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特集 オフィス&サービスウエア17秋冬(2)/インタビュー/現況と今後の戦略・課題

2017年07月03日(Mon曜日) 午後4時52分

〈アイトス 社長 伊藤 崇行 氏/総合力生かしシェア拡大〉

 上半期(2017年1~6月)のオフィスウエア・サービス向けユニフォームの商況は前年同期比横ばいで推移する。

 当社の場合、レディースオフィスウエアは多様なユニフォームの中の一つのカテゴリーであるため、販売の仕方も専業メーカーとは異なる。

 例えば当社がメインとするワーキングウエアの既存の販売先でも事務職は必ずあるので、ワーキングウエアと並行してオフィスウエアも提案する。こうした品ぞろえの総合力、販売網の多さを生かした営業で市場シェアを地道に拡大していく。

 今秋冬はベストに加えベーシックラインで新商品を加えた。定番品として定着させたい。非常にシンプルなデザインで、価格面でも他社と比べ優位性があると考える。

 今後の課題は新規の顧客を開拓し販売量を増やすこと。ロットが増えればコストでメリットのある工場に大量発注でき、価格競争力が高まる。

〈ボンマックス 社長 外川 雄一 氏/テーラードの良さ追求〉

 今期に入って2月から5月までの商況はレディースオフィスユニフォーム、サービスウエア、ワークウエアとも堅調に推移している。中でもワークウエアは順調に拡大している。別注案件は前年同期にあった大型案件が今期は少ないものの、内容のある案件がしっかり取れている。

 17秋冬向けの新商品では、レディースオフィスユニフォームの「BONMAX」で、世界で初めてインビスタ社の「コーデュラ」ファブリックを採用したオフィスウエアを提案する。コーデュラファブリックは強さだけでなく、美しさやしなやかさも兼ね備えた究極の素材。ここ数年、ニット素材を活用した軽く、薄いジャケットなどが増えているが、新しい素材を活用し、BONMAXはテーラードほか、布帛の良さを追求する。ほかに「エフ・バイ・フェイスミックス」、ケアウエアの「ナチュラルスマイル」も新たな価値を発信する。

〈フォーク 社長 小谷野 淳 氏/オフィス、メディカル堅調〉

 今上半期(1月決算)は微増で推移している。オフィスウエア、メディカルウエアの両方が堅調。オフィスウエアでは「シルエットオーバーブラウス」が好評を得た。文化学園大学ファッションクリエイション学科と前ワコール人間科学研究所長で当社顧問の篠崎彰大氏、当社の産学共同開発商品で、着やすさと快適性を追求した。気候のためか夏物の引き合いがいいので、追い込みをかける。

 メディカルは今年から「チェロキー」のスクラブを発売し「ディッキーズ」と米国の二大ブランドを展開する体制になった。チェロキーは柄物のイメージが強いが、日本人にも着やすく機能的な部分を訴求し、定着させたい。

 サプライチェーンの改善で供給力をかなり向上させることができた。企画・営業を強化し積極的にシェアを高めていく。

〈サンペックスイスト取締役営業本部長兼営業5部長 坂本 伸夫 氏/カタログ合冊し相乗効果〉

 今期(2018年2月期)の第1四半期(3~5月)の商況は、カタログ商品はまずまずだが、別注案件が前年同期に比べて少なかった。

 カタログ商品は、食品工場向けユニフォーム、飲食・サービス向け、オフィスウエアの3分野が中心となる。今年は12月に18年度の飲食・サービス向けユニフォームで、二つのカタログ「SWiNG」と「FOOD SERVICE」を合冊する。18年1月からは新システムで物流も含めた統合した管理を行い、より効率的な商品供給ができるようになる。クロスコーディネート展開など商品バリエーションを広げ、相乗効果を生むと期待している。

 オフィスウエアを中心に20年以上の歴史を持つレンタルユニフォームは、アウトソーシングの需要増で追い風。さらに伸ばすため、来年から飲食・サービス向けにも力を入れる。

