中国発改委が草案/物流コスト低減に本腰/実体経済の成長後押し

2017年07月14日(金曜日) 午前11時25分

 中国国家発展改革委員会(発改委)はこのほど、物流コストの低減に向けた政策指針の草案をまとめた。一部の高速道路で時間別料金を導入することや、年内に貿易貨物の通関時間を3分の2に短縮する方針などを掲げた。物流環境を改善することで実体経済の成長後押しを狙う。

 発改委が10日に発表した草案によると、物流コストの低減は主に、制度改革▽税金や各種費用の見直し▽重点分野の強化と弱点の克服▽情報化、標準化、スマート化――などを通じて推進する。幾つかの具体的な政策については、年内に期限を設けて早急な実現を図る。

 このうち制度面では、道路輸送に関する管理行政の効率化や規範化、簡略化を進める。地域(省)をまたぐ大型貨物の輸送許可を、沿線地域分も併せて出発地で一括申請できるオンラインシステムを年内に整備。貨物輸送車両に対する年次検査と年次審査を年内に一本化し、通常の輸送車両であれば登録地以外でも検査・審査を受けられるようにする。

 異なる行政区域の税関を実質的に一つの大きな税関として機能させる通関一体化についても、年内に期限を切って全国規模で実現させ、通関時間を3分の2に圧縮する。国際貿易のシングルウインドー化に向けた取り組みも加速する。

 このほか、輸送車両の取り締まりを担当する交通運輸省と公安交通警察が重複して罰金を科すことがないよう、それぞれの権限を明確化。宅配企業の事業展開を促すため、拠点設立の手続きを簡略化することなども盛り込んだ。

 税金や各種費用の見直しでは、年内に有料道路の発票(領収書)業務のための全国統一プラットフォームを完成させ、増値税の電子発票を発行できるようにする。一部の高速道路では、時間帯によって通行料を変動させる試験措置を実施。自動料金収受システム(ETC)を利用する貨物車両への優遇も進める。

 物流分野での各種費用を点検し、企業からの不当な料金徴収や不当な罰金に関する問題の解決を図る。

〈複合輸送を強化〉

 重点分野の強化と弱点の克服では、複合輸送の発展などが柱となる。その一環として高速鉄道を含む鉄道輸送の拡大を図るほか、「ドロップ・アンド・プル輸送」(目的地到着後にトラクターとトレーラーを切り離し、トラクターだけ直ちに別のトレーラー輸送に当たる方式)やバン型セミトレーラーによる複合輸送の普及を推進。年内には、貨物を積んだトラックやコンテナを搭載したトレーラーをそのまま鉄道貨車で輸送する「ピギーバック輸送」の試験路線を開設する。

 複合輸送を支える物流施設と輸送インフラに対しては、土地利用などの面から政策支援を強化。国有企業や金融機関、大型物流企業グループなどが一定の条件を満たせば、物流インフラなどへの投資ファンドを設立することを奨励するとした。

 情報化、標準化、スマート化では、政府が進めるインターネットと他産業の融合戦略「互聯網+(インターネットプラス)」に沿ったビッグデータやクラウドコンピューティングの応用などを進める。物流効率を高めるため、パレットや梱包(こんぽう)、輸送車両の標準化に取り組み、輸送車両については基準を満たさない車両の6割を年内に新車両へ更新させる目標も示した。

 草案ではこのほか、3PL(物流業務を一括して請け負うサード・パーティー・ロジスティクス)の普及を強力に支援していく方針などを明記。一部の省(市)を物流コスト低減の総合モデル地域に選定し、さまざまな改革を模索する方針も打ち出している。

 発改委は今月21日まで、草案に対する意見公募(パブリックコメント)を行う。詳細は同委のウェブサイトhttp://www.ndrc.gov.cn/yjzx/yjzx_add.jsp?SiteId=136で確認できる。

〔NNA〕