 主力商品はデーリーユース向けのタオル。さらに環境や健康を意識したオーガニックコットンを使ったオリジナルブランド・ギフト商品も展開している。

 昨年5月には創業100周年の記念式典を開催。同社のこれまでの歴史をつづった記念アルバムも作成した。同社は今後も次の100周年に向け、モノ作りを継承していく。