〈チクマアルファピア事業部 事業部長兼東京支店長 岩崎 敦史 氏/男女ペアウエアを核に〉

 2017年11月期上半期(2016年12月~2017年5月)の商況は、前年同期よりも若干の減少で推移した。オフィスウエアは多くの企業で年度替わりを準備する3月の需要が思ったほど伸びなかった。同時に3月、4月に寒い日が混じっていたことから夏物の本格的なスタートが5月の連休明けからと、前年よりも遅くなったことも影響した。

 17秋冬向けの展開では、本格的な男女ペアウエアの「ザ・フェローズ・バイ・ザ・ジャケット」の提案を強めていく。

 外国人観光客の増加で、安心・安全への信頼感を高めるために、運転手やスタッフのユニフォームをきちっとした物に変えようという動きは少なくない。上半期もホテルや、タクシー、観光バスなどの交通系の企業への販売は好調だが、引き続き提案を強化している。

〈カーシーカシマ 常務 増田 庸佑 氏/不透明市場で課題明確化〉

 16春夏商品は「可もなく不可もなく」、4月、5月の夏物が低調だった。今期(7月期)は前年並みの着地を予測している。ただし秋冬以降で既に決まった案件もあり、商流にあった提案と開拓を進めていく必要性を改めて意識している。

 市況は不透明というが、そういうときこそ自社の課題を明確にする必要がある。それにはユーザーの声を聞く。女性の活躍支援やワークライフバランスへの意識の高まりにより、福利厚生の向上や復職しやすい環境整備を進める企業が増えている。制服が貢献できるはず。

 課題はレスポンスの向上と、代理店の販売力をサポートするコト提案。目下は基幹システムの強化、マーケティング、企画、セールスの各機能の拡充を併行して進めている。工場の人材育成や物流強化も実行したい。

〈ハネクトーン早川 社長 早川 智久 氏/「カウンタービズ」浸透〉

 17春夏の商況は汎用性の高いグレーの新商品などが動きを見せ、いいスタートを切った。

 国内生産による高品質と上質な素材感、動きやすいストレッチ性を備え、サービスウエアとの融合を図った「カウンタービズ」が、他とは違う接客向けユニフォームとして浸透してきた。

 販売代理店からも「次の企画はどんなことをするの」と声を掛けられるようになっている。

 17秋冬は、ラッセルニット使いのジャケット(スタンドカラー、ノーカラー)、襟付きベスト、スカートの新商品を打ち出す。

 縦・横に伸びる快適なニット素材で、ポイントのサテン使いや“和”を感じさせるデザインも取り入れた。納得できるまで何度もやり直したブラック、ボルドーの色味が絶妙の華やかさと高級感を演出する。

〈セロリー 社長 太宰 幹夫 氏/次期売上高50億円に手応え〉

 本年度上半期(2016年12月~17年5月)は、主力のオフィスウエアの中でもニット製品の販売が好調で、前年同期比3%の増収だった。5月単月は前年同月比16%の増収となり、上半期の最終月を良い形で終わることができた。

 今年、サンプルの即日出荷を強めるため、埼玉県に物流拠点を新設した。少しずつ認知され、出荷量が増えてきた。清掃専門ユニフォームとして投入した「スキット」の販売も伸ばしている。

 下半期は、17秋冬向けにこの5~6年の中で最も多い新商品を投入する。久しぶりに打ち出す男女ペアユニフォームでは、ニットで動きやすくストレスフリーな着心地を追求した。

 来期は節目の50期目となることから、売上高50億円を計画しており、達成に向けて、今のうちからさまざまな仕掛けを作っていきたい。

〈住商モンブラン 社長 長尾 孝彦 氏/今期も10億円増めざす〉

 2017年5月期単体決算は、売上高が前期比9%増の116億円、営業利益は大幅増益となった。

 病院白衣、食品工場用白衣、介護ウエア、飲食・サービス業向けユニフォームなど全てのセグメントで売り上げが前年を上回った。とりわけカタログの定番商品の売れ行き好調が利益を押し上げた。

 エリアごとの売り上げの伸び率は、東京を中心とした関東エリアが最も大きかった。東京支店の移転、拡張、人員増などの営業強化策が奏功した。これまで西日本エリアの売上比率が高かったが、現在は西日本と東日本の売り上げはほぼ同水準になった。

