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「ミラノ・ウニカ2018秋冬」開幕/販売拡大へ期待新たに/早期開催など転換期迎える

2017年07月13日(Thu曜日) 午後4時32分

 欧州最大規模の服地見本市「ミラノ・ウニカ(MU)2018秋冬」が11日、イタリア・ミラノのロー・フィエラミラノ会場で開幕した。9月から7月への会期変更や日欧による経済連携協定(EPA)の大枠合意など転換期の中での開催となり、日本の参加企業・団体は欧州市場への期待を新たにした。午前の来場者は例年と比べて鈍いとの声が聞こえたが、午後に入り客足も伸び、商談でにぎわうブースも目立った。

(ミラノ=桃井直人)

 今回の日本コーナー「ザ・ジャパン・オブザーバトリー」(JOB)は、従来のホール16から12へ移転され、エリア拡張やレイアウト改善がなされた。40社・団体が18秋冬向けの素材を打ち出し、このうち東レ合繊クラスター内のムツミテキスタイル、わかやま産業振興財団内の丸和ニットと森下メリヤス工場が初めての参加となった。

 午前中は鈍かった客足も、ブースによって違いは見られたものの、午後からは徐々に伸び始め、夕方までに多くの商談を済ませた企業・団体も出てきた。全体として、凹凸感を付与した表情の豊かな生地や柔らかな見た目に反する風合いを持つものなど、「スペシャルで面白い素材」(出展企業)が来場者の視線を集めた。

 会期の変更によって集客面などでは手探りの感もあった今回のMUだが、日本の企業・団体は商談が進んだこともあって「特にメンズでは、7月開催は歓迎」(スタイレム)、「タイミング的には適正だと思う」(瀧定名古屋)、「バイヤーからも7月に素材を選択できるのは良いと聞いた」(宮下織物)という声が返ってきた。

 そのほか、「ハイエンドの顧客ほど提案サンプルそのものを使用することはない。変更や改良を施す時間が持てるのは大きな利点になる」(安部吉)、「実需の時期での開催になり、これまで以上に大きな期待を持っている」(カネマサ莫大小)などの反応もあり、大半が2カ月前倒しでの開催を歓迎した。

 日本と欧州連合(EU)によるEPAの大枠合意に対しても追い風になるといった意見が多くを占めた。前田源商店は「欧州市場への販売を既に行っている企業には特にメリットが大きい」とし、エイガールズは「価格で勝負できる余地がある程度出てくる。量を狙う好機」と話した。

 MUの視察に訪れた日本繊維産業連盟の鎌原正直会長も、「テキスタイルを中心にチャンスが出てくる。非常に良かったと思う」と語った。EUとのEPA大枠合意が、韓国や中国など他の国・地域との取り組みにも広がってくる可能性があり、鎌原会長は「いろいろなことに好影響を与えるのではないか」と言葉を続けた。

 その一方で、ある企業は「合成繊維や綿ニットへの影響は少ないかもしれないが、ウール関係は輸入圧力が高まることもあり得る。注視が必要」と指摘した。別の企業も「ジャカード関係は、最初は向かい風になるかもしれない。そうならないためにも商材開発は重要」と強調した。