 今期も引き続き商品バリエーションの充実、品質の向上、在庫能力アップと顧客サービスの充実に取り組む。目標とする20年度の売上高150億円達成は可能な範囲だと思う。今期も前年並みの売り上げ10億円の上積みを目指したい。

〈ジョア 社長 神馬 敏和 氏/ニーズに沿った商品開発強化〉

 本年度上半期(2016年1~6月)は、前年同期比2桁%の増収を見込んでいる。5月まで累計の売上高は11.9%増で、中でも夏物のオーバーブラウスの販売が好調だ。社長に就任して初年度となるが、良いスタートを切ることができた。

 17秋冬ではタカラトミーの「リカちゃん」とのコラボとしては第2弾を投入する。第1弾が好評だったこともあり、リカちゃんを活用したプロモーションを強める。

 生産面では国内の生産比率80~85%を維持している。協力工場の9割は、本社から移動時間1時間の圏内で、何か問題があった場合、すぐに駆け付け、顔を突き合わせて話ができる環境を作っている。

 2020年12月期には売上高20億円の目標を掲げている。今期から「商品開発グループ」を設置しており、より市場のニーズに沿った商品開発を強めながら、目標達成を目指したい。

〈アルトコーポレーション 社長 廣瀬 由武 氏/納入向け商品を強化〉

 前期(3月決算)は増収増益、売れ筋商品に絞った生産と販管費の見直しにより利益を大幅に改善できた。当社は別注のユーザーが多く、安定したリピートがある一方で、2次加工や刺しゅうなどのコスト、在庫管理の面で難しさもあった。事業所向けの定番品の強化が今後の課題だ。

 17秋冬商品ではより汎用性を高めたブルゾンとパンツのセットを定番商品に加えた。細身のシルエット、カラーはベージュで、工場から建設現場、軽作業などさまざまな業種に対応する。素材は綿60%のオリジナルで、いいものを作れたと自負している。17春夏に発売した「コーデュラ」を採用したワークショップ向けコンプレッションウエアは好調。今後はショップ、別注、事業所向けの納入とバランスよく拡大させていきたい。

〈神馬本店 社長 神馬 真一郎 氏/新しい価値、追求へ〉

 2017年6月期決算は、前期比増収で推移しそうだ。春夏商戦では3月の単月売上高が前年同月比で2桁%増となるなど好調だった。特に特殊構造による実用新案取得の「美形(ミカタ)スカート」を中心とした「美形」シリーズが主力商品になりつつあり、商品購入のリピート率が高まってきた。昨年から「美形パンツ」も打ち出し、商品群が充実してきたことも増収に寄与した。

 接客サービス向けの動きが活発化していることを受け、今期はさらに接客向けの市場開拓を強める。

 14年に開発した骨盤ケアサポート機能がある「美形パッド付き美形スカート」は個人で購入するケースが多く、より分かりやすい動画を作成するなど個人購入者への使用方法を簡便にアピールする。オフィスでの仕事環境が変わりつつある中で、新しいユニフォームの付加価値を追求していきたい。

〈ツカモトユーエス 社長 西村 隆 氏/独自の運用管理システム〉

 2017年3月期は、ワーキングウエアやサービスウエアは前期並みだったが、主力のオフィスウエアが堅調だったこともあり、増収増益だった。今期のオフィスウエアは、前期に良かった金融分野がマイナス金利で更新延期などの影響が出始めている。

 20年の東京五輪に向けて交通関係やビジネスホテルなどの更新需要が高まっているので、メンズスーツ分野の企画スタッフを増加するなど強化している。セキュリティー面からユニフォームの運用管理を依頼するユーザーも増えているため、独自のシステムを構築し、需要に応えている。

 生産面では前期に東南アジアでの縫製がキャパシティーオーバーした反省から、今期はニーズに対応できるように、ベトナムを中心にアセアン地域で工場を増やしていく。

〈アプロンワールド 生産管理部長 三浦 利幸 氏/高い評価を得たスクラブ〉

 今期(2017年12月期)は、食品、メディカル、サービス分野とトータルに安定し、上半期の業績は平均すると前年同期並みで推移する。

 特にメディカル分野では新商品のスクラブが高い評価を得ている。色の切り返しを巧みに使ったデザインや機能性、着心地の良さなどから、一部で生産が追いつかないくらいのオーダーを得ている。高級診察衣シリーズ「BIANCA BY KAZEN」のレディース診察衣は、話題のテレビドラマ「人は見た目が100パーセント」への衣装提供で注目を集め、医療関係ばかりでなく、化粧品関係の研究員などからも引き合いがある。

 引き続き各分野で、ハイスペックな商品から、値頃感のある商品まで幅広いゾーンの商品の開発に取り組み、ユーザーニーズに応えていく。

〈トンボ・ヘルスケア事業本部 執行役員 ヘルスケア事業本部長 福井 正人 氏/販売力強め、パイプ作り〉

 2017年6月期の売上高は、前期比5~6%の増収になりそうだ。上半期は、「キラク」ブランドを中心に介護ウエアや、検診衣・患者衣といったコンフォートウエアで他社と差別化した商品群の充実で売り上げを伸ばした。

 しかし下半期は、昨年大きく売り上げを拡大したコンフォートウエアや、昨年大型物件があった介護ウエアが伸び悩んだ。ただ、実質の販売は伸びており、18年6月期に向け販売力を強化し、2桁%の増収にチャレンジしたい。

 東京支社と本社に営業担当者を増員し、特に東日本、関東で取りこぼしがないように、エリアごとの有力な販売代理店に対して強いパイプを作る。販売が拡大していたコンフォートウエアは品質面、耐久性で評価され、安心感があるが、より求められる機能を追求しながら、独自性の高い商品開発で、競合に負けないように市場での優位性を高めていく。

〈ガードナー 社長 渡辺 英治 氏/生産拠点の強化 検討〉

 2017年度の上半期(1~6月)の商況は、期初に予定した案件をほとんど取りこぼさなかったこともあり、計画通り数%の増収で推移する。

 弊社のクリーンルームウエアは、半導体や自動車(塗装工程)、製薬・化粧品、食品向けが主だが、特に食品産業では依然として安心・安全な生産への関心は高く、工場がより高度な認証を得るために、クリーンルームウエアへのニーズは高い。安心・安全の一端を担う意識を持って、しっかり対応していきたい。

 独自にICチップを開発した、ウエアの運用管理についても、導入事例が増えており、提案を強めていく。生産に関しては、来期は海外の縫製キャパシティーが少し不足しそうなので、拡充のためにベトナム北部やミャンマー、バングラデシュなどで調査を進めている。

〈「ケイタマルヤマ」とコラボ/台湾カフェ「春水堂」の新制服〉

 オアシスティーラウンジ(東京都豊島区)が運営する台湾カフェ「春水堂(チュンスイタン)」は、「ケイタマルヤマ」ブランドのファッションデザイナー・丸山敬太氏とのコラボレーションで制服をリニューアルした。6月28日に開業した関西の旗艦店「グランフロント大阪店」を皮切りに新しい制服を順次全店に導入する。

 春水堂は、タピオカミルクティー発祥の店として人気の台湾カフェで、制服リニューアルは日本上陸4周年・全国展開を記念したもの。丸山氏は日本航空の制服デザインを手掛けたことでも知られている。

 新制服は春水堂のブランドカラーの赤と紺がベースになっている。女性用は品のある赤地のチュニック丈のトップスで、すっきりとしたシルエットやターコイズブルーのパイピングがオリエンタルモダンなテイストを醸成する。男性用は紺地に朱色のパイピング、短めの丈が軽快でスマートな印象を与える。ボタンやブランドロゴ、歩くと揺れて見える裾の裏地にパイピングと同じ色を配するなど、ディテールにも凝った。

 丸山氏は「働いているときにもお客さまの目を楽しませる制服を、スタッフと話し合い、一緒に作り上げるのが楽しかった」と語る。

 生地はハリ感のある、撥水(はっすい)加工を施したもので、袖や裾の丈もサービスや調理に最適になるように設計し、エレガントかつ動きやすい制服を実現している。オアシスティーラウンジの関谷有三社長は「機能性とデザイン性が両立され、春水堂らしいアジアンテイストが出ている」と新制服を評価する。